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「ゲルニンバス 25」レビュー:お餅のようなクッション

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「ゲルニンバス 25」レビュー:お餅のようなクッション

ゲルニンバス 25(GEL-NIMBUS 25)は、アシックスの人気ジョグシューズの25代目モデル。カカト部分に新素材「PureGEL」を採用し、シリーズ史上最高のクッション性能を実現しています。

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目次と内容

評価:クッション性能は最高だけれど

結論から言うと、ゲルニンバス 25は購入を躊躇します。

クッション性能は「素晴らしい!」のひと言。柔らかくて程よい反発力があり、例えるなら「お餅」を踏んでいるような感覚。

ただし推進力が感じられず、あくまでも最高のクッションを楽しむジョグシューズという印象です。

それで価格が19,800円は高すぎます。耐久性も不安があります。

自分だったら、最高峰のクッションを持ち、より汎用性の高いアシックスの「ゲルカヤノ」シリーズを選びます。

ゲルニンバス 25の特徴

ゲルニンバス 25は、カカト部分に新素材「PureGEL」を搭載し、クッション性能を高めています。

主な特徴

  • ミッドソールに「FF BLAST PLUS ECO」を搭載
  • 新クッション素材「PureGEL」を採用
  • 履き口とタンにニット構造を採用
  • エクストラワイドもあり
  • 定価は19,800円

「ニンバス(NIMBUS)」はラテン語で「雲」を意味します。雲のように軽く、快適な走り心地を目指しているのが命名の理由らしいです。

On(オン)のランニングシューズには英語で雲を意味する「Cloud」が使われていますが、アシックスは25年も前から雲のような履き心地を追求していたわけですね。

外観

ミッドソールの存在感がハンパないですよね……。白い部分が「FF BLAST PLUS ECO」。

フォアフットは弧を描くように上に沿ったフォルムになっています。ミッドソールの部分には「FF BLAST+」が印字されています。

カカトの部分は後方に突き出たスタイル。その上にちょっと見えづらいですが黒のストライプに「PureGEL」と印字されています。この内側に新素材「PureGEL」が内蔵されています。

アッパーにはエンジニアードメッシュを採用。通気性を高める通気孔が散りばめられているのが分かります。

シューレース(紐)システムはユニークな構造をしており、紐を穴ではなく、輪に通して固定するスタイル。

さらにタンもユニーク。ニット素材を採用することで伸縮性と通気性を高めています。

さらにさらに、アンクル(足首)パッドもユニーク。柔らかい分厚いパッドがくるぶしの下に来るように、足首を包みます。

「ゲルニンバス25」を履いて一番衝撃を受けたのは、このアンクルパッドでしたね。こういう足の固定の仕方があるんだ……と良い意味で固定概念を否定されました。

靴底も見てみましょう。フォアフットとカカトの部分にだけグリップ性能に優れたアウターソールを配置しています。これは消耗が少し心配ですね。

靴底は緩やかなカーブを描いていますが、側面は概ねフラットです。真ん中の部分だけ、わずかながら窪みがあります。

重さは、メンズ27.0cmで290gとなります。

今回は、エキストラワイドのメンズ25.5cmを選びましたが、実測値の重さは279gでした。

ランニングシューズの中では重い部類に入りますが、実際に手に持った感覚だとボリューム感のある見た目の割には軽く感じます。

ゲルニンバス 25のサイズ感

メンズ、レディースともに幅広のエキストラワイドが選べます。ゲルニンバスのような人気モデルだと選択肢があるのが嬉しいですね。

サイズ展開は以下のとおりです。スタンダード、エキストラワイドともに同じサイズ展開となります。

  • メンズ:24.5〜29.0cm、30cm、31cm、32cm
  • レディース:22.5〜26.5cm

ランニングシューズ選びでは、いつも25.5cmか26.0cmで悩みますが、ワイドタイプがあれば小さめのサイズでもフィットします。

今回はエキストラワイドの25.5cmを選びましたが、足指周りにかなり余裕があります。

25.0cmのエキストラワイド、25.5cmのスタンダードでも良かったのでは?と思うほどでした。

ゲルニンバス 25の使用感

実際の使用感は以下のとおり。

ふわふわしていない

「NIMBUS(雲)」の名前からふわふわした柔らかい履き心地を期待していましたが、むしろ逆の印象を受けました。

クッション性は高いものの、履き心地はやや硬く感じます。例えるならお餅のようなクッション。グイッと踏み込むと程よい反発力を実感します。

この感覚は覚えがあります。ナイキの「エピックリアクト フライニット」の履き心地に似ています。

2018年に「ふわ・かる・びよーん」のキャッチコピーで登場しましたが、キャッチコピーとは真逆のお餅のようなクッションでした。

ミッドソールの構造、アウターソールの配置、アッパーのニット構造も何となく似ている気がします。

アンクルパッドが超快適

一番衝撃を受けたのがこれ。履き口が二層構造になっており、外側は肌に触れず、分厚いアンクルパッドがくるぶしの下あたりを包み込み、足をしっかりと固定します。

上から見ると、隙間が見えるんですよね。

これは正直すごいと思いました。長時間走り続けてもホールド感が損なわれず、アキレス腱を痛める心配もありません。

むしろこのアンクルパッドこそが「雲」のようにふわふわしていました。

シューレースは締め付け感ゼロ

もうひとつのお気に入りポイントが、シューレース周り。アッパーに設けられた「穴」ではなく、アッパーに接続した「輪」に紐を通すシステムなので、構造的にあそびを持たせています。

そのため、上部からの締め付けられる感じがしません。でも、アンクルパッドで足がしっかり固定されるので、ランニング中にズレる心配もありません。

個人的にはシューズをがっちり固定するのが好みなので、紐はキツめに締める派ですが「ゲルニンバス25」なら締め上げなくても問題なさそう。

その方が足に余計なストレスを与えなくて済みます。

長距離でも疲れない

初日から早速、26km走で「ゲルニンバス25」を使いました。ペースは4:30/km。

クッションが柔らか過ぎないので、ジョグよりも速いペースも楽に走れました。

カーブを描いたソールデザインのおかげなのか、ライド感が特に素晴らしいですね。「ライド」シリーズほどではありませんが、リズムに乗るとグイグイと前に進む推進力が実感できます。

ゲルニンバス 25の耐久性

定点観測的に消耗具合をアップデートします。

走行距離30km

特にフチの部分の損傷が目立ちます。そりゃそうですよね。だって無防備ですから。ナイキの「エピックリアクト フライニット」の時も損傷が激しかったですね。

走行距離150km

アウターソールは目立った損傷はありませんが、やはり縁の部分が擦り切れてますね。ミッドソールにも縦シワが入り始めています。

ゲルニンバス 24との違い

ゲルニンバス 25と前作ゲルニンバス 24の基本スペックを比較します。参考までに「ゲルカヤノ 29」と「GT-2000 11」との違いも見ていきましょう。

ゲルニンバス25ゲルニンバス24ゲルカヤノ29GT-2000 11
発売2023年2月2022年2月2022年7月2022年12月
定価19,800円17,600円17,600円14,300円
ミッドソールFF BLAST PLUS ECO、PureGELFF BLAST PLUS、FLYTEFOAM、GELFF BLAST Plus、LITETRUSS、GELFF BLAST、FLYTEFOAM、LITETRUSS、GEL

前作のゲルニンバス 24はミッドソールに「FF BLAST PLUS」と「FLYTEFOAM」を組み合わせていましたが、新作のゲルニンバス25は植物由来の素材を24%使用した「FF BLAST PLUS ECO」を搭載。

またゲルニンバス 25はミッドソールの上に新開発のクッション素材「PureGEL」を配置することで、前作のクッション素材よりも65%柔らかく、約10%の軽量化を実現しています。

2023年2月時点では、新クッション素材「PureGEL」が搭載されているのはゲルニンバス 25だけです。

ちなみに他の「GEL」は外側から見える構造ですが、「PureGEL」はシューズの内部に収まっています。

ゲルニンバス 25の発売日

ゲルニンバス25は2023年2月2日に発売されました。前作ゲルニンバス 24から約1年ぶりのアップデートとなります。

ちなみにゲルカヤノ(29)は2022年7月、GT-2000(11)は2022年12月にシリーズ最新作が発売されており、アシックスの攻めの姿勢が伺えます。

おまけ

個人的にはゲルニンバス 25よりゲルカヤノ 30の方がおすすめです。

ゲルカヤノ 30は安定感が非常に高く、万人向けのモデル。耐久性も悪くありません。

初心者ランナーならマラソンシューズとして使えますし、シリアスランナーならジョグシューズとして活用できます。

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