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【ズームフライ6 レビュー】Nikeの「本気」を感じるスピードシューズ
Nikeの「ズームフライ6」を購入したのでレビューします。上位モデルなのに価格は3年前から据え置き。このカテゴリで勝負を仕掛けるNikeの本気度が伝わってきます。
ズームフライとは?
ズームフライ(Zoom Fly)は、Nikeの上位モデルのロードランニングシューズ。トップマラソン選手が履く最高峰モデルのアルファフライ(Alphafly)やヴェイパーフライ(Vaporfly)に次ぐ位置付けです。
特徴としては、Nike最高水準のクッショニングテクノロジーを採用し、フルレングスのカーボンプレートを搭載している点が挙げられます。スピードが求められるトレーニングはもちろん、自己ベストを狙うレースにも使えます。
それなのに、定価はアルファフライやヴェイパーフライの約半分。かなりコストパフォーマンスに優れた1足です。
ズームフライ6の特徴
シリーズ6代目となる「ズームフライ6(Zoom Fly 6)」が2024年10月に発売されました(正確には10月25日先行発売で、11月1日一般発売)。主な特徴は次のとおり。
- ミッドソールはZoomXフォーム
- カーボンファイバー製Flyplateを搭載
- アッパーは2層のウーブンメッシュ構造
- アウトソールは薄型のウェブラバー
- 前作より10%以上軽量化を実現
- 重量は247g(メンズ27cm)
- ドロップは8mm
- 定価は18,700円
ミッドソールは最高峰モデルの「アルファフライ3」や「ヴェイパーフライ3」と同じ「ZoomXフォーム」を採用。内側にフルレングスのカーボンファイバー製「FlyPlate」を搭載しています。
アウトソールは前足部とカカトの左右に薄型のウェブラバーを配置し、軽量でありながらグリップ性能を高めています。真ん中には空洞があり「FlyPlate」が見えます。
アッパーは織り物のようなウーブンメッシュを2層にした構造。シュータンとシューズが一体化したがセットタングがフィット感を高めています。
重量は公式値ではメンズ27cmが247g。実測値ではメンズ26cmが226gと、レースシューズ並みの軽さです。公式サイトによると「従来モデルより10%以上軽量化を実現」とありますが、自分が所有するメンズ26cmの「ズームフライ5」は実測値が262gでしたので、13%の軽量化になります。
サイズとフィット感
メンズのサイズ展開は24.5〜30.0cm。自分はランニングシューズ選びでは通常モデルなら26.0cm、ワイドモデルなら25.5cmがジャストサイズになりますが、今回は26.0cmでちょうど良いサイズ感でした。全体的にゆとりがあり、足幅的にもストレスフリー。
「ズームフライ6」はアッパーに2層のウーブンメッシュを採用し、空気の層を多分に含んでいるので、実際のサイズよりも大きく見えるのが特徴ですね。
良いと感じたところ
ここから実際に「ズームフライ6」を履いてみました。個人的に気に入った点は次のとおり。
アッパーのフィット感が神
とにかくアッパーが素晴らしいですね。2層のウーブンメッシュが足を上からソフトに包み込みます。足をしっかり固定しつつ、でも空気の層があるので窮屈さは感じません。
前作も2層のメッシュでしたがシュータンが独立したセパレート型でした。「ズームフライ6」はシュータンとシューズが一体化したガセットタング型。これがフィット感をさらに高めている要因です。
ヒール全体が包まれる
「ズームフライ6」は足を下からもソフトに包み込みます。特にヒール周りの心地よさがヤバいです。まず足を入れるとヒールの形に馴染みます。そして踏み込んだ時に、カカトのクッションの左右の盛り上がりがグシャっと潰れて良い感じの反発力を生み出します。この感触はクセになります。
足運びが軽やか
とにかくレースシューズ並みに軽くて、全体的に足運びが軽やかです。フルレングスのカーボンプレートとZoomXフォームが生み出す反発力により、まるで飛ぶように前に進みます。
残念に感じたところ
一方で「ズームフライ6」を履いてみて、個人的に残念だなと思うこともありました。
安定感は微妙
前作に比べると走行時の安定性能はそこまで高くありません。構造的に見ると「ズームフライ6」の靴底は、面ではなく点で支えているような感じで、真ん中に窪みがあり、カカトの左右のクッションが盛り上がっています。体幹がしっかりしていないと、接地時に足がブレやすいと思います。
シューズの作りが雑
「ズームフライ6」に限りませんが、Nikeは上位モデルのランニングシューズですら細部の仕上げが雑なんですよね…。今回購入したシューズもソールの側面にわずかな突起物が残っていましたし、カラーリングはもっと雑。
まあシューズの性能には影響ないと思いますが、Nikeの品質管理大丈夫?と不安になります。決して安物のシューズではないですから。
ズームフライ5との違い
参考までに、ズームフライの歴代モデルとも比較してみましょう。自分は「ズームフライ4」と「ズームフライ5」を所有していますが、4→5、5→6でそれぞれメジャーアップデートしている感じです。
こちらは2021年12月に発売された「ズームフライ4」です。
そしてこちらは2022年7月に発売された「ズームフライ5」です。靴底にかけての広がりからして、安定感の高さが伺えます。
もう一度「ズームフライ6」を見ると、もう「ズームフライ4」の原型をとどめていないですね。「ズームフライ5」に比べると靴底が萎んで見えます。
「ズームフライ5」と「ズームフライ6」で違いを最も実感するのは靴底です。前作(写真右)の方が接地面積が大きく、安定感が高く感じます。
基本スペックを以下の表に簡単にまとめました。アルファフライやヴェイパーフライが値上げした中、ズームフライは4代目から価格が据え置きなのは凄いですね。
ズームフライ6 | ズームフライ5 | ズームフライ4 | |
---|---|---|---|
発売 | 2024年11月 | 2022年7月 | 2021年12月 |
重さ(メンズ26cm) | 226g | 262g | 257g |
ミッドソール | ZoomXフォーム+フルレングスプレート | ZoomXフォーム+フルレングスプレート | Nike React+カーボンファイバープレート |
アッパー | 2層ウーブンメッシュ+ガセットタング | 2層メッシュ+セパレートタング | 2層のFLYNKIT+ガセットタング |
価格 | 18,700円 | 18,700円 | 18,700円 |
ヴェイパーフライ3との違い
Nikeの最高峰モデルの「ヴェイパーフライ3」とも比較しておきましょう。
「ヴェイパーフライ3」(写真右)は発売当初29,700円で購入しましたが、2024年10月時点で「ズームフライ6」(写真左)のほぼ倍の36,080円に値上げしています。
以下は基本スペックの比較ですが、ミッドソールは両者ともZoomXフォーム+フルレングスプレートのコンビ。デザイン的には側面の三角形がちょっと似ていますね。しかしアッパー素材が異なりますし、重量も「ヴェイパーフライ3」の方が圧倒的に軽い。
ズームフライ6 | ヴェイパーフライ3 | |
---|---|---|
発売 | 2024年11月 | 2023年4月 |
ミッドソール | ZoomXフォーム+フルレングスプレート | ZoomXフォーム+フルレングスプレート |
アッパー | 2層ウーブンメッシュ | フライニット |
重さ(メンズ26cm) | 226g | 181g |
価格 | 18,700円 | 36,080円 |
なお、自分は持っていませんが「アルファフライ3」の方がデザイン的に「ズームフライ6」に似ています。最初に見た時に「あれ、兄弟?」と思いました。
評価まとめ
Nikeの「ズームフライ6」は、レースやスピードが求められるトレーニングに最適なランニングシューズです。価格は最高峰モデルの約半分でコスパが非常に高く、練習で遠慮なくガシガシ使えます。
良い点
- 2層ウーブンメッシュ+ガセットタングが生み出すフィット感が最高
- レースシューズ並みに軽く、反発力も素晴らしい
- 最高峰モデルの約半分の価格でコスパが非常に高い
気になる点
- 靴底の凹凸を持たせたことで安定感がやや損なわれる
- 細部の仕上げが雑で品質管理に不安を覚える
今回「ズームフライ6」を購入して一番驚いたのが価格設定。世の中は値上げがトレンドなのに、3年前に発売された「ズームフライ4」から据え置きですよ…。これだけのスペックにも関わらず値上げしない所に、Nikeの本気度が伺えます。
最上位モデルのひとつ下のカテゴリは、競合他社が優秀なシューズを出してますからね。同じ価格帯だとAsicsの「マジックスピード4」やAdidasの「アディゼロSL2」あたりが比較対象になりそうです。
この記事はマラソンブロガーの「tomo.」が書きました。気に入ったらしてもらえると嬉しいです。X/TwitterやStravaでも発信しています。
購入ガイド
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