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どうも!マラソンブロガーのtomo(とも)です。
2018年4月17日、米 Nikeがランニングシューズの次世代製法技術 Nike Flyprint(ナイキ・フライプリント)を発表しました。
また、4月22日のロンドンマラソン 2018では、マラソン世界王者エリウド・キプチョゲが Nike Flyprintで作られた Nike Zoom Vaporfly Elite(ナイキ・ズーム・ヴェイパーフライ・エリート)を履いて世界記録更新を狙うことが明らかになりました。世界最速シューズ Nike Zoom Vaporfly Eliteの弱点、そしてそれを克服した Nike Flyprintとは、一体どのようなものなのでしょうか。
Nike Flyprintはファブリック(布生地)素材を自由自在に生成できる最新の 3Dプリント技術。弾性樹脂を溶かして、糸のように何層にも編むことで、これまでにはないファブリック素材が作れるようになりました。
以下は、公式動画のスクリーンキャプチャより。Nike Flyprintの素材となるのは、コイル状になった「TPUフィラメント」と呼ばれる弾性樹脂。
TPUフィラメントを熱で溶かして、糸のように編んでいきます。
「3Dプリント」の言葉どおり、3次元の立体的な構造でも簡単に作れます。まるで「3D 網戸」ですね!
Nike Flyprintで作られたシューズがこちら。アッパー部分はファブリックとして必要最低限の素材しか使われていません。ミニマリズムを極めた結果、内側が透けて見えます。
Nike Flyprintがランニングシューズにもたらす革命。それは大きく二つあります。
まず、個々のランナーにフィットしたアッパー部分を簡単に作れること。立体形状はもちろんのこと、TPUフィラメントを使い分けることでパーツ毎に伸縮性の強弱をつけることも可能です。
もう一つは、開発サイクルとコストを圧倒的に下げられること。Nikeによると、Flyprintを使った製法は、従来の製法に比べて開発サイクルが 16倍も速くなるそうです。
Nikeには、人気モデル Nike Epic React Flyknitにも使われている Nike Flyknit(ナイキ・フライニット)製法がありますが、近い将来、Nike Flyknitは Nike Flyprintに置き換えられそうですね。
2018年4月22日に開催される「ロンドンマラソン 2018」では、エリウド・キプチョゲが Nike Zoom Vaporfly Eliteの「改良版」を履いて世界記録更新を狙います。
参照:HOW ELIUD KIPCHOGE HELPED PERFECT NIKE’S 3D PRINTING PROCESS FOR UPPERS(英語)
昨年 9月に開催された「ベルリンマラソン 2018」でも、エリウド・キプチョゲは Nike Zoom Vaporfly Eliteを履いています(結果は優勝)。レース終了後、キプチョゲは開発担当者に Nike Zoom Vaporfly Eliteのある問題点を指摘しました。それは、水分を吸収して重くなってしまうこと。
レース当日は雨。雨に濡れた Nike Zoom Vaporfly Eliteは水分をうまく発散できず、重くなってしまったのです。世界最速シューズにも「弱点」があったわけですね。
その弱点を改良するために採用されたのが、社内で研究開発が進んでいた Nike Flyprintの製法。2018年から Nike Flyprintを使った Nike Zoom Vaporfly Eliteの改良モデルの試作が始まります。開発チームはキプチョゲの足の形状にフィットするアッパー部分を設計するために、数千パターンもの素材の組み合わせをシミュレーションした後、Nike Flyprintを使ってプロトタイプを試作。
最終的にキプチョゲのゴーサインを貰った改良版は、従来のモデルよりも 11gも軽量化できたそうです。
Nike Flyprint製法で作られたランニングシューズは、今はまだキプチョゲのレースシューズのみですが、将来的には世界にひとつだけのランニングシューズの量産が可能になりそうです。
3Dプリント技術は、ランニングシューズの製造工程における「アウトプット」の部分。コンピューターで組み立てた設計図どおりに製品を形づくる技術です。
一方で、個々のランナーの足データを読み取る 3Dスキャン技術に関しては、先日、Nikeがこの分野のパイオニアである Intervex社を買収しています。アウトプットだけでなく、「インプット」もしっかり抑えているのは、さすが Nikeだなと思いました。
関連:Nikeが Invertexを買収。目指すはランニングシューズ版 ZOZOSUITか?
自分の足に完璧にフィットした世界にひとつだけのランニングシューズが手に入るのは、そう遠くない未来かもしれませんね!
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tomo(とも)です。マラソンがライフワークの36歳。外資系IT会社員・二児パパしながら「マラソンブロガー」として活動中。夢は、福岡国際マラソン出場と、非エリート系プロランナーになること。
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