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【浜名湖1周ランニング】1泊2日で「ハマイチ」70kmを走ってきた

【浜名湖1周ランニング】1泊2日で「ハマイチ」70kmを走ってきた

静岡県の浜名湖（はまなこ）をランニングしてみたい、という方のために浜名湖1周（通称ハマイチ）70kmのコースを解説。私が2025年12月に走った時の様子も紹介します。

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私の個人的な体験

先日、年末に急きょ自由時間が取れたので浜名湖を走って1周してきました。走行距離は約70km。ウルトラランナーなら1日で走れる距離ですが、私には無理なので2日間かけて走りました。つまり1日あたり35km。旅ランをしながらフルマラソンに向けたロング走（30km走）もできて一石二鳥と目論んでいます。

今回は、埼玉の自宅からアクセスしやすく、2日間で無理なく完走できて、熊がいない所を条件にコースを探してみた結果、浜名湖が該当しました。しかも私は小学校4年生まで静岡県浜松市に住んでいたので土地勘もあります。

というわけで、東海道新幹線で浜松駅まで移動し、バスで舘山寺温泉を目指しました。スタート・フィニッシュ地点は、浜名湖が一望できる「浜松オルゴールミュージアム」を選びました。

ランニングコースの概要

浜名湖は日本で10番目に大きい湖ですが、南側の今切口は遠州灘と結ばれており、海水が混じる汽水湖となっています。住所は静岡県浜松市と湖西市にまたがり、最寄駅はJR東海の弁天島駅と鷲津駅、そして天竜浜名湖線の知波田駅〜気賀駅の区間が湖畔まですぐにアクセスできます。

今回は浜名湖の東側にある浜名湖オルゴールミュージアムから反時計回りで湖畔を1周しました。詳しくは、サイクリストが浜名湖を1周する時に使うサイクリングコースの「ハマイチ ブルーコース」を参照。

1日目は、オルゴールミュージアムから走り始めて、舘山寺、村櫛、弁天島、鷲津を経由して知波田駅まで走ります。走行距離は36km。知波田駅周辺には宿泊施設がないので、その日は電車で鷲津まで戻り、ホテルで1泊します。

2日目は、知波田駅から走り始めて三ヶ日、猪鼻湖、浜名湖北側を走り、オルゴールミュージアムでフィニッシュ。走行距離37km。個人的には浜名湖北側の区間の景色が最も美しくて走り甲斐がありました。

オルゴールミュージアム

というわけで、まずは浜名湖オルゴールミュージアムにやってきました。ここは浜名湖1周コースから1kmほど外れていますが、標高約100mの大草山にあるため、浜名湖を一望するには絶好のロケーションなんですよね。舘山寺温泉とロープウェイで結ばれているので観光客にも人気のスポット。

大草山の麓から舘山寺を目指して走っていると、大きな観覧車が目に入ります。こちらは浜松市民御用達の遊園地「浜名湖パルパル」です。浜松駅からバスで直行でき、近くに宿泊施設や日帰り入浴施設があるので、浜名湖1周の拠点におすすめ。

舘山寺

走り始めて4km、舘山寺温泉に到着しました。今回初めて知ったのですが、曹洞宗のお寺「舘山寺」が地名の由来なんですね。コースから少し外れますが、せっかくなのでお参りしてきました。

その後、湖畔の舘山寺サンビーチを走ります。この日は風が強くて波がサイクリングコースに襲いかかってきました。温暖な気候の中、穏やかな湖畔を走ることを勝手にイメージしていたので、想像していたのと違う…と思いました。

さらに進んでいくとサイクリングロードが完全に水没した場所もあり、荒波に晒されながらも、障害物をクリアして弁天島を目指しました。

村櫛というエリアまで来ると雰囲気が変わり、まるで南国を走っているかのようでした。相変わらず風が強いのですが、その強風を利用してウィンドサーフィンを楽しむ人たちを見かけました。

浜名湖大橋

村櫛から弁天島に抜けるために浜名湖大橋を渡ります。ここは浜名湖の絶景ポイントのひとつで、昔走った沖縄県の古宇利大橋や山口県の角島大橋を思い出しました。それにしても風が強くて、飛ばされて湖に落ちないか不安でした。

弁天島に到着すると、まず目にするのが東海道新幹線。数分おきに上りと下りの列車が超特急で行き来します。ちょうど弁天島を通って浜名湖を横断するので、新幹線で東京〜大阪間を行き来すると浜名湖が見えるんですよね。

弁天島といえば赤い鳥居が有名ですが、今回は1本内側の道を走ったからなのか鳥居は見えず、代わりに「弁天島公園津波避難マウンド」という所で一休みしました。

湖西市

弁天島から橋を渡り、浜松市のお隣の湖西市に入ります。ここから湖畔を北上していくのですが、その前にコースから少し外れて新居の関所を目指します。関所は、交通の要所に設けられた検問所。

江戸時代、今の東京と京都を行き来する際に、ここ新居で通行の検査や取り締まりが行われていました。他にも箱根の関所が有名ですが、新居の関所は日本で唯一現存する関所ということで、国指定特別史跡にも指定されています。ずっと訪れたいと思っていたのですが、なんとこの日から年末年始のお休みに入っていました。

気を取り直して、近くのイートインコーナーでランチ休憩。浜名湖産のカキフライとジャガイモのフライ、明太子ポテトパンをいただきました。

新居から鷲津までは、湖畔から離れた場所を走るため特に見どころもなく、浜名湖1周で最もエキサイティングでない区間と言っても過言ではないでしょう。

途中、宇津山城跡に寄り道しました。浜名湖周辺の高台には戦国時代にお城が点在しており、こちらは石垣が残っていました。

松見ヶ浦に差し掛かると、ヤマハマリーナ浜名湖の建物が見えてきます。こちらは船のオーナーでなくても、会員になれば手軽にボートをレンタルできるみたいです。

鷲津で1泊

1日目は知波田駅で走り終えました。走行距離は36km。ここは歯科医院と駅が一緒になった珍しい駅で、最初看板を見た時はスルーしてしまいました。

ホームには歯科医院と駅名の看板が並んでいます。ホーム側に設置されたドアからは歯科医院の看護師が出入りしています。なんとも不思議な光景でした。ここから天竜浜名湖線で新所原駅を経由して、鷲津駅まで戻り、この日は「ホテルNanvan浜名湖」で1泊しました。

猪鼻湖

2日目は電車で知波田駅まで移動して走り始めます。この辺りは「奥浜名湖」といって海から離れた場所にあり、そのためか風も穏やかで走りやすかったです。

浜名湖の北西部には1周約13kmの猪鼻湖があります。瀬戸水道で浜名湖と繋がっているので、浜名湖の支湖という位置付けらしいです。瀬戸水道にかかる瀬戸橋を渡るとショートカットできますが、ちゃんと浜名湖1周コースに忠実に猪鼻湖を1周します。

再び浜松市に入ります。この辺りは三ヶ日町で、地元ではみかんの産地として有名です。県外の方でも「三ヶ日みかん」というブランドを聞いたことがあるかもしれません。猪鼻湖の東側は風が強かったですね。太平洋から風が吹いているのか、南へ向かって走ると向かい風をモロに受けます。

途中、瀬戸橋近くのお店で「みかんソフト」を食べなら休憩。三ヶ日みかんの果汁を使ったソフトクリーム、と聞いたら食べずにはいられませんが、12月の肌寒い日に食べるもんじゃないですね。体の芯から冷えてしまいました。

記憶に残る絶景

その後、浜名湖の北側を走行します。この辺りは風が穏やかで景色も素晴らしく、浜名湖1周で一番印象に残っています。行ったことありませんが、まるで南欧の田舎のビーチリゾートのような感じ？

途中、天竜浜名湖線の佐久米駅で休憩。小さな駅なのに観光客がうじゃっと集結している不思議な場所でした。調べてみたら、アニメ『ゆるキャン』の聖地らしいですね。私は詳しくないので分かりませんが。

ホンダの船外機の工場もありました。浜名湖周辺には他にもヤマハやスズキの船外機の工場がありますが、それらを全部合わせると、世界の船外機のシェア約6割がここ浜名湖で製造されているそうです。知らなかった。

浜名湖1周70km完走

ラスト1kmは標高約100mの大草山を登らないといけないのでキツかったですね。でも無事にオルゴールミュージアムに辿り着き、浜名湖1周70kmの旅が完結しました。

振り返ると、1日目の前半は風と荒波との戦いでした。弁天島では赤い鳥居が見れず、新居の関所は閉館、新居〜知波田は見どころが少なく、旅ラン的には正直微妙でした。

一方で2日目は、一部区間を除いて風と波が穏やかで、湖畔の景色も最高。特に浜名湖北側の湖畔の人のいないビーチは美しかったですね。もし浜名湖を半周するなら、三ヶ日〜舘山寺あたりを走るのが個人的にはおすすめだと思います。

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この記事を書いた人

TOMO

マラソンをライフワークにする市民ランナー。ブログ＆YouTube 「ともらん！」で発信中。詳しいプロフィール