【レビュー】Nike ヴェイパーフライ4:軽すぎるが故にアッパーが頼りない
発売から1ヶ月が経ち、奇跡的に在庫が復活したタイミングで「ヴェイパーフライ4」を購入!かなり期待していましたが、結論から言うとガッカリ…。前作に比べてカーボンプレートのチューニングが改善されたものの、大幅に軽量化されたことでアッパーのフィット感・ホールド感が損なわれた印象を受けました。本命レースでは履かないと思います。




AmazonスマイルSALE(4/21まで)最大7.5%ポイントアップキャンペーンのエントリーはこちら
- Nikeのスーパーシューズ
- ヴェイパーフライ4の特徴
- サイズとフィット感
- ファーストインプレッション
- スピード練習で使用した感想
- 雨の日に使用した感想
- ヴェイパーフライ3と比較
- ズームフライ6と比較
- 評価まとめ
Nikeのスーパーシューズ
ヴェイパーフライ(Vaporfly)は、Nikeのマラソンランニングシューズの最高峰シリーズです。2017年に登場した「ヴェイパーフライ 4%」はスーパーシューズとして注目を集め、以来、世界のトップマラソン選手の記録更新をサポートしてきました。
特徴は、軽量で反発性の高いZoomXフォームミッドソールとカーボンファイバー製Flyplateのコンビネーション。絶妙なバランスとチューニングが最高のエネルギーリターンを生み出します。
Nikeはアフラフライ(Alphafly)という別のスーパーシューズも展開していますが、搭載しているAir Zoomユニットはアスリートによって好みが分かれます。その点、ヴェイパーフライは幅広い層に刺さるスーパーシューズとして支持され続けています。

この度、シリーズ4代目となる「ズームX ヴェイパーフライ ネクスト% 4」(以下「ヴェイパーフライ4」に省略)が2025年3月に発売されました。しばらく在庫切れが続きましたが、4月に入りようやく購入できました。
ヴェイパーフライ4の特徴
それでは早速詳しくレビューしていきます。「ヴェイパーフライ4」の主な特徴は次のとおり。
- ミッドソールはZoomXフォームを採用
- カーボンファイバー製Flyplateを内蔵
- アッパーはエンジニアードメッシュ
- 重量は171g(メンズ27cm)
- オフセットは6mm
- 定価は29,700円
- 2025年3月発売

パッと見た印象は、Air Zoomユニットの無い「アルファフライ3」。前作「ヴェイパーフライ3」の角ばったフォルムの面影はどこにもありません。ミッドソールは軽量で反発性の高いZoomXフォームミッドソールとカーボンファイバー製Flyplateを搭載しています。

靴底は前足部とヒールに広がりを持たせ、中足部をキュッと絞り込んだフォルム。中央の窪みからFlyplateがチラリと見えます。アウトソールのラバーは前足部を100%カバーし、ヒール周りも部分的にサポート。

アッパーはエンジニアードメッシュを使用し、ヒールとシュータンを小さくすることで軽量化を図っています。アンクルパッドも内側にクッションを配置しただけのミニマル設計。
サイズとフィット感
今回は「ヴェイパーフライ4」のメンズ26.0cmを選びました。自分の場合、ランニングシューズ選びではスタンダードモデルだと26.0cm、ワイドモデルだと25.5cmがジャストサイズになります。しかし今回はシンデレラフィットとはいかず、全体的に縦長で、横幅はややタイト、つま先周りは隙間ありすぎ、という印象でした。

それから、母指球の部分が少しだけ内側に出ていて、そこに僅かながらスペースが生じてしまいます。「ヴェイパーフライ3」ではなかった違和感を感じます。
ファーストインプレッション
ここからは実際に「ヴェイパーフライ4」を履いてみて気付いた点を忖度なしでコメントします。
驚くほど軽い

前作「ヴェイパーフライ3」のメンズ26.0cmは実測値で181gでした。これでも十分軽いなと思いましたが「ヴェイパーフライ4」はさらに15gも軽くなり、実測値で166gでした。履いていると、特にアッパーの軽量化を実感します。
柔らかめのクッション

ZoomXフォームミッドソールは高い反発力に定評がありますが、接地の際には適度に沈み込み、柔らかさを持たせたクッショニングが特徴。ロードランの衝撃もしっかり吸収してくれます。
自然な押し出し感

前作「ヴェイパーフライ3」はカーボンプレートのバネが強すぎて、身体の軸をしっかり保っていないと「カーボンプレート負け」しそうでした。その点「ヴェイパーフライ4」はしっかりチューニングされて、より自然な形で足を押し出してくれます。
「じゃじゃ馬」だったカーボンプレートが、上手に飼い慣らされたイメージですね。
ヒールと足首周りのホールド感は微妙

ヒールと足首周りのサポートはやや頼りない印象。軽量化のためにヒールカップやアンクルパッドの素材が削られたのが原因でしょうか。一方でシュータン周りのホールド感が強固になり、中足部で足でしっかり固定するような感覚です。

個人的には、前足部を押さえつけると疲労が溜まりやすくなりますし、ヒールと足首をガッチリ固定する方が好みなんですよね…。というわけで「ヴェイパーフライ4」のホールド感はあまり好きではありません。
スピード練習で使用した感想
「ヴェイパーフライ4」はNikeの最速級マラソンシューズですので、自分は主にレースやスピード練習で使用します。実際に「ヴェイパーフライ4」を履いて、フル自己ベストのペース(3:55/km)で10km走ってみました。
走り心地は、カーボンプレートによって足が押し出される感じが気持ち良いですね。ポンポン跳ねるというより、グイグイ押されるような感覚。クッションの衝撃吸収力も優秀。これならロードでガンガンスピードを出しても脚の負担が軽減できそうです。

一方、ヒール周りのホールド感は頼りなく、安定感に欠けます。ヒールカップがペラいですし、付け根の横の部分なんかは支柱がカットされています。これだと足を支えきれず、ランニング時に僅かながらズレを感じます。

実はシューレースがかなり凝っていて、わずかながら伸縮性があります。これは中足部のフィット感を向上させるメリットがある反面、足首が完全に固定されないというデメリットもあり、結果的にヒール周りの不安定感につながっています。
雨の日に使用した感想

レースで使うことを考えると、雨の日でも快適に走れないといけません。たまたま雨の中で走る機会がありましたが、まず雨に濡れても水抜けは良さそう。雨水が当たってずぶ濡れになる感覚はありません。
また昔のZoomXのように、ミッドソールがスポンジのように水を吸収して走りづらくなることもありませんでした。さらに靴底のグリップも優秀。雨には結構強いシューズだと思います。
ヴェイパーフライ3と比較

自分は前作の「ヴェイパーフライ3」も所有しているので、簡単に比較してみます。横に並べると、まったく別のシューズですよね。
写真右の「ヴェイパーフライ3」は角ばったフォルムでアッパーは伸縮性の高いFlyknit。一方で写真左の「ヴェイパーフライ4」は「アルファフライ3」にインスパイアされた丸みを帯びたフォルムでアッパーはやや硬めのエンジニアードメッシュ。

靴底は「ヴェイパーフライ4」で構造がシンプルになり、前足部とヒール周りの接地面積が大きくなりました。ラバーも薄くなり、軽量化されているそうです。
それから外観からは分かりませんが「ヴェイパーフライ4」のカーボンプレートは前作よりも角度が大きくなり、ドロップ(オフセット)が8mmから6mmに縮小されています。
ヴェイパーフライ4 | ヴェイパーフライ3 | |
---|---|---|
発売 | 2025年3月 | 2023年4月 |
価格 | 29,700円 | 29,700円 |
ミッドソール | ZoomXミッドソール、Flyplateカーボンプレート | ZoomXミッドソール、Flyplateカーボンプレート |
アッパー | エンジニアードメッシュ | Flyknit |
ドロップ | 6mm | 8mm |
重量(メンズ26cm) | 166g | 181g |
ズームフライ6と比較

参考までに2024年11月に発売された「ズームフライ6」とも比較します。「ヴェイパーフライ4」の下位互換という位置付けではありますが、ZoomXミッドソールとFlyplateカーボンプレートを搭載。アッパーは2層メッシュで快適ですが、ただし重量が60gも重くなります。

靴底は「ヴェイパーフライ4」に近い構造となっており、接地面積がさらに大きくなることで安定感も高まります。定価は「ヴェイパーフライ4」の約6割、実勢価格だと約半分になるのが最大の魅力です。そこまでスピードを求めないのであれば「ズームフライ6」を買った方が幸せになれると思います。
ヴェイパーフライ4 | ズームフライ6 | |
---|---|---|
発売 | 2025年3月 | 2024年11月 |
価格 | 29,700円 | 18,700円 |
ミッドソール | ZoomXミッドソール、Flyplateカーボンプレート | ZoomXミッドソール、Flyplateカーボンプレート |
アッパー | エンジニアードメッシュ | 2層ウーブンメッシュ+ガセットタング |
ドロップ | 6mm | 8mm |
重さ(メンズ26cm) | 166g | 226g |
評価まとめ
Nikeの「ヴェイパーフライ4」の良い点、気になる点のまとめは次のとおり。
良い点
- ハンドリングしやすいカーボンプレート
- 衝撃吸収に優れたクッション
- 雨の日でも安心して走れる
気になる点
- ヒールと足首周りのホールド感が頼りない
- 中足部の締め付け感が強い
大幅に軽量化され、カーボンプレートが上手くチューニングされた点において「ヴェイパーフライ4」は前作から確実に進化しています。ただし軽量化によってフィット感・ホールド感が損なわれた感が否めず、自信を持っておすすめできません。
今の自分が本命レースで履くとしたら、Asicsの「メタスピードエッジパリ」かBrooksの「ハイペリオンエリート4」を迷いなく選びますが、自分の足にカッチリとハマらないという点で「ヴェイパーフライ4」は選ばないと思います。まあでも後日、本命でないフルマラソンで履いてみようと思います。
AmazonスマイルSALE(4/21まで)最大7.5%ポイントアップキャンペーンのエントリーはこちら

Nike ナイキ ヴェイパーフライ 4の最新価格をチェック
ナイキ公式オンラインストアなら、30日間の返品・返送料が無料。世界に1足だけのカスタマイズモデル「By You」も選べます。