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「Apple Watch Ultra」レビュー:ランニングウォッチとして微妙
Apple Watchの最高峰「Apple Watch Ultra」はランニングウォッチとしてどうなの?Garminと互角に戦えるの?という疑問にお答えします。
結論から言うと、ハード面ではGarminと互角に戦えるものの、ソフト面では及ばず、ランニングウォッチとしては微妙ですね。
目次と内容
ランニングウォッチとしては微妙
Apple Watch Ultraは、2022年9月に発売されたApple Watchシリーズの最高峰モデルです。主な特徴は以下のとおり。
- 49mmのチタニウムケース
- 平らなサファイア前面クリスタル
- 3つの内蔵マイクを搭載
- 高精度2周波GPSを採用
- アクションボタンを配置
- 水深40mまで耐えられる防水性能
- バッテリー駆動は最大36時間
- 専用のバンドを新たに追加
- 定価は124,800円
これまでのApple Watchはスマートウォッチの延長線でランニングウォッチとしても使えるという位置付けでした。
Apple Watch Ultraはランニング、トレッキング、スイミングなどにガチで取り組むアスリートをターゲットにしている点において、Apple Watchを再定義したモデルといえます。
Series 7の「後継者」問題
「tomo」は2014年からGarminのランニングウォッチを愛用していますが、iPhoneユーザでもあるので2020年からApple Watchも併用しています。
使用モデルは、Series 5 → Series 6 → Series 7と乗り換えてきました。Series 6からGPSの精度が格段に向上し、ランニングの計測精度はGarminと遜色ないレベルに達したと感じます。
以来、ポイント練習はGarmin、ジョギングはApple Watchという風に使い分けるようになりました。
Series 8と同時にApple Watch Ultraが発売されたため、今回は機種変更をかなり悩みました。
まあでも、最初から心は決まっていましたけどね。マラソンブロガーとしては、新しいテクノロジーに触れないわけには行きませんから。
スマートウォッチとしては大満足
というわけで、Apple Watch Ultraを購入しました。
2ヶ月間使ってみた感想は、スマートウォッチとしては非常に満足しています。Series 7に比べるとディスプレイが大きくなったことで見やすいですし、QWERTYキーボードも使いやすいです。
一般の人よりも腕が細いので「ゴツすぎないかな……」と心配しましたが、しっかり馴染んでいますし、何よりも「トレイルループ」が優秀です。
ランニングウォッチとしては微妙
一方でランニングウォッチとしては、Series 7よりも倍以上のお金を出して買うものではない、というのが正直な感想です。
スペック的にはグレードアップしているものの、ランニングの計測という観点ではSeries 7から劇的に進化しているわけではありません。
これがGarminのようなランニング専用ウォッチに取って変わるものなら124,800円の価値はあるかなと思いますが、ワークアウト機能や他サービスとの連携ではまだまだという印象。
デザインとスペック
最初から否定モードでしたが、ここからはApple Watch Ultraを詳しく見て行きましょう。
開封の儀
Series 7は細長いパッケージでしたが、Apple Watch Ultraは長方形のパッケージに入っています。

開封すると、本体とバンドの箱に分かれています。

本体の箱には、時計本体と充電ケーブル、取扱説明書が同梱されていました。

充電ケーブルの給電口はType-C。ケーブルのラインは耐久性を高めた仕様になっています。Apple Watch Ultraはケーブルも最高峰仕様なんですね。

時計本体
早速、時計本体を取り出してみました。前面ディスプレイはフラットで耐久性に優れたサファイアクリスタルを採用しています。

Series 7に比べると、ひと回り大きくてゴツい感じが否めないですが、Garminの最高峰シリーズ「fenix」に比べると、サイズ感的に大差ありません。
右側にはデジタルクラウン(Digital Crown)と呼ばれるダイヤル式ボタンと、再度ボタンが配置されています。デジタルクラウンはSeries 7よりもひと回り大きくて操作しやすいです。

こちらに詳しい説明が載っています。集音用のマイクにも工夫があり、3基のマイクが「三角測量により風切り音や雑音を軽減」してくれるとのこと。すごい技術ですね。

左側にはオレンジ入りのアクションボタンが追加されました。ワンプッシュでワークアウトが起動できたりするので、走り始めるハードルがグッと低くなります。

詳しい説明はこちら。

裏側、つまり肌に接触する面はこんな感じです。センサーの部分が少しだけ出っ張っています。

バンド
Apple Watch Ultraの発売に合わせて3種類のバンドが新たに加わりました。
特徴 | 主な用途 | |
---|---|---|
トレイルループ | 軽くて伸縮性があり、Appleが作った中で最も薄いバンド。動いている時でも、プルタブですばやく簡単に調節可能 | ランニングなど耐久力が求められるスポーツにおすすめ |
アルパインループ | G字フックでしっかり固定でき、快適なのに極めて強靭 | 登山などアウトドアのアドベンチャーにおすすめ |
オーシャンバンド | ウェットスーツの上からでも、しなやかに伸縮するチューブ状のデザイン。チタニウムのバックルとアジャスタブルループで固定 | エクストリームなウォータースポーツやカジュアルなダイビングにおすすめ |
今回はランニングに適した「トレイルループ」を選びました。バンド自体は適度な伸縮性を持ち、腕にピタリとフィットしながらも締め付け感はありません。

バンドの先端部分に特殊な加工が施されているため、腕に着脱する際にバンドが抜けてしまう心配はありません。

使ってみた感想
ここからは実際にApple Watch Ultraを2ヶ月間使ってみて、気づいた点をまとめます。
ディスプレイが見やすい
Series 7/8は、41mmと45mmが選べますが、Apple Watch Ultraは49mmの一択。今回は45mmから49mmへの買い替えですが、4mmの差は大きく感じます。

ディスプレイがタップしやすい
ディスプレイが大きくなった上に、フラットな形状になったことで、タップしやすくなりました。特にその恩恵を受けるのが文字入力。「tomo」は仕事でSlackを使うことが多いのですが、移動中に返事を求められた時に、iPhoneを取り出さずに手元で返信できるのは非常に便利ですね。

通話しやすい
あまり使う機会はありませんが、時計本体で通話する時に音がクリアで聞き取りやすく、また相手側にもしっかりと伝わります。Series 7に比べると、音の解像度が格段に上がりました。
先日もランニング中に妻から入電があり、走りながら通話しましたが、問題なく会話できました。ちなみに帰りにコンビニでアイスを買ってきて欲しいという内容でした。
大雨でも安心
Apple Watchはこれまでも日常生活における耐水性能はありましたが、完全防水仕様ではありませんでした。
Apple Watch Ultraは水深40mまで耐えられる防水性能を持つので、雨でずぶ濡れになっても安心です。

一部機能は「ワークアウト」に限定される
2022年9月にリリースされた「iOS 9」により、ランニングウォッチとしてのApple Watchの機能は格段に向上しました。
しかしその機能をフル活用するには、ネイティブアプリの「ワークアウト」を使う必要があります。「tomo」はApple WatchでもStravaのアプリを使っていますが、そちらの方は「iOS 9」で出来ることが生かしきれていません。
アクションボタンにも同じことが言えます。アクションボタンにワークアウトを割り当てればワンクリックで起動できますが、今のところサードパーティのアプリは対象外です。

今後のアップデートに期待したい
まとめると、Apple Watch Ultraはハード面ではSeries 7に比べて格段にアップグレードしています。計測精度においてはGarminと互角で戦えるでしょう。
しかし問題はソフト面です。ランニングウォッチとして使い倒すにはまだまだGarminには及びません。
結局ハード面がどんなに優れていても、ソフト面が追いついていないと、宝の持ち腐れになってしまうのですよね。その意味で、Apple Watch Ultraはランニングウォッチとして微妙だなと思います。
まあでも、ソフトウェアはいつでも改良できるわけですから、今後のアップデートに期待したいですね。
おまけ
ガジェット大好き人間としては「最高峰シリーズ」に惹かれる気持ちはよく分かります。
少し前までは10万円以上するGarmin最高峰モデル「fenix 6X」を持っていましたからね。
たしかに所有欲は満たされました。でも機能はまったく使いこなせていません。結局、中位モデルの機能で十分なんですよね。
というわけで、2022年9月に新機種が発売された時は、中位モデルの「Forerunner 255S」に機種変更しました。2ヶ月以上使っていますが、十分満足しています。
最後まで読んでいただき有難うございました。この記事を共有していただけると嬉しいです。
購入ガイド

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