世界トップブランド「ナイキ」の創業秘話 -『SHOE DOG(シュードッグ)』

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ナイキ(Nike)といえば誰もが知る世界的ブランドですが、その生い立ちについて知っている人は少ないのではないでしょうか。ぼくも『SHOE DOG(シュードッグ)』を読み、ナイキのブランドヒストリーを初めて知りました。

『SHOE DOG(シュードッグ)』

本書は、ナイキの共同創業者フィル・ナイト(Phil Knight)が、自身の生い立ちとナイキの創業ストーリーについてまとめた本です。原書は2016年に出版。大田黒奉之氏による日本語訳は2017年10月に発売されたばかり。

全体的にフィル・ナイト自身の生い立ちや人生哲学に多くのページが割かれており、自叙伝的な要素が強い内容になっています。また、ブランドヒストリーは1980年の株式公開までしかカバーしていないため、「エアー・ジョーダン」などナイキが世界のトップに飛躍する肝心な部分についてはほとんど省略されています。

例えば「世界で最もクールで価値あるブランドに成長した「ナイキ」の歴史と未来」で書かれているようなことを期待している人には、『SHOE DOG(シュードッグ)』は期待外れに感じるかもしれません。

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馬鹿げたアイデア

ナイキはスポーツブランド業界において世界の頂点に君臨しています。2016年の売上高は約3.5兆円。2位のアディダスの2.3兆円を大きく引き離し、3位のアンダーアーマーの5,600億円はナイキの足元にも及びません。日本一のスポーツブランドのアシックスは約4,000億円と、ナイキの8分の1にも達していません。

今から半世紀前、アディダスが世界のトップアスリートに愛され、アシックス(オニツカ)が日本で人気を博していました。当時スタンフォード大学のMBA(経営大学院)の学生だったフィル・ナイトは、アシックスのランニングシューズに惚れ込み、ある「馬鹿げたアイデア」を思いつき、MBAコースのプレゼンテーションで発表します。

ランナーだった私は、ランニングシューズについて知っていたし、ビジネスについても詳しかったので、かつてはドイツの独擅場だったカメラ市場に日本のカメラが参入したことも知っていた。 レポートの中で、日本のランニングシューズにも同じように可能性があると力説した。私はそのアイディアに強い興味を持ち、刺激を受け、そしてとりこになった。非常に明白かつシンプルで、大きな可能性を秘めているように思えたのだ(本書より)。

MBAを取得して会計士としての道を歩み始めたものの、馬鹿げたアイデアが頭から離れず、フィル・ナイトはアシックスの米国販売代理店の権利を獲得し、ナイキの前身となる会社を興します。

勝つことにこだわり続けた男

本書でフィル・ナイトが繰り返し力説しているのが、勝利への執念が成功するために重要であるということ。フィル・ナイトは、第二次世界大戦時のイギリスの首相ウィンストン・チャーチルを崇拝しており、チャーチルの次の名言を引用しています。

目を閉じて偉大なチャーチルのことを思い浮かべた。「我々の目的は何かと君は聞く。私は一言で答えられる。それは勝利だ。何があっても勝利、どんな不安があろうと勝利だ。勝利……勝利なしには生き残れない」

創業以来、ナイキは何度も倒産の危機に晒されますが、フィル・ナイトはチャーチルの言葉を思い出して危機を乗り越えていきます。

ちなみに社名のナイキ(Nike)は、ギリシア神話の「勝利の女神(ニケ)」なので、フィル・ナイトがいかに勝利にこだわっていたかがわかります。

勝つためには手段を選ばず

勝利にこだわるあまり、目的を達成するための手段は選ばず的なエピソードが多いのが印象に残りました。アシックスと契約を結ぶために平気で嘘をついたり、交渉を有利に進めるために資料を盗み見たり、内部情報を得るためにスパイを雇ったりと、今の時代だと限りなく黒に近いグレーな行為ですが、いつ倒産してもおかしくない状態で綺麗ごとなんて言ってられなかったのでしょうね。

シュードッグの意味は?

本書のタイトルにも使われている「シュードッグ」という言葉を初めて知りました。日本語だと「靴バカ」という意味ですね。

シュードッグとは靴の製造、販売、購入、デザインなどすべてに身を捧げる人間のことだ。靴の商売に長く関わり懸命に身を捧げ、靴以外のことは何も考えず何も話さない。そんな人間同士が、互いにそう呼び合っている。熱中の域を越し、病的と言えるほどインソール、アウターソール、ライニング、ウェルト、リベット、バンプのことばかり考えている人たちだ。

つまりフィル・ナイトは「馬鹿げたアイデア」を信じて行動に移した「靴バカ」だったわけです。

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目次

  • 夜明け アスリート人生
  • 1962 オニツカとブルーリボン
  • 1963 会計士として
  • 1964 レジェンド・バウワーマン
  • 1965 巨漢ヘイズ
  • 1966 手紙魔ジョンソン
  • 1967 ウッデルの参加
  • 1968 ペニーとの結婚
  • 1969 フジモト
  • 1970 8000ドルの借金
  • 1971 ナイキ・ブランド誕生
  • 1972 シカゴの展示会
  • 1973 偶像を破壊する
  • 1974 専属弁護士ストラッサー
  • 1975 日商岩井
  • 1975 プリとの別れ
  • 1976 バット・フェイス
  • 1977 ゴールラインは存在しない
  • 1978 2500万ドルの請求
  • 1979 中国進出
  • 1980 株式公開
  • 夜 死ぬまでにしたいこと

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