自費レビュー|ブルックス ハイペリオン:スピードシューズの新定番

マラソンブロガーのtomoです。
2023年7月に発売されたブルックスの新作ランニングシューズ「ハイペリオン(Hyperion)」をレビューします。
ミッドソールにDNA FLASHフォームを搭載し、軽量性(215g/27cm)と高性能なレスポンスを実現しています。
人気モデル「ハイペリオン テンポ」の後継モデルであり、スピード練習やレースに適していますが、ジョギングにも使えます。
個人的には、グリップ性能に優れ、高速ペースでも安定するアウターソールが気に入っています。

ブルックス ハイペリオン
目次と内容
スピードシューズの新定番
ブルックスのロード向けランニングシューズは、主に2つのカテゴリに分類できます。
- クッション:ジョギングにおすすめ
- スピード:スピード練習やレースにおすすめ
クッションの代表的なモデルには「ゴースト」「グリセリン」「レベル」等があります。以下は主にジョギングで愛用している「ゴースト15」。

スピードの代表的なモデルには「ハイペリオンエリート」「ハイペリオンテンポ」「ハイペリオンマックス」等があります。
以下はブルックス最速級モデルに位置付けられる「ハイペリオンエリート3」。主にレースやペース走で着用しています。

ハイペリオン(Hyperion)の語源は「高みを行く者」を意味するギリシア語で、ギリシア神話の神の名前でもあります。
スピードシューズにハイペリオンの名前を冠したモデルが多いのも納得できますね。
今回紹介する「ハイペリオン」は「ハイペリオンテンポ」の後継となるモデル。
ハイペリオンの後に何も付かない、ザ・ハイペリオン。
派生モデルが増えてくるとシューズ選びに迷いが生じます。
ブルックスとしては「ハイペリオン」を誰もが迷わず選べる定番モデルに位置付けたいのでは。自分はそのように解釈しました。
テンポとの違い
「ハイペリオン」と「ハイペリオンテンポ」の基本スペックを表にまとめました。
ハイペリオン | ハイペリオンテンポ | |
---|---|---|
発売日(日本) | 2023年8月 | 2020年7月 |
定価 | 20,900円 | 19,800円 |
重さ(27cm) | 215g | 207g |
ミッドソール | DNAFLASHフォーム | DNAFLASHフォーム |
アッパー | ワープニットとメッシュ素材 | エンジニアードナイロン |
ミッドソールはいずれも「DNAFLASHフォーム」を搭載していますが、「ハイペリオン」の方がより立体的で複雑な構造をしています。

アッパーはいずれもメッシュ構造を採用していますが、「ハイペリオン」の方がメッシュの範囲が広く通気性が向上しています。
個人的には、アウターも注目すべきポイント。「ハイペリオン」ではラバーの凹凸が最小限に抑えられ、前足部の接地面積が広がりました。
デザインとスペック
それでは「ハイペリオン」を詳しく見ていきましょう。
まずは側面から。ミッドソールには窒素ガスを注入した「DNA FLASHフォーム」を搭載しています。

DNA FLASHフォームの質感は発泡スチロールに似ており、軽くて丈夫で、適度なクッション性と反発性を併せ持ちます。
もちろん発泡スチロールとは違って繊細なチューニングは必要なのは言うまでもありませんが。
アッパーにはワープニットとメッシュ素材を採用。全面的にメッシュ構造ですが、外側が薄い生地で覆われているため、写真だと網の目が見えづらくなっています。

シューレースシステムはアッパーと一体になっています。

シュータンは薄型ですが、ペラペラではなく、足の形にピタリと馴染みます。

アンクルパッドは厚さ控えめ。「ハイペリオン」は足首を固定するのではなく、深みのあるヒールカップでカカトを固定してホールド感を高めています。

アウターソールは広範囲にラバー素材を配置。

よく見ると2層構造ですね。

ラバーには「DESIGNED IN SEATTLE」をさりげなくプリントしています。ブルックスはアメリカの企業ですが、本社が西海岸のシアトルにあったとは知りませんでした。
ラバーに覆われていない部分はミッドソールが剥き出し状態。よく見ると「DNAFLASH」のロゴが入っていますね。

重さは、メンズ26.0cmの実測値で204gでした。レースシューズ並みの軽さですね。

サイズ感と履き心地
「ハイペリオン」のサイズ展開は以下のとおりです。
- メンズ:25.0〜29.0cm
- レディース:22.5~29.0cm
ランニングシューズ選びでは、いつも25.5cmか26.0cmで悩みます。
足幅が広いので、ワイドタイプがあれば25.5cm、なければ26.0cmで大体フィットします。
今回「ハイペリオン」はワイドタイプがないので26.0cmを選びましたが、ちょうど良いサイズ感でした。

以下、実際にランニングで使用した感想をまとめます。
安定感が高い
まずは5:00/kmペースで軽く走ってみました。
シューズが軽すぎると足が空回りすることがありますが「ハイペリオン」は重心のバランスが優れているのか、非常に安定感があります。
ソールが高すぎないのも安定感の高さに一役買っています。

しなやかに曲がる
同じくスピードモデルの「ハイペリオンエリート3」に比べると、カーボンプレートを内蔵していないことあり、ソールがしなやかに曲がります。
ロッキングチェアのように転がして走るのではなく、ソールのレスポンスを最大限に生かした走りができます。
「ハイペリオン」を履いて3:40/kmペースで3kmほど走ってみましたが、安定感を保ったまま高い反発力が得られました。

ヒールカップが秀逸
ホールド感も悪くありません。
個人的にはアンクルパッドで足首をがっちり固定するのが好みなんですが、「ハイペリオン」はどちらかと言うとヒールカップにカカトを差し込んで固定するタイプ。
接地の際に地面からリターンを得るわけですが、その力をヒールカップがしっかりと受け止めてくれます。
さらに構造上、シューズとアキレス腱の干渉しないため、アキレス腱の擦れを最小限に抑えることができます。

アウターソールがお気に入り
個人的には「ハイペリオン」のアウターソールが気に入っています。
質感はアシックスの「メタスピード」シリーズに搭載されているアシックスグリップに似ていますが、「ハイペリオン」は2層構造でアウターソール自体にクッション性を持たせているのがポイント。
優れたグリップと絶妙なクッション性を持たせたアウターソールと、高い反発力を持ったミッドソールが掛け合わさることで、素晴らしい化学反応が生まれます。

こんな人におすすめ
ジョギングにもスピード練習にも使えるオールマイティな1足が欲しい…。そんなランニングシューズを探している人に「ハイペリオン」は刺さると思います。
まさに自分がそうでした。「ゴースト15」はジョグ用、「ハイペリオンエリート3」はレース用で使い分けていましたが「エリート3」を練習で使うにはちょっとハイスペックすぎる。
「ハイペリオン」はその中間の空白地帯を埋めつつ、ジョグにもスピード練習にも使えるオールマイティな存在。
また、カーボンプレート非搭載のスピードシューズとして、非常にポテンシャルの高いシューズだと思いました。
ランニング時のプロネーションが安定しない方は「ハイペリオン」の派生モデル「ハイペリオンGTS」を選ぶと良いでしょう。
GTSは「Go-To Support」略で、ガイドレールというサポートシステムを搭載しています。
おまけ
「ハイペリオン」の定価は20,900円ですが、これ1足でジョギングからスピード練習までに使えることを考えると納得の価格。むしろ安いとも思います。
他のブランドだと、ナイキの「ズームフライ5」もオールマイティな1足です。履き心地は全く違いますけどね。
購入ガイド
この記事で紹介した「ブルックス ハイペリオン」は以下の通販サイトから購入できます。

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