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【ハイペリオンエリート4レビュー】スピードシューズの完成系
Nikeの「アルファフライ3」が入手できず、代わりにBrooksの「ハイペリオンエリート4」を購入。というのは嘘で、前作からの大ファンなので発売日に速攻注文しました。アッパーが改良され、長距離でのハンドリングが向上。スピードシューズとして完成度が高まりました。本命フルマラソンにも投入したいと思える逸材です。
目次と内容
主な特徴
ハイペリオンエリート(Hyperion Elite)はBrooks最高峰のスピードシューズです。
シリーズ4代目となる「ハイペリオンエリート 4」はミッドソールに新素材DNA FLASH v2を採用し、新プレートSpeed Vault Race Plateを搭載してメジャーアップデートしました。基本スペックは次のとおり。
- ソール
- DNA FLASH v2
- プレート
- Speed Vault Race Plate
- アッパー
- メッシュ素材
- ドロップ
- 8mm
- 重さ(27cm)
- 205g
- 定価
- 35,200円
- 発売
- 2024年1月4日
ミッドソール
ミッドソールには「DNA FLASH v2」を採用。軽量で反発性と軽量性に優れ、従来の素材と比較してエネルギーリターンが10%向上。また各サイズにチューニングされた新プレート「Speed Vault Race Plate」を搭載し、推進力を高めています。
アウトソール
フォアフットの全面とヒールの両端にグリップ性能に優れたラバー素材を配置。中央部は大胆に空洞を設け「Speed Vault Race Plate」が丸見えの状態に。
アッパー
従来のメッシュ素材をさらに進化させ、極限まで軽量化を実現。フォアフットと両サイドは透け透けの状態。足首周りは両サイドにアンクルパッドを配置し、ソフトで足のフォルムに馴染むレーシングフィットを採用しています。
重さ
公式値は205g(27.0cm)ですが、なぜかワンサイズ下の26.0cmの実測値は208gでした。前作「ハイペリオンエリート 3」の26.0cmサイズの実測値は223gでしたので、10%ほど軽量化しています。
サイズ感
「ハイペリオンエリート 4」は男女共通のユニセックス仕様。幅広のワイドタイプは選べず、標準タイプのみ。サイズは23.5cm〜29.0cmとなります。
通常、ランニングシューズ選びでは標準タイプなら26.0cm、ワイドタイプなら25.5cmがジャストサイズになりますが「ハイペリオンエリート 4」の場合も標準タイプ26.0cmでジャストサイズでした。
つま先周りのスペースは余裕がありませんが、窮屈に感じることはありません。アッパーのメッシュ素材は網目が荒く、足を圧迫することなく、素足に近い履き心地です。そのため中身は透け透けに丸見え。まるで「レース下着」です(と言いつつ、自分は履いたことも見たこともなく、あくまでも想像です…)。
ファーストインプレッション
早速「ハイペリオンエリート 4」を履いて走ってきました。まずはウォームアップジョグから。前作と同様に安定感が非常に高く、重心移動が楽に感じます。自然と脚が前に出るような感覚。
次に5kmペース走を3本走りました。ペースは3:55〜4:00/km。反発力はそこまで強く感じず、効率的な重心移動による推進力を実感します。さらに衝撃吸収に優れており、硬いアスファルトの上でハイペースで走っても脚に負担がかかりにくいと感じます。
レーシングフィットが最高
「ハイペリオンエリート 4」を履いて最も感動したのが、レーシングフィットと呼ばれるアッパーの構造です。アンクルパッドは必要最低限のボリュームを両サイドにのみ配置し、それ以外は潔く断捨離。ヒールカップも薄く、形を保てるギリギリのラインを攻めています。これだけ少ない素材にも関わらず、最高レベルのフィット感を実現しています。
長距離でもハンドリングしやすい
前作の「ハイペリオンエリート 3」は反発力が優れている反面、衝撃吸収のクッション性能が物足りない印象でした。そのため10km〜ハーフでは使いやすかったものの、ハーフ以上の長距離で使うには脚が持たないのが欠点でした。新作の「ハイペリオンエリート 4」ではクッション性能が改良され、これならフルマラソンのレースでも履けそうと思わせる履き心地でした。
クッション性能の改良は、アップデートされた新素材「DNA FLASH v2」によるものだけでなく、ミッドソール中央部を空洞にして出来たトラス構造も影響していると推測します。前作は靴底がフラットな構造でしたからね。
抜群の安定感
前作の「ハイペリオンエリート 3」の最大の特徴は広い接地面積が生み出す安定感でしたが、新作の「ハイペリオンエリート 4」もハイスピードの安定走行を得意とします。接地面積は前作よりも少なくなりましたが、網の目のような構造を持つ「Speed Vault Race Plate」が推進力を生み出すだけでなく、同時に横ブレも軽減してくれます。これまでとは別次元での安定感が体験できます。
前作との違い
新作「ハイペリオンエリート 4」と前作「ハイペリオンエリート 3」の基本スペックは次のとおり。すべてにおいてメジャーアップデートと呼ぶに相応しい改良が加えられています。
ハイペリオンエリート 4 | ハイペリオンエリート 3 | |
---|---|---|
発売日 | 2024年1月 | 2023年6月 |
ミッドソール | DNA FLASH v2 | DNA FLASH |
プレート | Speed Vault Race Plate | 可変式カーボンプレート |
オフセット | 8mm | 8mm |
重さ(27.0cm) | 205g | 230g |
定価 | 35,200円 | 29,700円 |
ミッドソールは「DNA FLASH」から「DNA FLASH v2」にアップデートされ、内蔵プレートも可変式カーボンプレートから「Speed Vault Race Plate」に刷新。オフセットは同じ8mmですが、重さは1割ほど軽量化しています。一方で価格はインフレと円安の影響もあってか2割ほど値上げしています。
上の写真は左が前作の「ハイペリオンエリート 3」、右が新作の「ハイペリオンエリート 4」です。横から見ると、前作のミッドソールは弧を描くようなフォルムですが、新作は厚さが増した上に中央に窪みのあるフォルムになっています。
靴底も構造が異なります。前作はほぼフラットな形状であるのに対し、新作は中央部に空洞を設けています。またアウトソールの配置パターンも異なります。
さらにアッパーも同じメッシュ素材とはいえ別物です。前作は足首周りが硬く、プルタブが設けられていましたが、新作は必要最低限のパーツに絞られ全体的にソフトな仕上がりになっています。
評価まとめ
Brooksの「ハイペリオンエリート 4」を購入して非常に満足しています。
前作の「ハイペリオンエリート 3」もスピードシューズとして優れていましたが、アッパーのフィット感がイマイチ、長距離走に向いていないなどの欠点もありました。新作の「ハイペリオンエリート 4」は前作の良い部分を継承しつつ、欠点を見事に改良しています。アッパーは最高レベルのフィット感を実現し、クッション性能が向上したことで長距離でもハンドリングしやすくなりました。
主な用途はペース走やレースになると思います。次の本命フルマラソンで履いてみたい候補のひとつです。
「ハイペリオンエリート 4」ほどのハイスペックを求めていない方は、カーボンプレート非搭載の「ハイペリオン」をおすすめします。こちらはスピード練習からジョギングまで幅広い走りに対応できる万能なランニングシューズです。
この記事はマラソンブロガーの「tomo.」が書きました。気に入ったらしてもらえると嬉しいです。X/TwitterやStravaでも発信しています。
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