どうも!マラソンブロガーのtomo.です。

今日は1月の最終日。Garmin GPSウォッチで記録したランニング・アクティビティを Stravaの集計ツールで確認してみました。2018年1月の月間走行距離は自分史上最高の193km、走行回数は15日、走行時間は16時間でした。

ぼくはどちらかと言うと月間走行距離を気にするタイプではありませんが、フルマラソンを一定のタイムで完走するには、ある程度の距離を踏むことが大切だと考えています。昨年は夏の練習での走り込みが不十分だったために、9月の「オホーツク網走マラソン」では痛い目にあいました。

しかし難しいのが、この「ある程度の距離」が、具体的に月間何kmを目安にすべきかということ。例えば、フルマラソンを4時間以内に完走する「サブ4」を達成するには月間〇〇km、「サブ3」なら月間△△kmというように、目標走行距離が具体的であるほど練習の計画も立て易くなります。

そこで、インターネットで入手可能なマラソンランナーの「顧客調査データ」と「ビッグデータ解析」を用いて、月間走行距離とマラソン完走タイムの関係について深掘りしてみました。

月間走行距離が多い ≒ マラソン完走タイムが短い

ぼくが月間走行距離を意識しなくなったのは、小出義雄監督の『マラソンは毎日走っても完走できない』を読んでから。小出監督は月間走行距離よりも、練習で「どれだけ負荷をかけられか」に重きを置いています。

市民マラソン大会に出ると、30km過ぎから歩いてしまったり、あるいはスピードがガクンと落ちてしまう人がとても多い。みなさん、「毎日5km走っていた」など練習熱心な人が少なくないのだが、ではなぜ走れなくなってしまうのか? その理由は、毎日走っているだけではマラソンの練習になっていないから(本書の内容紹介より)

一方で、芸人最速ランナーで五輪男子マラソンのカンボジア代表選手にもなった、猫ひろしさんは『猫ひろしのマラソン最速メソッド』の中で、月間走行距離を意識したトレーニングを行なっているといいます。

中島コーチからもサブスリーの目安として、月間500km以上走るように言われていました。オリンピック出場を目指している今は月間600kmくらい走っているので、毎日がハーフマラソンのような生活です。2時間台後半を目指す市民ランナーなら、月間500kmくらいで十分だと思います。(本書より)

量(=月間走行距離)と質(=練習の内容)のどちらが大切か?と問われれば「質」と答える人が多いと思います。しかし、最低限の「量」がないと、「質」が担保されません。どんなに高負荷なトレーニングを行なっても月間走行距離が20kmだとフルマラソンを好タイムで完走するのは厳しいでしょう。

つまり「質」を担保するには、最低限の「量」が必要になります。ここで知りたいのは、その最低限の距離が何kmかということ。

前置きが長くなりましたが、「顧客調査データ」と「ビッグデータ解析」の二つの切り口で見ていきましょう!

顧客調査データに基づくインサイト

現在インターネットで入手可能なデータソースが2つありました。

まずは、アールビーズ社が2015年に実施した『ランナー世論調査2015』。調査対象は日本最大級のランニングポータルサイト「ランネット」のユーザ、調査人数は12100人、調査方法はインターネット。フルマラソンの自己ベストタイムでセグメント分けし、それぞれの月間走行距離と走行回数について質問しています。

切り口としては良いのですが、アンケートでは走行距離と走行回数のレンジ(例:100km-109km)を選択するため平均値が出せません。ここではあくまでも「最低ライン」を知ることが目的ですので、各セグメントの下位50%のサンプルのデータを参照することにしました。

まとめると下のようになります。

フルマラソン完走タイムと月間走行距離・回数 男性(N=10214)

完走タイム 距離 回数
〜3.0時間 250km 20
3.0〜3.5時間 200km 12
3.5〜4.0時間 140km 12
4.0〜4.5時間 100km 12
4.5〜5.0時間 100km 4
5時間〜 60km 4

フルマラソン完走タイムと月間走行距離・回数 女性(N=1886)

完走タイム 距離 回数
〜3.0時間 300km 20
3.0〜3.5時間 250km 12
3.5〜4.0時間 150km 12
4.0〜4.5時間 100km 12
4.5〜5.0時間 100km 4
5時間〜 80km 4

もうひとつのデータソースは、京都マラソン実行委員会が2015年に実施した『ランナー 調査研究レポート』。調査対象は「京都マラソン2014」の参加ランナー、調査人数は4483人、調査方法はインターネット。

こちらもアンケートでは走行距離と走行回数のレンジを選択するため平均値が出せません。先ほどと同様に、各セグメントの下位50%のサンプルのデータを参照することにしました。残念なことにサブ3・サブ4が同一セグメントに集約されているため、アールビーズ社の調査に比べると粒度が劣ります。

まとめると下のようになります。

フルマラソン完走タイムと月間走行距離・回数 男女(N=4486)

完走タイム 距離 回数
〜4時間 100km 11
4〜5時間 50km 6
5時間〜 50km 6

インサイトまとめ

ざっくりまとめると、以下のことが言えます。

  • サブ4.0は月間走行距離が 150km以上
  • サブ3.5は月間走行距離が 200km以上
  • サブ3.0は月間走行距離が 250km以上

特筆すべき点としては、サブ4.0からサブ3.5までは「走行距離」をいかに増やすかが重要になります。一方、サブ3.5からサブ3.0までは、走行距離よりも「走行回数」をいかに増やすか(12回から20回)が重要になります。

ビッグデータ解析に基づくインサイト

以上、顧客調査データから月間走行距離とマラソン完走タイムの関係について深掘りしてみましたが、顧客調査データは取り扱いに注意が必要です。

この二つの調査データの弱点があるとすれば、月間走行距離とマラソン完走タイムが直接的に紐づいていないということ。月間走行距離はあくまでも普段どれくらい走っているかの目安であり、完走タイムはフルマラソン自己ベストのタイム。つまり、月間〇〇km走ったから、フルマラソンが〇〇時間で完走できた、というデータではないのです。

その問題を解決してくれるのが、年間で10億以上ものアクティビティ・データを記録する Strava(ストラバ)。Stravaの強みは、日々のトレーニングからレースまで、ランナーのすべてのランニング・アクティビティにアクセスできることです。

Stravaは以前、「ロンドンマラソン2016」の完走者4000人のStravaアクティビティを対象にビッグデータ解析を行い、ロンドンマラソンまでの12週間の走行距離と走行回数を完走タイム別に分析しました。詳細は英ガーディアン紙の記事にまとまっています。

参照What does it take to run a sub-3 marathon?(英語)

まとめると下のようになります。

フルマラソン完走タイムと月間走行距離・回数・時間 男女(N=4000)

完走タイム 距離 回数 時間
〜3時間 268km 28 5時間22分
3〜4時間 172km 16 3時間51分
4〜5時間 116km 12 3時間0分
5時間〜 88km 8 2時間30分

インサイトまとめ

先ほどの顧客調査データから大きな乖離は見られません。

  • サブ4.0は月間走行距離が 150km以上
  • サブ3.0は月間走行距離が 250km以上

面白いことに、ここでもサブ4からサブ3までに「走行回数」での大きな飛躍が確認できました。

マラソン完走タイムと月間走行距離の目安(結論)

顧客調査データとビッグデータ解析を用いた分析の結果、ぼくは次のように結論づけたいと思います。

  • サブ4.0を目指すなら、月間走行距離は 150km以上が望ましい
  • サブ3.5を目指すなら、月間走行距離は 200km以上が望ましい
  • サブ3.0を目指すなら、月間走行距離は 250km以上が望ましい

ただし、サブ3.5からサブ3.0へ行くには、走行回数を増やすのが望ましい。

改めて、1月の走行距離をレビューしてみた

2018年1月の月間走行距離は自分史上最高の193km、走行回数は15日、走行時間は16時間でした。

ぼくのフルマラソン自己ベストタイムは3時間21分41秒。3時間半を切っているとはいえ、サブ3.5の後半に属します。サブ3.5前半を目指すのであれば、月間走行距離があと数十km欲しいところです。