COROS Pace 4レビュー【無駄にオーバースペック】
2025年11月に発売されたCOROS(カロス)の新作ランニングウォッチ「Pace 4(ペース 4)」をレビューします。エントリーモデルとしては完成度が高くて「素晴らしい!」のひと言ですが、エントリーモデルらしからぬ無駄な機能も増えました。そんな機能は要らないから、もっと軽く、もっと安くして欲しかった、というのが正直な感想です。
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COROS Pace 4
私の個人的な評価
私は2025年7月に、ランニングウォッチを10年以上愛用してきたGARMINからCOROSに乗り換えました。GARMINの最上位モデル「Fenix 8」からCOROSのエントリーモデル「Pace 3」への機種変でしたが、とにかく軽くてランニングに必要最低限の機能さえあれば良いという考えでしたので満足しています。
ただし「Pace 4」はディスプレイの解像度が低く、AMOLEDよりも暗めのメモリLCDディスプレイを搭載しているため、視認性が高くないことが「Pace 3」の唯一の不満点でした。そこにAMOLEDディスプレイ搭載の「Pace 4」が登場。これは買わない訳にはいきません。
実際に「Pace 4」をランニングで使ってみた感想は次のとおり。
良い点
- AMOLEDディスプレイの視認性が高い
- 軽量でコンパクトな割にバッテリーが長持ちする
悪い点
- 音声機能やフラッシュライトは無駄に感じる
Pace 4の主な特徴
それでは「Pace 4」を詳しく見ていきましょう。
同梱物
パッケージの中には、ウォッチ本体、シリコンバンド、充電アダプター、充電アダプター用キーリング、取扱説明書が入っています。
AMOLEDディスプレイ
ディスプレイは1.2インチ型のAMOLEDタッチスクリーンを採用。解像度は390×390ピクセルあり、小さな文字でもくっきり読めます。晴天から夜間まであらゆるシーンで高い視認性を実現。
軽量でコンパクト
COROSのPaceシリーズの最大の特徴は軽さ。重量はナノバンド装着時で32g、シリコンバンド装着時で40g。寸法は縦43.4mm、横43.4mm、高さ11.8mmのコンパクト設計。腕が細い偉人が装着してもゴツく見えません。
音声認識・録音に対応
トレーニングログの記録や音声コマンド、ボイスピンなど、音声認識と音声録音に対応しており、アプリで聴きかえすことができます。
フラッシュライトを搭載
その他、新しい機能としてディスプレイを明るく照らして使うフラッシュライト機能が加わりました。明るさは三段階で調整可能。
Type-Cケーブルは付属せず
充電は、付属の充電アダプターをType-Cケーブルに接続して使います。Type-Cケーブルは付属しませんが、充電アダプターさえあれば普段使っているType-Cケーブル1本に集約できるのは便利ですね。
二周波オンで最大12時間
バッテリーの持ち時間は、通常モードで最大41時間、全システムオンで最大14時間、二周波オンで最大12時間。日常使用と睡眠トラッキングのみの使用であれば最長19日間使い続けられます。
前作Pace 3と比較
使い勝手の解説に入る前に、前作「Pace 3」から進化したポイントを整理しておきましょう。基本スペックの比較は次のとおり。参考までに競合となるGARMINの「Forernner 165」とも比較します。
| Pace 4 | Pace 3 | Forerunner 165 | |
|---|---|---|---|
| 発売 | 2025年11月 | 2023年8月 | 2024年2月 |
| 定価 | 36,300円 | 33,000円 | 39,800円 |
| 寸法 | 43.4 x 43.4 x 11.8mm | 41.9 x 41.9 x 11.7mm | 43 x 43 x 11.6 mm |
| 重量(シリコンバンド) | 30g | 40g | 39g |
| ディスプレイ | 1.2型(390x390px)AMOLEDディスプレイ | 1.2型(240x240px)メモリーLCD | 1.2型(390x390px)AMOLEDディスプレイ |
| バッテリー(GPSモード) | 14時間 | 9時間 | 17時間 |
| バッテリー(マルチモード) | 12時間 | 7時間 | 17時間 |
| GPS | GPS, GLONASS, Galileo, QZSS(みちびき), Beidou | GPS, GLONASS, Galileo, QZSS(みちびき), Beidou | GPS, GLONASS, Galileo, QZSS(みちびき) |
| センサー類 | 光学式心拍計、オキシメーター(血中酸素)、気圧高度計、コンパス、加速度計、温度計、音声認識 | 光学式心拍計、オキシメーター(血中酸素)、気圧高度計、コンパス、加速度計、温度計 | 光学式心拍計、オキシメーター(血中酸素)、気圧高度計、コンパス、加速度計、温度計 |
前作「Pace 3」と主な違いは、ディスプレイがメモリLCDからAMOLEDになったこと、アクションボタンが追加されたこと、バッテリー時間が伸びたこと、マイクを搭載して音声認識に対応したことの4点です。定価は3,600円値上がりしています。
GARMINの最新エントリーモデル「Forerunner 165」と比べると、サイズ感や基本スペックはほぼ同じと言って差し支えありませんが、定価は「Pace 4」の方が3,500円安く設定されています。おそらくベンチマークして、GARMINから乗り換えやすいように意識しているんでしょうね。
AMOLEDディスプレイ最高
「Pace 4」を使い始めて最も感動したのがディスプレイの美しさ。解像度が390×390ピクセルになり、今まで使っていた「Pace 3」に比べて視認性が格段に上がりました。上位モデル「Pace Pro」の解像度(416×416ピクセル)にも迫るレベル。
上の写真は左が「Pace 4」で右が「Pace 3」のディスプレイです。「Pace 4」の方が明るくて見やすいですが、日中の明るい場所であれば「Pace 3」の視認性も悪くありません。
ただし暗闇の中だと「Pace 4」のAMOLEDディスプレイの方がコントラストが高く、視認性は圧倒的に上です。私は週に4〜5回は夜間に走るので、この違いは大きいですね。
バッテリーが長持ち
一般的には「Pace 3」に採用されているメモリLCDの方がバッテリーの持ちが良いとされていますが「Pace 4」はAMOLEDにも関わらず「Pace 3」よりもバッテリーの持ち時間が長くなっています。重量が1gしか増えていない割に、これは特筆すべき改良点だと思います。
「Pace 3」には専用の充電ケーブルが付属していましたが、「Pace 4」から充電アダプターに統一されました。使用者がType-Cケーブルを持っている前提で、アダプターだけ付属しておけば良い、という考えです。実際に私もType-Cケーブルに集約したかったので「Pace 3」用に別売りの充電アダプターを購入しています。
ただし、ちょっと残念なのは「Pace 3」用の充電アダプターは「Pace 4」に使えないこと。「Pace 4」は「Pace Pro」と同じ新型の充電アダプターに対応しているので、追加で購入される際は注意が必要です。
音声機能は要らない
「Pace 4」では音声認識と録音の機能が新たに追加されました。ウォッチの右側に小さな穴がありますが、こちらのマイクを通してトレーニングやメモの記録、リマインダーの設定、走行中のボイスメモ保存などができます。
ボイスメモは、ウォッチの左下に新たに追加されたアクションボタンを押して録音できます。そしてトレーニング中とトレーニング後に保存したボイスメモは、COROSのアプリから音声データを確認できます。機能としては面白いですが、個人的には使わないですね。
欠点は「足し算」のし過ぎ
他にも、ディスプレイがタッチ操作に対応していたり、音楽再生機能が付いていたりしますが、私の場合はエントリーモデルにそういうプラスα的な機能は求めていないんですよね。エントリーモデルに求められるのは、必要最低限の機能。音声機能やフラッシュライトも要りません。必要なら上位モデルを選ぶので。
「足し算」するのではなく「引き算」して、今よりも軽くコンパクトで、欲を言えば安く(あるいは「Pace 3」同価格)なる方が消費者としては嬉しかった。その方が競合とさらに差別化できたのでは、と思います。
結論:無駄にオーバースペック
以上、COROSのランニングウォッチのエントリーモデル「Pace 4」をレビューしました。「Pace 3」に比べて視認性が高く、バッテリーの持ち時間が長くなり、完成度の高いランニングウォッチに仕上がっています。競合の「Forerunner 165」に比べても価格面で魅力的です。ただし「Pace 4」で新たに追加された音声機能やフラッシュライトは正直要らないと思います。
良い点
- AMOLEDディスプレイの視認性が高い
- 軽量でコンパクトな割にバッテリーが長持ちする
悪い点
- 音声機能やフラッシュライトは無駄に感じる
それでも、市民ランナーが初めてCOROSのランニングウォッチを手に取るのに「Pace 4」はおすすめですし、視認性とバッテリーの持ち時間の向上という観点から「Pace 3」から機種変する価値はあると思います。
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