【MCPの使い方】AIでカロス・ストラバのランニングデータ分析が可能に
AIを使ってランニングデータを分析したいランナーのために、カロス(Coros)やストラバ(Strava)のMCPを活用する方法を解説。実際にChatGPTとClaudeを使って私のランニングデータにアクセスし、「秋冬が好調だった理由」「春に不調だった理由」「フォームの改善点」を分析してもらった様子も紹介します。ランニングアプリとMCPを組み合わせれば、専属ランニングコーチが手に入ります。
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この記事の目次
MCPとは?
MCPはModel Context Protocol(モデルコンテキストプロトコル)の略称で、AIが外部のデータベースに安全に接続できる共通規格を指します。ランニング界隈では、2026年5月にカロス(Coros)、2026年6月にストラバ(Strava)が公式MCPの提供を開始したことが話題になりました。
ChatGPTやClaudeにこれらのMCPを接続すると、ランニングウォッチで記録したデータをもとにインサイトを得ることができ、「ジョグのペースは速すぎない?」「私のランニングフォームの改善点は?」といった質問にも答えられるようになります。
カロスとストラバが対応
2026年6月の時点では、カロスはChatGPTとClaudeに、ストラバはClaudeに公式MCPを提供しています。MCPの初期設定は下記の公式サイトを参照。ストラバのMCPを利用するには、有料サブスクリプションにも加入する必要があるので注意が必要です。
ChatGPTは、設定>アプリのページで開発者モードをオンにしてカロスのMCPを有効にします。登録の際にカロスのアカウント認証が求められます。
Claudeは、カスタマイズ>コネクタのページでストラバとカロスのMCPを有効にします。アカウント認証が完了するとコネクタのステータスにチェックマークが表示されました。
2025年秋冬が好調だった理由
今回は、ChatGPTとClaudeでカロスのMCPに接続して、私のランニングに関して疑問に思うことを深掘りしていきます。まずは「2025年秋冬が好調だった理由」について質問すると、下記のインサイトが得られました。
ChatGPTの分析
結論:「高頻度 × 有酸素の土台 × レースペース刺激 × ロング走」のバランスが噛み合っていたです。ログを見ると、11〜2月はかなり理想的です。
- ① 練習頻度が高かった。ほぼ毎日走れていて、短い日でもつないでいました。例:11/11〜11/30は10〜13km前後を継続。週末に24〜30km級ロング。12月も継続してボリューム維持。
- ② 速い刺激が定期的に入っていた。特徴的なのがメニュー名。Race Pace Practice、Pyramid Intervals、Tempo 3-2-1など。つまり、LT〜マラソンペース帯の刺激が週1〜2回継続。
- ③ ロング走の質が高かった。目立った例:11/16 ハーフ 3:53/km、12/21 フル 42.4km 4:06/km、2/1 ハーフ 4:05/km、2/15 フル 42.5km 4:18/km。ここで重要なのは、ロングの日以外が比較的抑えめ(HR130〜150台)だったこと。
Claudeの分析
この時期は「狙って積み上げた」痕跡がデータにはっきり出ています。
- ① 圧倒的かつ一貫した有酸素量:9〜12月で約100本。ほぼ毎日走り、20〜37kmのロング走を月に複数回。練習が途切れていません。
- ② 強弱がきれいに二極化:イージーは6:00〜6:20/km・心拍135〜145、ポイント練(400m/800mレペティション、テンポ3-2-1、ピラミッド、ペース走)は4:00〜5:00/km。狙いがぶれず、回復走で土台を守れていました。
- ③ レースで仕上げていく流れ:網走(9/28・約3:13)→ 水戸(10/26・4:12/km=約2:58)→ 上尾ハーフ(11/16・3:53/km=約1:22:38)→ 松阪(12/21・4:06/km=約2:54)。一戦ごとにタイムが上がり、2:47のPB貯金の上にうまく乗れていた状態です。心拍効率の良さが好調の核です。6:00/kmを心拍140前後でこなせていた=有酸素土台が厚かった。
2026年春が不調だった理由
次に、年が明けてから調子が低空飛行だったので「2026年春が不調だった理由」について質問してみました。
ChatGPTの分析
結論:能力低下というより、レース後の回復不足+高強度再開が少し早かった可能性が高い。
- ① 大レース後も負荷が高かった。2月:丸亀ハーフ 4:05/km、京都フル 4:18/km。3〜4月:インターバル継続、20km走、5km TT、5000m、ロンドンマラソン(4/26)。つまり、回復ブロックが短い。
- ② 心拍に対してペースが落ち始めた。春後半〜6月。例:6月 4km → 5:22〜6:06/km。平均HR 152〜158。秋冬だとこの心拍ならもっと速く走れていた。 → これは典型的な疲労残り、怪我明け、暑熱適応途中のどれか。
- ③ 練習密度が下がった。5月後半〜6月は空白が増えています。その結果、走力そのものよりランニングエコノミーが落ちた印象。
Claudeの分析
逆に春は、秋冬の「やり過ぎ」のツケと分断が重なっています。
- ① 秋冬の回復不足:9〜12月でフルマラソン級を4本+大量のロング走。これだけ詰め込んだ後に十分なダウン期がないまま春の練習に入っており、慢性的な疲労を持ち越した可能性が高いです。
- ② 移動による分断:名古屋(3月)、ソウル(4/5)、ロンドン(4/24〜26)、仙台(5月)。海外・遠征が続き、まとまった練習とロング走の頻度が秋冬より落ちています。細切れの2km区切りログも増加。
- ③ 同じペースで心拍が高い(HRドリフト):これが「疲労由来の不調」を示す典型サインです。
- ④ 結果がはっきり鈍化:ロンドン(4/26・4:33/km=約3:13)は秋の2:54と比べ約20分遅い。仙台ハーフ(5/10・1:31)も秋の1:22から大きく後退。要するに、力が落ちたというより、回復しきれないまま走り続けて削れていった → 5月中旬に怪我で離脱、という overuse の流れです。
ランニングフォームの改善点
2026年5月の仙台国際ハーフマラソンでは、レース中に左膝を痛めてしまいました。上のインサイトでは「回復期間が短すぎ」「強度が高すぎ」という意見が見られますが、その他に「ランニングフォームの改善点」はあるのか質問してみました。
ChatGPTの分析
COROSの直近ラン(4.18km/5:22/km/平均HR 156/平均ピッチ183spm)から見ると、改善余地は見えます。まず前提として、ピッチ183spm自体は良い数値です。極端にストライド過多でブレーキが大きい走りではなさそうです。
Claudeの分析
データを見ると、フォームについて一つはっきりした特徴が出ています。スピードのほぼ全てをストライド(歩幅)で作っていて、ピッチ(ケイデンス)が頭打ちです。ペースが6:00→3:37と約4割上がっても、ケイデンスは178→190(+7%)しか上がらず、ストライドが0.93→1.45m(+56%)とほぼ全部を担っています。つまり「速く回す」のではなく「大きく伸ばす」走り。5000m全力でも190で頭打ちなのが象徴的で、同レベルの走力なら速いペースで195〜205まで上がる人が多いことを考えると、ここはTomoのフォームのクセだとはっきりわかります。
なぜこれが今回の話と関係するかというと、ストライド主導は1歩あたりの接地衝撃とブレーキ(接地が重心より前に出る)が大きくなりやすく、オーバーユース系の怪我の力学的な誘因になり得るからです。特に疲れてくると歩幅を伸ばして粘る人ほど、後半に接地が前に出てブレーキが増えます。一方で良い点も明確で、イージーペースのケイデンス178〜180は十分高いです。市民ランナーにありがちな「遅いとピッチが落ちてベタ走り」という問題は無く、土台は良い。直すべきは”速い時にピッチが上がらない”一点に絞れます。
AIが専属のランニングコーチに
これまでもランニングデータをアップロードしてAIに分析してもらうことは出来ましたが、カロスやストラバの公式のMCPを使うと、データの連携が非常にスムーズ。質問するだけで洞察力のあるインサイトを提供してくれるので、まるで自分専用のランニングコーチを雇っているような感覚です。
私はカロスのランニングウォッチを使用しており、データの管理もカロスのアプリに集約。AIはClaudeの有料プラン「Max」に加入しているので、カロス×Claudeの組み合わせで今後もMCPを利用していきます。
有料ランニングアプリの存続危機
私は最近までストラバの有料サブスクリプションに加入していました。年額7,800円でランニングデータを分析してくれるのですが、AIでここまで出来てしまうと、わざわざお金を払う意味がなくなってしまいますね。ストラバも危機感を感じているのか、MCPの利用は有料サブスクリプションの会員に限定しています。
私が課金しているランニングアプリはランナ(Runna)のみ。年額11,900円で目標のレースやタイムに向けて、自分だけのトレーニングメニューを提案してくれます。AIでもトレーニングメニューを作ってもらえますが、MCPは現時点で読み込みのみ対応しているので、ランニングウォッチに自動で同期させることはできません。その意味では、今のところランナのようなトレーニングアプリを使い続ける意味はありますが、MCPの仕様が変われば、状況もまた変わってくると思います。
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