旅ランの極意:コースを設計する上での注意点

旅ラン

前回の記事では、旅ランを、1)旅行のついでに走る、2)遠方のランニング大会に出場する、3)走るために旅をする、3つのパターンに分類しました。

今回は、走るために旅をする「旅ラン」でコースを設計する際に、工夫できること、注意すべきことをまとめました。ぼくの実体験の事例を交えつつ、初級、中級、上級でわけてみました。

コース設計の極意とは? 

旅ランのコースを決める上で、重要なポイントが3つあります。

  • スタート地点
  • ゴール地点
  • 移動可能な距離と時間

この中で最も重要なのがゴール地点。コース設計の極意はいかにゴール地点を正しく設定できるかです。例えば日帰りの旅ランであれば、どこをゴールにするかでスタート地点が決まりますし、帰宅の手段(バス・電車・飛行機など)や時間も自ずと決まります。

次に重要なのが、自分では変えられないファクター(要素)を見極めること。例えば、離島で日帰りの旅ランをする場合、遅くともフェリーや飛行機の最終便には間に合わないとですよね。それらの「出発時間」は自分では変えられないので、コース設計の初期段階で押さえておきます。

この極意は、知人から教えてもらいました。彼は前職、大手配送業者で配送ルートのアルゴリズムを作る仕事をしていたそうです。毎日数万個ある宅配便の荷物を、最小限の配送員かつ最短ルートで配るにはどしたらよいか?その問題を解くために彼は、ゴール地点(集配所)と変えられないファクター(配達場所、指定時間)を見極めてから、最適解を模索していたそうです。

ケーススタディ:宮古島

具体的な例をもって説明しましょう。ぼくは今年の5月に沖縄県の宮古島へ行き、日帰りで宮古島のビーチランを楽しんできました。誰もいない離島のビーチを走るのが夢だったので、比較的アクセスのよい宮古島を選びました。

日帰りの日程なので、宮古島からの最終フライトに乗る必要があります。なのでゴールは宮古島空港に設定しました。しかしネットで調べてみると、宮古島空港にはシャワー施設がないことがわかりました。空港周辺にも銭湯など汗を流せる場所が見つかりませんでした。これでは気持ちよく飛行機に乗れません。

もっと広範囲で日帰り入浴施設を探してみると、宮古島の南のシギラリゾートというエリアに温泉施設(しかも天然温泉!)があることがわかりました。しかもリゾート施設なので、空港までのバスが出ており、最悪の場合、タクシーも拾えることがわかりました。そこでゴールを温泉施設に設定し、宮古島空港から走り始めることにしました。走り終わった後は、ゆったり温泉に浸かってバスかタクシーで空港へ向かいます。

一旦ゴールが決まってしまえば、あとは自分で変えられないファクターを見極めるだけ。

  • 宮古島空港の到着時間
  • 宮古島空港の出発時間
  • 移動可能な距離(約20キロ)と時間(約3時間)

これらの制約の中で、自分が行きたい場所を選びます。第一の目的であるビーチランは、東洋一美しいと評判の「与那覇前浜ビーチ」を選びました。そこからゴールへ直行すると時間が余り過ぎるので、途中、来間島へ立ち寄ることにしました。本当は北東の伊良部島へも行ってみたかったのですが、逆方向なので今回は諦めます。

という感じで、まずはゴール(シギラ黄金温泉)を定めて、スタート地点からコースを組んでいきます。

実際の走行データはこんな感じ。

リスクヘッジという考え方

あくまでもぼく個人の意見ですが、旅ランのコース設計をする上で欠かせないのが、可能なかぎりリスクをヘッジするという考え方。慣れない土地を走るわけですので、ケガするリスク、走れなくなるリスクはいつもより高くなります。

あるいは、予想以上に時間がかかって、帰宅に間に合わなくなるというリスクもあります。飛行機なんか乗り遅れたら最悪ですよね…。

さらに田舎だと、スーパーやコンビニ、自販機がないエリアもあります。そんなところで熱中症になったら恐ろしい…。

とまあ、考えれば考えるほど、いくらでもリスクは思いつきます。重要なのは、想像力を働かせて、リスクを最大限想定し、最小限に抑えること。

例えば、

  • 走れなくなるリスク ⇒ 公共交通機関のルートに沿って走る
  • 間に合わなくなるリスク ⇒ タクシーなど他の移動手段を検討する
  • 水分補給が出来なくなるリスク ⇒ 売店・コンビニの位置を事前に調べておく
  • トイレのリスク ⇒ 公衆トイレを調べておく。ウェットティッシュを携帯する

旅ラン初心者編

旅ランが初めての方は、まずはゴール=自宅でコースを組みましょう。距離は無理なく走れる範囲で。所要時間はジョギングペースの1.5~2倍の時間を見て置いたほうが良いです。道に迷ったり、プチ観光で足を止めたりするので、予想以上に時間がかかります。

自宅からのスタートだと非日常感が味わえないので、先に公共交通機関やクルマ(家族が送迎してくれれば)で移動しましょう。例えば電車なら、事前に最寄り駅から2~3駅移動して、線路沿いを走って戻るのがおすすめです。万が一、走れなくなっても途中から電車に乗れますし、駅周辺にはトイレやコンビニがあるので何かと安心です。

あと、線路沿いは横断歩道が比較的少ないので、信号で足止めされる回数も少なくすみます。

例えば、ぼくはJR京浜東北線沿いに住んでいるので、沿線の駅で下車して走って戻ります。お気に入りはJR赤羽駅。赤羽駅から自宅最寄り駅の北浦和駅までは14キロあり、ほぼ信号なしで走り続けられます。

関連記事:京浜東北線ファン必見!赤羽~北浦和の帰宅ラン

通勤ルートでもあるので、たまに赤羽駅で下車して走って帰宅します。

旅ラン中級者編

ゴール=自宅の旅ランに慣れてきたら、自宅以外の場所をゴールにしましょう。日帰り旅ランの場合は、ゴール地点から帰宅できないと困るので、鉄道駅やバス停の近くを選びましょう。

できればゴール近くに銭湯やネットカフェなどがあると良いです。ロングランを終えた後、汗ビショビショの状態で電車やバスに乗ると周囲に迷惑がかかるので、風呂やシャワーで汗を流してから戻りましょう。

最近の「中山道ラン」では、まず電車でスタート地点に向かい、走り終えてから電車で戻ってくるパターンです。

関連記事:LSDトレーニング×旅ランは相性抜群!長く楽しく走る方法

海外で観光を兼ねて旅ランをする場合、タクシーを使うのも手です。宿泊地~観光スポットを往復するよりも、観光スポットにタクシーで直行し、観光しながら走って戻るほうが効率的に周れます。Uber等の配車サービスがあればタクシーよりも安く済みますし、スマホがあればお金を持つ必要もありません。

関連記事:海外旅ランの必須アプリ「ウーバー Uber」をシドニーで使ってみた

旅ラン上級者編

日帰りの旅ランに慣れて来たら、宿泊を伴う旅ランを計画してみましょう。日帰りだと多く走れて30~40キロですが、途中で1泊できれば80キロぐらいまで距離を伸ばせます。

一番の問題は荷物ですね。最低限、宿泊先で着る物とランニングウェアの替えは必要です。他にも、財布や充電器などを入れると、10Lぐらいのリュックを背負っていくことになるでしょう。

ちなみに6泊7日の「東海道250キロ」の旅ランに出かけた時は、ノースフェイス「マーティンウィング」の10Lリュックに全部詰め込んで走りました。

所持品は、半袖ランニングシャツ3枚、半ズボン2枚、パンツ3枚、ソックス2足、アウターシェル1枚、長ズボン1枚、手ぬぐい1枚、財布、サプリ、充電器、雨除けカバーのみ。

10月だったので、走行中は半袖シャツ&半袖ズボン。宿泊先ではシェルと長ズボンで過ごし、汚れたウェアは洗濯して翌朝までに乾かします。

歯ブラシや髭剃りは大抵のホテルや旅館に置いてあるので、持って行っていません。

写真はスマホでもきれいに撮れるので、デジタルカメラは持って行きませんでした。それだけで200グラムは節約できました。

1か月間とか、もっと長期の旅ランであれば、事前に荷物を中継地点に送るという手段もあります。

以前『鎌倉ーソウル 2328キロを歩く 定年退職、新しい自分に出会う旅』という本を読んだのですが、著者の間宮さんは、出発前に荷物を複数用意して、しかるべきタイミングで奥さんに発送してもらったといいます。

長期の旅ランでも、コースを設計する上での基本は、電車やバスなどの公共交通機関のルートに沿って走ること。途中で走れなくなった場合のリスクヘッジが必要ですからね。あと、スーパー銭湯を中継地点として上手く活用すると、途中でリフレッシュできますし、仮眠をとって身体の「急速充電」ができます。

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宮古島での旅ランの様子をまとめました。

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