マラソン川内3兄弟の母が書いたスパルタ練習メソッド『走れ、優輝!』

書評

史上最強の市民ランナー川内優輝選手には、2人の弟がいたんですね。次男の鮮輝(よしき)さんと三男の鴻輝(こうき)さん。2人ともフルマラソンを2時間20分台で走るツワモノです。

川内家の“最終兵器”三男・鴻輝が軽やかなフォームで6位入賞を果たすと、次男の鮮輝は9位でゴールに飛び込んだ。昨年、同大会の招待選手として優勝した長男・優輝に続く快進撃だ。表彰式で堀内康男・黒部市長とがっちり握手した鴻輝は「去年は兄がお世話になりました。(兄の記録が破られ)悔しがって、また出場すると思います」と笑顔で代弁した。(引用元

そんな史上最強のマラソン3兄弟を育てた母、川内美加さんが書いた『走れ、優輝!』(2011年)を読んでみました。家族しか知り得ない川内優輝選手(以下、川内選手)の素顔がつづられた貴重な一冊です。巻末には川内選手の言葉も掲載されています。

虐待(?)一歩手前のスパルタ練習

川内選手が走り始めたのは小1の5月。母美加さんが「勝手に申し込んだ」市民マラソンがきっかけです。1年生男子の部(1500メートル)に出場し、結果は7分30秒で百十数人中5位。

その日から母美加さんのスパルタ練習が始まります。練習はタイムトライアル全力疾走が基本。川内選手本人は淡々とこなしていたそうですが、母美加さんは「一歩間違えば、虐待だったんじゃないか」と振り返っています。

少し頑張れば届く目標をコツコツ積み上げていく

一番の読みどころは、大学時代の監督から独立するあたり。

学習院大学時代、川内選手は当時陸上部の監督だった津田 誠一氏の指導を受け、トップランナーに上り詰めるきっかけを手にするわけですが、社会人になって2年目の夏に転換期が訪れます。

当時の川内選手の様子を、母美加さんが次のように語ります。

優輝のやり方は、まず、ちょっと努力をすれば手が届きそうな目標を立てる。(…)あまりに大きく遠い目標を立ててしまうと、「どうせできないんだ」と途中であきらめてしがち。そうならないためにも、優輝は少し頑張れば届く目標をコツコツ積み上げていく。(…)社会人になってもその姿勢は変わらず、慎重に歩んでいきたかったのが、かなり早い時期に監督からロンドン五輪を目標にするよう促され、苦しくなってしまったようです。

巻末に掲載されている川内選手本人の言葉も、それを裏付けています。

大まかに「頑張りすぎない」「ポイント練習は週2回」というところでは、監督と僕の考えは一致しているのですが、「頑張り過ぎるな」と言っている監督が僕に課すメニューは、頑張らなければできないメニューになってきた。そこに矛盾を感じ始めてから、苦しくなってきた。なんだか心がケガをしたような状態になってしまったのです。

恩師からの独立を決意するのは、相当辛かったと思います。そんな時も、母美加さんは息子を優しく見守り、息子が下した決断を全面的にサポートしています。

ちなみに母美加さんは陸上部の中距離出身ですが、高校の時に家庭の事情でやむなくドロップアウトしてしまったそうです。自分の叶えられなかった夢を息子たちに実現してもらいたい、その気持ちが3兄弟に伝わったのでしょうね。

明日9月25日は「ベルリンマラソン 2016」が開催されます。マラソン世界記録が出やすい大会として有名で、川内選手も自己ベストを狙って出場します。ぜひ、頑張ってもらいたいですね!

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