MIZUNO Hyperwarp Eliteレビュー【お帰りなさい】
2025年12月に発売されたMIZUNOの新作レーシングシューズ、Hyperwarp Elite(ハイパーワープエリート)を購入したので忖度なしでレビュー。実際にフルマラソンのレースで履いた感想も含めて、良い点と悪い点を解説していきます。
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MIZUNO Hyperwarp Elite ハイパーワープエリート
- 私の個人的な評価
- MIZUNO TOKYOで試着
- Eliteを選んだ理由
- 主な特徴とスペック
- エネルギーリターンが最高
- フォアフットで走らされる
- 雨でも戦闘力が落ちない
- ホールド感は悪くない
- つま先の硬さ唯一の欠点
- 【実践レビュー】みえ松坂マラソン2025
- 耐久性と寿命の定点観測
- 結論:お帰りなさい
私の個人的な評価
私が2019年に初めてフルマラソンのサブスリー(3時間切り)した時に履いていたのが、MIZUNOの「Wave Emperor 3」でした。そのため、私にとってMIZUNOのレーシングシューズは特別な存在なんです。
ところがその後、MIZUNOのレーシングシューズは「Wave Rebellion Pro」シリーズに軸足を移し、カカトがない中途半端なシューズを世に送り出し続けました。もちろんファンなので買い続けましたが、高価な割に実戦に耐えられず、裏切られた感が半端なかったです。
そして2025年12月に「Hyperwarp」が投入されMIZUNOのレーシングシューズが新たに生まれ変わりました。私は「Hyperwarp Elite」を履いていますが、素晴らしいシューズです。ただただ「MIZUNOさん、お帰りなさい」と言いたい。
良い点
- エネルギーリターンが最高
- フォアフット寄りで推進力高め
- 雨レースにも強い
悪い点
- つま先の柔軟性に欠ける
Eliteを選んだ理由
MIZUNOのHyperwarp(ハイパーワープ)シリーズは「軽量性と安定性を両立した、次世代レーシングシューズ」をコンセプトに2025年12月から発売が開始しています。ラインアップは次の3種類。
| Hyperwarp Pure | Hyperwarp Elite | Hyperwarp Pro | |
|---|---|---|---|
| 定価 | 35,200円 | 29,700円 | 29,700円 |
| コンセプト | わずか約137gでシリーズ最軽量 | 軽量・反発・安定性のバランス | 高い反発と安定性を重視 |
| ランナータイプ | ピッチ型 | ストライド型 | 重心移動型 |
| カーボンプレート | Smooth Speed Plate | Smooth Speed Plate | Smooth Speed Assist |
| ミッドソール(上部) | Mizuno Enerzy XP (lightweight) | Mizuno Enerzy XP (lightweight) | Mizuno Enerzy XP |
| ミッドソール(下部) | Mizuno Enerzy XP (lightweight) | Mizuno Enerzy XP | Mizuno Enerzy XP |
| オフセット | 3mm(31.5mm/34.5mm) | 3.5mm(34.5mm/38.0mm) | 5.5mm(33.5mm/39.0mm) |
| 重量(27cm) | 137g | 170g | 200g |
最も大きな違いはカーボンプレートとミッドソールの組み合わせ。「Pure」と「Elite」は3D形状フルレングスカーボンプレート、「Pro」はカーボン強化ナイロンプレートを使用。また軽量性を極めた「Mizuno Enerzy XP lightweight」を「Pure」はミッドソールの上下に、「Elite」はミッドソール上部に採用しています(「Pro」は採用なし)。
個人的には「Wave Rebellion Pro」シリーズに使われていたカーボン強化ナイロンプレートとは異なる、3D形状フルレングスカーボンプレートのモデルが欲しかったので「Pure」か「Elite」の二択でした。
MIZUNO TOKYOで試着
というわけで発売日の当日、わざわざ半休を取って東京のお茶の水にある「MIZUNO TOKYO」を開店直後に訪れました。「Hyperwarp」目当てで並ばれていた方が数名いましたが、割とスムーズに試着させてもらいました。
ワイドタイプがないため、スタンダードタイプの26.0cmを試着。前脚部がちょっと狭いかなという以外は、サイズ感・フィット感ともに問題ありませんでした。
「Pure」の方は私には反発力が強すぎて、体幹がしっかりしていないと履きこなすのは難しいという印象。一方で「Elite」はまるで自分の足の一部になったかのようにハマりました。というわけで迷わず「Elite」を購入。
今日は通勤の途中にMIZUNO TOKYOに寄り道しました。試走ではかなり良い感触。みえ松阪マラソン2025はこれで挑みます🏃♂️ pic.twitter.com/o6lteUZOzy
— ともらん! (@tomorunblog) December 19, 2025
主な特徴とスペック
それでは「Hyperwarp Elite」を詳しく見ていきましょう。
ミッドソール上部にMizuno Enerzy XP lightweight
ミッドソールの素材は、柔らかさ・反発性・軽量性を融合した「Mizuno Enerzy XP」を採用。上部には軽量化をさらに極めた「Mizuno Enerzy XP lightweight」を配置しています。
Smooth Speed Plateを搭載
ミッドソールには3D形状フルレングスカーボンプレートの「Smooth Speed Plate」を内蔵。中足部中甲側を3D形状に巻き上げることで、軽量ながら反発性と安定性を高次元で両立しているのが特徴です。
軽量ウーブンアッパー
アッパーは薄手のウーブン素材を使用し、無駄なパーツを削ぎ落とすことで極限まで軽量化を測っています。アンクルパッドは必要最低限のクッションのみ搭載。
オフセットは3.5mm
スタックハイトはつま先が34.5mmでヒールが38.0mm。オフセットは3.5mmとなります。World Athletics(世界陸連)の認定シューズとしては、2026年1月18日以降、ロードとクロスカントリーのレースで有効となります。
重量は170g
27cmサイズのカタログ値は170g。26cmの実測値は157gでした。各社の最新のレーシングシューズの中では平均的な軽さだと思います。
エネルギーリターンが最高
実際に「Hyperwarp Elite」を履いてランニングしてみると、エネルギーリターンの高さに感動しました。自分が投入しているエネルギーが無駄なく推進力に変換されているのを、ひしひしと感じます。ひとつの要因としては、安定感が高いのが大きいですね。接地の際にブレにくく、一直線に進みます。
フォアフットで走らされる
また良い意味で「Hyperwarp Elite」を履いていると、自ずとフォアフット走法で走るようになります。接地時間が短くなり、足がスッと前に出て、驚くような推進力が得られます。
雨でも戦闘力が落ちない
また、たまたま雨の日のレースで使用したところ、水濡れにも強いことが分かりました。ウーブンアッパーは水を吸収して重くなる心配は皆無。ミッドソールも濡れてパフォーマンスが下がるような感じはありませんでした。濡れたアスファルトやタイルの上を走っても滑りにくく、グリップ性能も秀逸。
ホールド感は悪くない
一方で足首周りは必要最低限のパーツで足をホールドしているような感じです。アンクルパッドのサポートが若干物足りなく感じますが、ホールド感は悪くありません。軽量化とホールド感のバランスという意味では、絶妙なラインを攻めていると思います。
つま先の硬さ唯一の欠点
唯一、欠点を挙げるとすれば、カーボンプレートがガッチガチに固く、つま先の柔軟性に欠けることでしょうか。私の場合、さらにつま先の幅がやや狭く感じることも相まって、小指の側面が少し擦れてしまいました。
【実践レビュー】みえ松坂マラソン2025
発売日の翌々日には、三重県松阪市で開催された「みえ松坂マラソン2025」で早速「Hyperwarp Elite」を着用しました。試走した段階でかなり良い感触だったので不安はありませんでした。
レースは最初の30kmを4:00/kmペースで走り、残り12kmを4:15/kmペースで流し、2時間53分台でフィニッシュ。フル自己ベストよりも5分以上遅い、余裕を持たせた走りでしたが、最後まで脚がしっかり持ちました。また、あいにくの雨レースでしたが、先述のとおり、雨でも戦闘力が落ちず、フィニッシュまでストレスを感じずに走り切れました。
みえ松阪マラソン2025
— ともらん! (@tomorunblog) December 21, 2025
2時間53分46秒NT
30kmまで4:00/kmで走り、上り坂以降は4:15/kmで流しました。松阪牛のサイコロステーキも美味しくいただきました🐮松阪市&大会関係者の皆さま、有難うございました!
👟MIZUNO Hyperwarp Elite
🧦FOOTMAX Road Race Nano
🍼VITAS Amino4 Gel pic.twitter.com/DswU1unaVC
耐久性と寿命の定点観測
ここでは「Hyperwarp Elite」の消耗具合を定期的にチェックしていきます。
走行距離50km
ひとまずフルマラソンを1回走った後の状態。これは私の走りのクセにもよりますが、外側の縁の部分が少しだけ削れています。しかしアウトソールラバーで覆われているので、すぐにボロボロになることは無さそう。
結論:お帰りなさい
というわけで、MIZUNOのレーシングシューズ「Hyperwarp Elite」をレビューしました。安定感が高く、推進力もあり、とにかくエネルギーリターンが最高。雨レースという過酷な状況でも良い仕事をしてくれました。そしてMIZUNOがまたまともなレースシューズを出してくれたことが一番嬉しいです。
良い点
- エネルギーリターンが最高
- フォアフット寄りで推進力高め
- 雨レースにも強い
悪い点
- つま先の柔軟性に欠ける
購入ガイド
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