
RSタグ(ランナーズチップ)の正しい付け方。返却は必要?
→日本のマラソン大会のタイム計測で最も頻繁に見かける「RSタグ」。ランニングシューズにビニールタイで結びつけるだけで使えますが、正しい付け方や返却方法、計測の仕組みについてわかりやすく解説します。
RSタグとは?
RSタグは「ランナーズ・スポータグ」の略で、ランナーズチップ(ランニング用計測チップ)の一種。
重量5gの小型発信機チップ。シューズのひも等にビニールタイを使用して装着します。そのためマジックベルトタイプのシューズにも問題なく装着できます。また大会ごとのオリジナルチップ(1大会限定使用モデル)を作ることもできます。日本陸上競技連盟公認の計測システムです。(引用元)
他にも「RCチップ」や「RTタグ」と呼ばれるランナーズチップがありますが、国内のマラソン大会では、シューズに装着するタイプの「RSタグ」が主流です。
RSタグの正しい付け方
ビニールタイを4つの穴に通し、ランニングシューズのヒモに装着します。
つま先の近くに装着すると曲げた時に邪魔になるので、なるべく足首に近い場所に付けるのがおすすめです!
日本陸連の規則
日本陸上競技連盟規則の「第165条 計時と写真判定」には、ランナーズチップについて次のような規則が定められています。
- スタート地点およびコース沿道あるいはフィニッシュ地点で使用される機器のいずれもが、 競技者の前進に重大な障害または障壁になってはいない。
- 競技者が身に着けるトランスポンダーやその入れ物は、 負担にならない重さである。
- システムはスターターの信号器によって始動するか、スタート合図に同期している。
- システムは競技会の間やフィニッシュ地点または記録集計のいかなる過程でも、競技者が何かをする必要がない。
- すべてのレースは0.1秒単位で計測され、0.1秒表示がゼロでない場合、つぎの秒に切り上げる。例2:09:44.3→2:09:45〔注意〕 公式の時間は信号器のスタート合図( または同期したスタート信号)から競技者がフィニッシュラインに到達するまでの時間である。ただし、非公認ではあるが、競技者がスタートラインを通過してからフィニッシュラインに到達するまでの時間を知らせることができる。
- このシステムによって決定された時間と着順を公認とみなすが必要に応じて第164条2と第165条2を適用する。
まとめると、走行のジャマにならず、重すぎず、ランナーが何もしなくても計測できることがランナーズチップの要件です。
RSタグの返却
RSタグには返却が必要なものと、持ち帰りが可能なものがあります。詳しくは大会ホームページで確認しましょう。
返却が必要な場合
基本的には、ゴール会場でフィニッシュ直後に大会スタッフが回収してくれるので返却のし忘れがありません。
問題なのは、RSタグを事前に送付されたにも関わらず、DNS(棄権)する場合。通常は返却用の封筒が同梱されているので、きちんと郵送して返却しましょう。
以前、返却をし忘れて、大会事務局から催促のハガキが届いたこともあります。
持ち帰りが可能な場合
大会によっては、RSタグを記念品として持ち帰ることもできます。ぼくが過去に参加した大会だと、《東京マラソン》や《山中湖ロードレース》は持ち帰り可能でした。
RSタグのしくみ
米Active Network社が製造
RSタグは、米国テキサス州に本社があるActive Network社が製造。ただし日本国内では、アールビーズ社の関連会社である株式会社レックスが RSタグを使ったソリューションを提供しています。
RSタグでランナーを識別
Active Network社の公式サイトに、計測のメカニズムが詳しく解説されています。
計測には以下の3点セットが必要。
- ランナーを特定する「RSタグ」
- RSタグを識別する「アンテナマット」
- データを記録する「受信機」
アンテナマットが発する磁気が RSタグに内蔵された ICチップを捉え、個々のランナーを識別して通過時間を記録していきます。
原理としては、SUICAやPASMOなどの非接触 ICカードと同じです。
99.99%の精度
時速20kmでも正確に読み取るために、アンテナマットには二重周波(Dual Frequency)と呼ばれる特許技術が採用されています。短波(0.3m以内)と長波(2.0m)の異なる周波を使い分けることにより、99.99%の精度を実現。
理論上は、1秒間に120個のRSタグを正確に読み取ることができるそうです。
まとめ
以上、日本のマラソン大会のタイム計測で最も頻繁に見かける「RSタグ」の正しい付け方や返却方法、計測の仕組みについてわかりやすく解説しました。