【レビュー】映画『栄光のランナー』

>

マラソンブロガーのともです。

1936年のベルリンオリンピック。アスリートのほとんどが白人で占められていた時代に、黒人選手ジェシー・オーエンスが100m走で世界に挑むという設定。原題の『RACE』には、競技のraceと人種のraceの意味が込められています。

この記事では、2016年に公開された映画『栄光のランナー(RACE)』の見どころを紹介します。

見どころ

以下は公式サイトより。

貧しい家庭に生まれながらも中学時代から陸上選手として類いまれな才能を発揮していたジェシー・オーエンス。(…)オリンピックを目指して日々練習に励むオーエンスだったが、当時のアメリカ国内では、ナチスに反対してオリンピックのボイコットを訴える世論が高まっていた。さらに、ナチスの人種差別政策は黒人であるオーエンスにとっては認めがたいものであり、それを理由にオリンピックに出場しないでほしいというアメリカ黒人地位向上委員会からの申し出があるなど、オリンピックに向け彼は大いに苦悩することになる。

本来人種差別とは無縁であるはずのオリンピックで、人種差別が浮き彫りとなる。ひと言で人種差別といっても、アメリカによる黒人差別、ナチスドイツによるユダヤ人差別、アメリカ人によるドイツ人差別が複雑に入り混じっている。

ベルリンオリンピックに集まった観衆は、黒人選手がドイツ人選手に勝つはずがない、勝ってはいけないと考えている。しかし「速さ」は正義であり、黒人選手がより速く走り、より遠くへ跳ぶという事象は、事実として受け入れざるを得ない。というか、人は速く走る人を見ると、無条件に敬意を抱かざるを得ない。

オーウェンスがオリンピックに出場しなければ「アーリア人」がメダルを獲りやすくなる。それこそヒトラーの思うつぼ。一方、出場すればアーリア人種主義を肯定することになるし、優勝できなければ「黒人はダメ」ということを自ら証明することになる。出場してもしなくても、オーウェンスは苦しい立場に置かれている。

オーウェンスは、アメリカ国内でもベルリンでも人種差別から逃れられない。唯一、走っている時だけ人種差別の苦しみから解放される。だからこそオーウェンスは走りつづけ、「白も黒もない、早いか遅いかの問題だ」と言い切る。

オーウェンスをベルリンオリンピックに駆り立てるため、コーチのラリー・スナイダーが言い放った殺し文句が秀逸!「記録はいずれ破られるが、メダルは永遠に残る」。たしかに、世界記録保持者の栄誉はいずれなくなるが、〇〇オリンピック△△メダリストの栄誉は永遠に残る。

ゲッベルス宣伝省大臣とベルリンオリンピックの映像記録担当レニ・リーフェンシュタールの対立が面白い。ゲッベルスはアーリア民族の優秀性をフォーカスしたドキュメンタリーづくりを強要するが、リーフェンシュタールは事実を事実として記録する姿勢を貫く。

まとめ

以上、2016年に公開された映画『栄光のランナー(RACE)』の見どころを紹介しました。

1936年のベルリンオリンピック。アスリートのほとんどが白人で占められていた時代に、黒人選手ジェシー・オーエンスが100m走で世界に挑むという設定。原題の『RACE』には、競技のraceと人種のraceの意味が込められています。