ランニング大会のタイム計測チップ「RSタグ」のしくみ

Garmin(ガーミン)

最近のマラソン大会では、シューズに小型受信機をつけてタイムを計測する「RSタグ」が主流になりつつあります。「東京マラソン」「北海道マラソン」「大阪マラソン」「ロンドンマラソン」など国内外の大会で採用されています。

前から気になっていたのですが、RSタグってどういう仕組みでタイムを計測しているんでしょうか?スタート・ゴール地点や中間地点で見かけるブルーのマットは、どうやってRSタグを識別しているんでしょうか?

RSタグとは?

RSは「ランナーズスポータグ」の略。

重量5gの小型発信機チップ。シューズのひも等にビニールタイを使用して装着します。そのためマジックベルトタイプのシューズにも問題なく装着できます。また大会ごとのオリジナルチップ(1大会限定使用モデル)を作ることもできます。日本陸上競技連盟公認の計測システムです。(引用元

マラソン大会のタイム計測は基本的にどれも似たようなもので、電磁界を用いた無線識別技術(RFID: Radio Frequency Identifier)を応用し、計測チップが計測マットを通過した時点で時間を計測します。

RSタグは、計測チップの一種です。RSタグ以外にも、RCチップやRTタグなどの計測チップがあります。

その中でも、日本国内ではRSタグが主流ですね。あくまでも経験則に基づきますが、参加するレースのほぼ8割がRSタグを使っていました。ビニールタイを4つ穴に通し、シューズの紐に留めるのが特徴です。

RSタグはどこで作られているの?

タイム計測の国内最大手は、株式会社レックス。ランニング・ポータルサイト「ランネット」を運営するアールビーズ社の関連会社です。タイム計測、エントリーデータ処理、ナンバーカード制作、ランフォト、イベント運営など、ランニング大会の基幹サービスを川上から川下まで押さえていますね。

とはいえ、株式会社レックスがRSタグやマットなどの計測機器を作っているわけではありません。

タイム計測に使用する計測システムは、アメリカ・テキサスに本社があるActive Networkという会社が製作しています。

製品情報ページを見ると、見慣れたRSタグの写真を発見。使いまわしタイプとカスタムタイプの2種類があります。前者は、次回の大会にも使用されるため、使用後は回収されます。後者のカスタムタイプは、追加1.25米ドルで1回限りのRSタグが製作できるそうです。記念品としてもいいですね。

タイム計測のしくみ

Active Network社のホームページに計測システムのしくみが解説してあります。まず仕組みとしては、

  1. ランナー個人を特定するRSタグ
  2. RSタグを識別するアンテナ(マット)
  3. データを記録する受信機

の3つのコンポーネントから成り立っています。

で、肝心のRSタグの識別ですが、アンテナ(マット)からの磁気誘導でRSタグ内に埋め込まれたICチップを読み取っています。SUICAやPASMOと似たような原理ですね。

ただし、ランナーが走行中にRSタグを正確に読み取らないといけないので、2重周波(Dual Frequency)と呼ばれる特許技術が使われています。前後2メートル範囲と前後40センチ範囲で異なる周波でRSタグをキャッチし、アンテナ数を増やして精度を高めています。このしくみだと、計測漏れは理論上起こり得ないそうです。

の3つのコンポーネントから成り立っています。

RSタグの計測精度

Active Network社の公式サイトによると、RSタグは1秒間に120個のRSタグを認識でき、99.9998%の計測精度を持っています。

「東京マラソン」や「ロンドンマラソン」をはじめ世界のマラソン大会で計測ツールとして正式採用され、年間で1300万人超のタイム計測を行っているそうです。

RSタグに関連する日本陸連の規則

ちなみにタイム計測のシステムが日本陸上競技連盟規則に沿っていないと、公認記録として認められません。日本陸上競技連盟規則の「第165条 計時と写真判定」には次のような規則が定められています。

IAAFによって承認されたトランスポンダーシステムは第230条(競技場内で完全に実施されないレース)、第240条、 第250条、第251条および第252条に該当する競走での使用は、 つぎの条件が整えば認められる。

  1. スタート地点およびコース沿道あるいはフィニッシュ地点で使用される機器のいずれもが、 競技者の前進に重大な障害または障壁になってはいない。
  2. 競技者が身に着けるトランスポンダーやその入れ物は、 負担にならない重さである。
  3. システムはスターターの信号器によって始動するか、スタート合図に同期している。
  4. システムは競技会の間やフィニッシュ地点または記録集計のいかなる過程でも、競技者が何かをする必要がない。
  5. すべてのレースは0.1秒単位で計測され、0.1秒表示がゼロでない場合、つぎの秒に切り上げる。例2:09:44.3→2:09:45〔注意〕 公式の時間は信号器のスタート合図( または同期したスタート信号)から競技者がフィニッシュラインに到達するまでの時間である。ただし、非公認ではあるが、競技者がスタートラインを通過してからフィニッシュラインに到達するまでの時間を知らせることができる。
  6. このシステムによって決定された時間と着順を公認とみなすが必要に応じて第164条2と第165条2を適用する。

要するに、ランナーが装着する計測チップが、走行のジャマにならず、重すぎず、何もしなくても計測できることが要件となっています。

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