【レビュー】Brooks ハイペリオンエリート5:エネルギーリターンが素晴らしい
Brooksの「ハイペリオンエリート 5(Hyperion Elite 5)」が2025年8月に発売されました。前作「ハイペリオンエリート 4」とも違いも含め、サイズやフィット感、履き心地について詳しくレビューします。




ハイペリオンエリート5の評価

今回紹介する「ハイペリオンエリート5」は、Brooksのレーシングシューズの最高峰モデル。ミッドソールには同社史上最高のエネルギーリターンを誇る「DNA GOLD」を採用し、高性能カーボンプレートを内蔵してます。
実際に履いてみると、無駄のない最高峰のエネルギーリターンが実感でき、シューレースが生み出す絶妙なフィット感に感動。前作「ハイペリオンエリート4」から着実に進化したと感じます。一方でヒール周りのフィット感はイマイチ。定価は42,900円に値上がりして手が出しづらくなりました。
良い点
- 無駄のない最高峰のエネルギーリターン
- シューレースが生み出す絶妙なフィット感
悪い点
- ヒール周りのフィット感がイマイチ
- 定価4万円超の高価格帯
主な特徴とスペック
それでは「ハイペリオンエリート5」を詳しく見ていきましょう。
ミッドソールはDNA GOLD

ミッドソールには100%PEBA素材に窒素を高圧注入して生成された「DNA GOLD」を搭載。従来の「DNA FLASH v2」よりも11%軽くなり、エネルギーリターンが14%向上、柔軟性が25%向上しています。
カーボンプレート内蔵

ミッドソールの真ん中には高性能カーボンプレート「Speed Vault Race+」を搭載。推進力を最大化するために、サイズごとにカスタムチューニングされています。
ドロップは8mm

スタックハイトはヒールが40mm、フォアフットが32mm、ドロップが8mmとなっています。ワールドアスレチックス(世界陸連)の基準をギリギリ満たしており、承認シューズリストにも含まれていました。
アウトソール

フォアフットの全面とヒールの両サイドに薄くて凹凸のあるラバーを配置。前作に比べて設置面積が広くなり、安定感が向上しています。
フィット感を極めたアッパー

足に吸い付くようなTPU加工のメッシュアッパーに、シリコン製シューレース構造が雑妙なフィット感を生み出します。メッシュは網の目が荒く、通気性を高め、軽量化に貢献しています。
重量は195g

27cmサイズの公式値は195g。26cmの実測値は190gでした。軽量化が進む最近のレーシングシューズの中では重い部類に入ります。
前作4から進化したポイント
ハイペリオンエリートは2020年に初代モデルが登場。私は3代目の「ハイペリオンエリート3」と後継モデルの「ハイペリオンエリート4」を所有していますが、派生モデルの「ハイペリオンエリート4 PB」は購入を見送りました。基本スペックの比較は次のとおり。
ハイペリオンエリート5 | ハイペリオンエリート4 | ハイペリオンエリート3 | |
---|---|---|---|
発売日 | 2025年8月 | 2024年1月 | 2022年6月 |
ソール | DNA GOLD | DNA FLASH v2 | DNA FLASH |
カーボンプレート | Speed Vault Race+ | Speed Vault Race | 可変式カーボンプレート |
アッパー | メッシュ | メッシュ | メッシュ |
ドロップ | 8mm | 8mm | 8mm |
重さ(27cm) | 195g | 205g | 230g |
定価 | 42,900円 | 35,200円 | 29,700円 |
まず驚いたのは「ハイペリオンエリート4」から「ハイペリオンエリート5」で定価が7,700円(21%)も値上がりしていること。どこも価格高騰が当たり前とはいえ、4万超えのランニングシューズを買うのは人生で初めてでした。
その他「ハイペリオンエリート5」で進化していると感じたポイントは主に3点。
ミッドソールの素材

DNA FLASH v2からDNA GOLDにアップデートされ、エネルギーリターンがの向上を実感します。またソールが軽量化されたことで、新作5はボリュームが増えているのに重量が10g軽くなっています。
ミッドソールの構造

靴底を見ると、前作4は中足部に大きな窪みがあったのに対し、新作5はフラットな構造になっています。ソールが増したことで反発力も増強されました。
アウトソールの補強
前作4は簡易的なアウトソールだったのに対し、新作5はフォアフットの全面を覆うように補強されています。
サイズとフィット感
「ハイペリオンエリート5」はユニセックス仕様。前回同様、26.0cmを選びました。やや縦長な構造は変わらず、土踏まずの周りはピッチリ、つま先周りは余裕を感じます。
TPU加工されたメッシュ素材は程よい硬さと、しなやかなを両立しており、必要最低限のホールド感と絶妙なフィット感を生み出しています。
ファーストインプレッション
ここからは実際に「ハイペリオンエリート5」をランニングで履いてみて、気づいた点を忖度なしでコメントしていきます。
反発力が非常に強い

新ソールは反発力が強く、それもビヨーンッというバネの感じではなく、ボンッと靴底から突き上げるような反発力が実感できます。
安定感も非常に高い

接地面積が大きく設計されていることから、力強い反発力をしっかり受け止められる安定感があります。ブレも少なく、エネルギーロスを最小限に抑え、最大限のエネルギーリターンを享受できます。
シューレースのフィット感が絶妙

個人的に気に入ったのがシューレースの構造。シューレースを締めるとアッパーがググッと動いて足の形にピタリとフィットします。
ヒール周りのフィット感はイマイチ

一方でヒール周りのフィット感はイマイチでした。特にヒールカップは足とシューズの隙間がピッチリ埋まらず、やや浮いた感じがします。
評価まとめ
以上、Brooksの「ハイペリオンエリート5」をレビューしました。新しい「DNA GOLD」ミッドソールとチューニングされたカーボンプレートにより、無駄のない最高峰のエネルギーリターンが実感できます。シューレースが生み出す絶妙なフィット感も感動的。一方でヒール周りのフィット感はイマイチ。定価は42,900円と手が出しづらい価格設定です。
良い点
- 無駄のない最高峰のエネルギーリターン
- シューレースが生み出す絶妙なフィット感
悪い点
- ヒール周りのフィット感がイマイチ
- 定価4万円超の高価格帯
Brooksは、AsicsやAdidas、Nikeほどの知名度もないですから、本当に「ハイペリオンエリート5」の価値が分かる人しか買わないでしょうね。個人的には前作「ハイペリオンエリート4」からの進化を実感できるため、買って満足しています。ただし4万円台はやっぱり高すぎます…。
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