ナイキがフルマラソン2時間切りに向け、プロジェクトチーム「Breaking2」を発足

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ナイキがフルマラソン2時間切りに向け、プロジェクトチーム「Breaking2」を発足

あのナイキが、フルマラソン2時間切りを応援するプロジェクト「Breaking2(2時間切り)」を立ち上げました。

フル世界記録を3%短縮

現時点(2016年12月)のフルマラソン世界記録は、2014年のベルリンマラソンでケニア出身のデニス・キメットがマークした、2時間2分57秒。

2時間を切る「サブ2」に達するには、今の世界記録から1キロあたり4.3秒、合計で約3分短縮する必要があります。

選ばれた「三銃士」

ナイキの「Breaking2」に選ばれたのは、3名のトップランナーたち。

  • エリウド・キプチョゲ:リオ五輪・男子マラソン金メダリスト、北京五輪・男子5000メートル銀メダリスト。フル自己最高は2時間3分5秒。
  • ゼルセナイ・タデッセ:ハーフマラソン世界記録保持者。アテネ五輪・男子10000メートル銅メダル。フル自己最高は2時間10分41秒。
  • レリサ・デシサ:長距離・クロスカントリー選手。フル自己最高は2時間4分45秒。

当然ながらナイキとスポンサー契約しているランナーが選ばれるわけですが、それにしても絶妙な組み合わせですよね。単純に「フルマラソン選手を速くする」だけの戦略でないことが読み取れます。

「サブ2」達成には、スピードと持久力の両立が求められるので、フルマラソン(キプチェゲ)とハーフマラソン(タデッサ)のトップランナーを起用し、二方向から「サブ2」に近づく。そこに毛色の違うクロスカントリー選手(デシサ)を投入し化学反応を起こす。 

2時間切りだけが目的ではない

なぜスポーツメーカーのナイキが「Breaking2」を立ち上げたかというと、自社のプロダクトやサービスにブレークスルーを起こすのが第一の目的です。人類はなぜ走るのか?という原点に立ち返り、シューズやウェア、トレーニング方法や食事など、これまでの常識を一旦リセットして、イノベーションを起こそうとしています。

つまり「サブ2」を達成する過程で得られる知見を、次世代のプロダクトやサービスに活かそうというわけです。

1960年代のアメリカのアポロ計画も「月面着陸」という目標の先に、対ソビエトの宇宙・軍機競争に打ち勝つという目的がありました。以来、ちょっと背伸びした目標を「moonshot(ムーンショット)」と呼びますが、今回のナイキのプレス記事では「innovation moonshot」と称されています。

記録は数秒ずつ更新される? 

公式サイトには「1:59:59」の電光掲示板の前に立つキプチョゲ、タデッサ、デシサの写真があります。

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この写真を見て思い出したのが、エド・シーサ著『2時間で走る:フルマラソンの歴史と「サブ2」への挑戦』の一節。

世界記録が頭に入っている状態で走り始めるのですから、そのタイムより10分も速く走る必要はありません。ランナーの意識は、世界記録より1秒でも速く走ることに集中します。

「サブ2」を達成するには1時間55分とか1時間57分で走る必要はなく、1時間59分59秒でフィニッシュすればいいわけです。なのでエド・シーサが言うように、毎回数秒ずつ、じりじりと記録が更新されていくんでしょうね。

関連記事:強烈な想像力が世界記録を生む by 『2時間で走る:フルマラソンの歴史と「サブ2」への挑戦』

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