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【犬山市・博物館明治村でランニング】日本の名建築を巡る旅

【犬山市・博物館明治村でランニング】日本の名建築を巡る旅

愛知県犬山市にある「博物館明治村」を走ってきたので紹介します。徒歩だと1日では回り切れませんが、ランニングなら村内の1丁目から5丁目まで、5〜6kmでサクッと全制覇できます。

当ブログでは広告を利用していますが、紹介するランニングアイテムはすべて自費で購入し、忖度なしでレビューしています。

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目次と内容

明治村とは?

博物館明治村(通称:明治村)は、愛知県犬山市にある屋外型のテーマパークです。日本各地に点在していた明治時代の歴史的建造物を移築し、当時の状態に近い形で一般公開しています。

村内の敷地面積は約100万㎡(東京ドーム約250個分)もあり、1丁目〜5丁目の5つのエリアに60を超える歴史的建造物が点在しています。

中でも、文豪の森鷗外・夏目漱石が住んでいた住宅や、フランク・ロイド・ライトが設計を手がけた旧帝国ホテルの中央玄関、京都から移築した聖ザビエル天主堂などが有名です。

敷地が広大なため、徒歩だと1日で回りきるのは困難です。しかしランニングなら走行距離5〜6kmで全エリアを隈なく回ることができます。というわけで、今回は明治村を走って観光してきました。

アクセス

明治村は犬山駅から直通バスで20分ほどでアクセスできます。JR名古屋駅からも直通バスが運行しており、所要時間は1時間20分ほど。

今回は「犬山ハーフマラソン2024」の前日に犬山駅から日帰りで明治村を訪れました。こちらが犬山駅〜明治村を結ぶバス。運賃は大人500円でした。

バスの終点で降りるとすぐに明治村の正門玄関が出迎えてくれます。

ランニングコース

明治村の村内は自由に散策できますが、今回は1丁目から5丁目までを順番に隈なく巡るルートを組みました。以下は2024年2月24日の記録です。

1丁目

正門に最も近い1丁目は、明治村の中で最も南に位置するエリアです。「文明開化」をテーマに、牛鍋屋や学校、庁舎などが並びます。

こちらの洋風建築は1888年(明治21年)に建てられた「三重県尋常師範学校・蔵持小学校」です。現代の小学校とは全く違いますね。

1丁目の中央へ進んでいくと、観光客で賑わう日本家屋が見えてきました。こちらは「森鷗外・夏目漱石住宅」です。1887年(明治20年)頃に建てられ、森鷗外が1年ほど、その後、夏目漱石が3年ほど住んでいたそうです。

夏目漱石の代表作『吾輩は猫である』はこの家で発表されました。そのためか、猫の置物もありました。

一丁目をぐるりと1周してメインストリートに戻ると、立派な建物が目に飛び込んできます。こちらは1879年(明治12年)に建てられた「三重県庁舎」です。明治政府が地方行政の整備を進める中、当時の内務省庁舎をモデルに日本全国にこのような洋風庁舎が建てられたそうです。

2丁目

2丁目は緩やかな赤レンガ通りに沿って、銀行や小学校、医院や電話交換局が立ち並ぶエリアです。

入口近くに鎮座する見るからに堅牢な石造りの建物は、1898年(明治31年)に建てられた「札幌電話交換局」です。建物の内部は、当時の電信技術が学べる資料館になっています。

このように歴史的建造物だけでなく、当時の歴史も一緒に学べるのが明治村の魅力です。

3丁目

3丁目は明治村に隣接する入鹿池を望む、非常にコンパクトなエリアで、日本建築のお屋敷や茶室が並びます。

こちらは西園寺公望が別邸として住んでいた「坐漁荘」です。静岡県興津に1920年(大正9年)に建てられ、明治時代の建物ではありませんが、明治の元老の別邸ということで展示されています。

こちらの洋風建築は「神戸山手西洋人住居」。1887年(明治20年)頃に現在の兵庫県神戸市に建てられ、フランス人貿易商フェルナン・ブルムが住んでいました。この建物の様式は神戸西洋館の典型と言われています。

4丁目

4丁目は、病院や硝子製造所、鉄道寮など日本の近代化を象徴する建物が立ち並ぶエリアです。また、ブラジルやハワイに移民した日本人の住居など、ちょっと変わった建物も見学できます。

こちらの建物は1919年(大正8年)に建てられた「ブラジル移民住宅」。わざわざブラジルから船で運んで移築したそうです。南米への入植が始まったのは1908年(明治41年)。アメリカへの新たな移民が制約を受ける中、新天地を求めてブラジルへ渡航し、多くの人がコーヒー栽培に従事しとされています。あまり知られていませんが、これも明治の歴史の一部ですね。

4丁目で一番目立つのは1872年(明治5年)に建てられた「鉄道寮新橋工場・機械館」。日本で初めて鉄道が走った新橋〜横浜の起点である新橋駅の機関車修復所として使われていました。建物の中には様々な種類の機械が展示されていました。

5丁目

明治村のハイライトとも言える5丁目は、正面玄関から最も離れた場所にあります。

最初に目を引くのが1890年(明治23年)に京都府京都市に建てられた「聖ザビエル天主堂」です。

建物の中もしっかり作り込まれており、重厚感のあるケヤキ作りの柱や天井、彩り豊かなステンドグラスが見どころです。

八角形のこちらの建物は1907年(明治40年)に石川県金沢市に建てられた「金沢監獄中央看守所・監房」です。当時は写真の看守所を中心に、5つの監房棟が放射状に並ぶ配置だったそうです。あの有名な「網走監獄」と同じ作りですね。ちなみに中央に置かれている監視室は金沢監獄のものではなく、網走監獄で使われていたものを移築したとのこと。

そして明治村で自分が一番期待していたのが、1923年(大正12年)に建てられた「帝国ホテル中央玄関」。正確には、旧帝国ホテルの中央玄関です。設計は建築史に名を残すフランク・ロイド・ライト。他に類を見ない、独特の世界観が広がります。

建物の中も見学できます。現代の基準からすると天井が低く感じますが、メインロビーの吹き抜けと、至る所に散りばめられた彫刻にただただ圧倒されます。

2階にはカフェが併設されており、メインロビーを眺めながら美味しいケーキとコーヒーが楽しめます。1丁目から5丁目までダラダラと走っていたら疲れたので、休憩を兼ねてカフェでゆっくりしてきました。

その後、1丁目〜5丁目を結ぶメインストリートを走り、1丁目の正門玄関に戻りました。走行距離は実測値で5.5kmでした。今回紹介した建物はほんの一部です。明治村を訪れる際は、ぜひ時間に余裕を持って、タイムスリップを思い存分楽しむことをおすすめします。