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瀬戸内しまなみ海道:今治〜尾道80kmを3日で巡る旅

瀬戸内しまなみ海道:今治〜尾道80kmを3日で巡る旅

愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」を旅ランしてきたので紹介します。

今回は6つの島と7つの橋をめぐる全長80kmを3日間かけて走りました。

当ブログでは広告を利用していますが、紹介するランニングアイテムはすべて自費で購入し、忖度なしでレビューしています。

更新日: 公開日:

目次と内容

アクセス

瀬戸内しまなみ海道は、愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ自転車歩行者道です。

全長はルートによりますが70〜80km。瀬戸内海の6つの島と7つの橋をめぐりながら、自転車または歩行での通行が可能です。

四国側は、今治駅前のローソンが起点です。

本州側は、尾道駅前ウッドデッキが起点となっています。

80kmは自転車なら1日で制覇できる距離ですが、ランニングだと1回で走り切るのはハードルが高過ぎます。だってフルマラソン2回分の距離ですよ。

ウルトラマラソンランナーなら10時間ぶっ通しで走れなくもないですが、観光する余裕はないでしょう。

今回は、瀬戸内しまなみ海道の全80kmの区間をランニングで制覇するために、2泊3日のプランを立てました。

  • 1日目:今治〜大島(泊)
  • 2日目:大島〜伯方島〜大三島〜生口島(泊)
  • 3日目:生口島〜因島〜向島〜尾道

直前まで、アートの島として知られる「直島」に滞在し、香川県に戻ってきたので、四国側から走りはじめて、本州を目指します。

途中、大島と生口島の宿に宿泊します。旅ランに必要な荷物はすべてランニングバッグにまとめ、背負って走ります。

コース

もう少しコースを詳しくみていきましょう。「しまなみ海道」には、2つの道があります。

自転車歩行者道を走行

ひとつは「西瀬戸自動車道」。こちらは有料道路で自転車や歩行者の立ち入りが禁止されています。

もうひとつは「自転車歩行者道」。自転車や徒歩、ランニングで移動する場合はこちらを通行します。

全長70〜80km

コースの全長は、西瀬戸自動車道が約60km、自転車歩行者道が約70〜80km。自転車歩行者道はルートによって距離が異なります。

青のラインが目標

自転車歩行者道には目印として青のラインが引いてあります。今治から尾道までずっと続いているので、この青ラインに沿って走れば、道に迷うことはありません。

ただし、途中でルートが分岐したりするので、どちらに行くかを選ばないといけません。

6つの島

四国と本州の間には、6つの島を通行します。今治から順番に大島、伯方島、大三島、生口島、因島、向島を通り、尾道に向かいます。

7つの橋

島へ渡るには自転車歩行者道の橋を使う。本来ならば通行料(50〜100円)がかかりますが、「tomo」が走った2018年12月時点では、スポンサー企業の支援により無料でした。

1日目:今治〜大島

初日は、しまなみ海道の自転車歩行者道の起点である今治駅からスタートし、来島海峡大橋を渡って大島まで走りました。走行距離は約14km。

今治からスタート

午前中は高松から今治まで電車で移動しました。

今回はあまり下調べをせずに来たので、まずは今治駅の観光案内所で情報収集しました。

自転車歩行者道について質問すると「駅前の道路に青のラインが引いてあります。それがしまなみ海道の目印です。ちょうど駅前のローソンのところから始まります」と、丁寧に教えていただきました。

なるほど、これが青のラインですね。

来島海峡大橋へ

青ラインを目印に、ゆっくりと走り始めます。青ラインが引いてある以外は、見た目は普通の一般道です。自転車は青ラインの内側を、ランナー(および歩行者)は歩道を走ります。

途中「しまなみ海道」への入り口がありますが、こちらは自動車専用道路(西瀬戸自動車道)なので自転車・歩行者は入れません。

しばらく走り続けていると、最初の関門である「来島海峡大橋」が見えてきました。来島海峡大橋を渡る前に、来島海峡展望館に寄り道。ここから眺める来島海峡大橋の景色は圧巻でした。

今治といえば「今治タオル」が有名ですが、もうひとつ有名な産業が造船業です。来島海峡大橋の近くには「今治造船」の造船所がありました。

いよいよ来島海峡大橋に突入。自転車歩行者道は、こんな感じで「原付」と「自転車・歩行者」に分かれています。

来島海峡大橋は、第一から第三まで、3つの橋が繋がっています。

橋の上からは、瀬戸内海の名物の「渦潮」が見えました。

ゴールの尾道まで、あと66km。

大島へ

ようやく来島海峡大橋を渡りきりました。今治の対岸、大島側から来島海峡大橋が一望できます。夕日が美しいですね。

16時半に宿泊先の「民宿 名駒」に到着しました。

ゆっくりお風呂に浸かった後は、これでもか!というほどの魚料理をいただきました。この地方で「アコ」と呼ばれる白身魚が絶品でした。

2日目:大島〜伯方島〜大三島〜生口島

2日目は大島を出発し、伯方島と大三島を通過して、生口島まで走りました。走行距離は約37km。

途中で通行止めにあったので、予定よりも5kmほど多く走るハメに……。まあ予定通りに行かないのが旅ランです。

朝はあいにくの雨。防水シェルを取り出して、小雨が降る中を走り始めます。

全面通行止

大島の南岸沿いの県道(337号)をひたすら進んでいきます。調子が上がってきたところで、「全面通行止」の看板に行く手を阻まれました…。なにこの罰ゲーム感。

先日の台風でこの先の路肩が崩壊しているのが原因です。まあ仕方ないですね。島の中央の道路をまわり道をして迂回することにしました。

懐かしの青ライン。気づいたら雨が止んでいました。

再び自転車歩行者道をはずれ、再び県道337号に戻りました。やはり海岸沿いの道は景色がいいですね。こんな感じで、ルートを忠実に守るよりも、観光メインで進みます。

その先に、大島の人気観光スポット「村上水軍博物館」がありました。わざわざ自動車歩行者道を外れてきたのは、ここに寄りたかったから。

博物館では、かつて瀬戸内海一帯を支配していた「村上水軍」について学べます。ついでに博物館の隣の食堂でランチがてら休憩をとりました。

ここから伯方・大島大橋を渡って伯方島を目指します。

伯方島

大島と伯方島の間に、見近島という無人島があります。橋の途中から降りられたので、島内を散策してきましたが、何もなかったです。完全な無駄足、なんて言っちゃいけませんね……。

伯方の道の駅を通過します。海沿いには白い砂浜のビーチが広がりますが、12月なので誰もいません。

伯方島も造船業が盛んなようです。こちらは「しまなみ造船」の造船所。

あっという間に大三島橋に到着。自転車歩行者道は、伯方島の端を通過するので、実際に島内を走ったのは3〜4kmくらいですね。これから大三島へ向かいます。

大三島

今日はもう25km走りました。大三島に入ってから疲れがドッと出てきたので、少しペースを落としながら進みます。

途中、「しまなみ街道ウルトラウォーキング」の案内板を見つけました。

海沿いを走っていると、可愛らしい「休憩所」を発見。なんだか歓迎されているみたいで癒されました。

こちらは防波堤にドルフィンが描かれています。遠方には、大三島と生口島を結ぶ多々羅大橋が見えてきました。

お腹が減ったので、多々羅しまなみ公園で休憩を取ることにしました。公園にはサイクリングステーションや食堂、売店があり、お土産類の品揃えが充実しています。

ここでは「伯方の塩」が入ったどら焼きをペロリといただきました。

多々羅大橋

トイレを済ませてから、再び自転車歩行者道へ戻ります。多々羅大橋へと続くアプローチを駆け上がります。

本来、島と島を結ぶ橋は通行料がかかるそうですが、スポンサー企業による支援により期間限定で無料化されていました。なので今回の旅では通行料は1円も払っていません。

スポンサー企業の皆様、ありがとうございました!このスポンサーシップの取り組み、企業のイメージアップには効果があると思います。海外からのお客さんも多いですしね。

ちなみに多々羅大橋の上は、メチャクチャ寒かったです…。天気が曇りなので、本来ならば美しいはずの景色もイマイチでした。

多々羅大橋の途中で愛媛県と広島県の県境を通過します。こういうを見ると、なぜかテンションが上がるんですよね。

生口島へ

ようやく本日の終着点の生口島に到着しました。これから瀬戸田港へ向かいます。

この辺りは、広島県尾道市の瀬戸田(せとだ)というエリア。明治時代からレモンの栽培が盛んで「レモン谷」とも呼ばれていたそうです。

走っていると、あたり一面にレモン畑やネーブル畑が広がります。

途中、ユニークな自動販売機を発見。売上金の一部はサイクリングロードの支援に寄付されるとのこと。

夕日に染まる生口島の海岸線を走っていると、シュールなオブジェを見かけました。

16時過ぎに瀬戸田港に到着しました。今宵の宿は、瀬戸田港で100年以上の歴史を持つ「旅館 つつ井」。レモンがたっぷりと入った「レモン風呂」が自慢です。

3日目:生口島〜因島〜向島〜尾道

3日目の最終日は、生口島から因島と向島を通過し、終点の尾道駅を目指します。走行距離は26km。

平山郁夫美術館

チェックアウトを済ませて最初に向かったのは、瀬戸田港から歩いて10分の所にある「平山郁夫美術館」。日本画家の平山氏は、ここ生口島の瀬戸田のご出身。

美術館には、平山さんの少年時代の作品や、しまなみ海道を題材にした「しまなみ海道五十三次」が展示されていました。これまで自分で見てきた風景と、平山さんの絵を見比べてみると面白いです。

ちょうど平山郁夫美術館の前を自転車歩行者道が通っています。青ラインには、尾道まであと30kmと書かれていました(実測値では26kmでしたが)。

最終日は天候に恵まれ、最高の1日になりそうです。

早速、お隣の因島(いんのしま)へ。

因島

因島では、途中から自転車歩行者道を外れ、島の中央の道路を走行しました。目指すは、因島の人気観光スポット「因島水軍城」。高台に建てられた水軍城は、まるで天空の城のようでした。

因島出身の有名人といえばポルノグラフィティ。まさか因島水軍城の場内でお会いできるとは夢にも思いませんでした。

因島の海岸沿いをひたすら走り、因島大橋を目指します。

向島

因島と向島を結ぶ因島大橋は、自動車道の真下を通行する新しいパターン。

終着点の尾道まで、あと9kmです。頑張ろう!

立花食堂

因島大橋を渡りきった所で、力が尽きました…。そんな矢先に、おしゃれなレストラン「立花食堂」を発見。別荘をリフォームしたかのようなオシャレな店づくりと、地産地消のメニューが特徴です。

人気メニューのひとつ、レモンラーメンをいただきました。

チャーシュー丼の小盛もつけましたが、それでも足りなかったので、隣のカフェでスイーツとみかんジュースを注文。

ちなみにカフェでは、みかん1盛を200円で販売していました。車で来ていたら爆買いしていたのに。

この辺りは白い砂浜のビーチが美しく、自動車で旅している人たちも、わざわざ車を路駐して写真を撮っていました。

こちらは、電柱にぶら下げてあった魚の干物(を入れたネット)。都会ではなかなか見かけない光景ですが、このあたりでは普通なのでしょうか。

ついにラスト3km。

と、ここでトラブル発生!!先ほど食べ過ぎたのか、お腹が急激に痛くなりました。「ギュルギュルッ」とするヤバめなやつです。

近くにコンビニや売店がないので本気でヤバいと思いましたが、公衆トイレを発見。しかもウォシュレット付きでした。本当に助かりました。

渡船

トイレを済ませると、残り3kmを一気に走りきりました。向島から尾道までは橋で渡ることもできますが、今回は「渡船」を利用しました。

ちょうど渡船が来たので飛び乗ります。料金は乗船中に支払うスタイル。

もっと感動的なゴールを期待していたが、意外とあっさり終わってしまいました。やぱり橋を渡った方が良かったのかな。

おまけ

最後に、瀬戸内しまなみ海道を走る前と走った後に観光したスポットを紹介します。

今治城跡

今治城は、瀬戸内海の海岸に築城された日本屈指の「海城」です。お堀には海水が引かれ、鯛が優雅に泳いでいました。お堀の幅が広く、お城の建物が美しく見えるのがおすすめポイントです。

今治城跡

近年再築された天守閣は資料館になっており、屋上階からは今治の街と瀬戸内海が一望できます。しまなみ海道の一部でもある「来島海峡大橋」も見えました。

今治城跡 天守閣からの眺め

ONOMICHI U2

尾道駅からすぐ近くにある「ONOMICHI U2」は、自転車ごと宿泊できるサイクリスト専用ホテルを中心に、レストランやセレクトショップなどを併設した複合施設です。

ONOMICHI U2

第一印象は「とにかくオシャレ!」。衣食住がすべて揃うので、ここで1泊するのもアリだと思いました。

ONOMICHI U2

100円で使えるコインシャワーもあるので、サクッと汗を流すこともできます。

ONOMICHI U2

最後までお読みいただき有難うございます。この記事はマラソンブロガーのtomo.が書きました。当ブログでは紹介するランニングアイテムはすべて自費で購入し、忖度なしでレビューしています。