ASICS Magic Speed 5 レビュー【軽量化が裏目に出た悲劇】
2025年12月に発売された、ASICSのロードランニングシューズ「Magic Speed 5」をレビューします。結論から言うと、前作から軽量化しすぎて反発力と推進力が弱くなり、自分には合いませんでした。例えると、ダイエットで減量しすぎて身体を壊してしまった、的な悲劇ですね。。
当ブログは広告・アフィリエイトから収入を得ていますが、PR案件・商品提供はお断りしており、ランニングアイテムは全て自費で購入しています。
ASICS Magic Speed 5 メタスピード 5
- 私の個人的な評価
- 主な特徴と仕様
- サイズとフィット感
- 安定感が非常に高い
- レースシューズ並みに軽い
- 反発力と推進力は弱め
- Magic Speed 4と比較
- Metaspeed Edge Tokyoと比較
- シューズの耐久性と寿命
- 結論:軽量化が裏目に出た悲劇
私の個人的な評価
私はASICSのMagic Speed(マジックスピード)シリーズを2023年から愛用しています。最上位のMetaspeed(メタスピード)シリーズに迫る性能を持ちながら、価格は約半分。非常にコスパが高く、主にスピード練習で、そしてたまにレースで使ってきました。
2025年12月にシリーズ5代目となる「Magic Speed 5」が発売されると、私は迷わずに先行販売で注文しました。早速履いてみた感想としては、相変わらず素晴らしいシューズなんですが、前作の「Magic Speed 4」に比べると、反発力と推進力が低下したように感じます。
原因はミッドソールに採用された新素材「FF LEAP」にあると思います。大幅な軽量化に貢献した反面、足が前に押し出される感覚が弱くなった。これは「Metaspeed Edge Tokyo」を履いた時にも感じたので、どうも私は「FF LEAP」と相性が良くないようです。
良い点
- 走行安定性のが非常に高い
- ヒールカップのホールド感が素晴らしい
悪い点
- 反発力と推進力が物足りない
主な特徴と仕様
それでは早速「Magic Speed 5」を詳しく見ていきましょう!
ミッドソールはFF LEAP + FF BLAST PLUS
ミッドソールの上層部にMetaspeed Tokyoシリーズと同じ「FF LEAP」を採用。公式サイトでは「今までで最も軽く、反発性に優れたミッドソール素材」と謳っています。下層部にはクッション性能と反発性能に優れた「FF BLAST PLUS」を配置し、異なる素材を二層構造で仕上げています。
カーボンプレートを内蔵
側面からは見えませんが「FF LEAP」と「FF BLAST PLUS」に挟まれるようにフルレングスのカーボンプレートを内蔵しています。ハイエンドモデルでは定番ですが、「Magic Speed 5」はミッドレンジでありながらカーボン入りが体験でき、公式サイトによると「はじめてのカーボンプレート入りシューズにおすすめ」とのこと。
ドロップは7mm
カカトとつま先の高さは、それぞれ37.5mmと30.5mm。その高低差を表すドロップは7mmとなります。ちなみに前作「Magic Speed 4」はカカトの高さが42.5mmあり、World Atheltics(世界陸連)の公認シューズの要件を満たしていませんでしたが「Magic Speed 5」は基準の40mm以内に収めています。
アッパーはエンジニアードメッシュ
アッパーの部分は網目が荒く、強度の高いエンジニアードメッシュを採用しています。ヒールカップはカッチリしており見た目以上に強固な印象。アンクルパッドは必要最低限のクッションを配置し、軽量化に貢献しています。
アウトソールはASICSGRIP
靴底には前足部の全面とカカトの両サイドにラバー素材のASICSGRIPを配置し、グリップ性能を高めています。前足部の部分には「おろし金」のような凹凸をもたせて、蹴り出しの際に地面をしっかり捉えてくれます。中央の窪みから見える黒い部分がカーボンプレートです。
重量は196g(27cm)
27.0cmサイズの重量は公式値で196g。私が購入した26.0cmの実測値は189gでした。最上位の最速モデルじゃないのに200gを切るのはシンプルにすごい。
サイズとフィット感
私の場合、ランニングシューズのサイズは通常タイプなら26.0cm、幅広のワイドタイプなら25.5cmがジャストサイズになります。前作「Magic Speed 4」はワイドタイプの25.5cmを選びましたが、「Magic Speed 5」は先行販売時に通常タイプしか選べなかったので26.0cmを購入しました。
実際に足を入れてみると前足部はワイドタイプ並みにスペースにゆとりがあります。土踏まず周りは細めですが、ピタリとフィットして窮屈に感じません。
アッパーはかなりアグレッシブに軽量化を図っていますが、ヒールカップの剛性だけは犠牲にせず、ヒールをガッチリとホールドしてくれます。これは「Magic Speed 5」で高評価だったポイントのひとつ。
アンクルパッドは必要最低限のクッションしかありませんが、アキレス腱が擦れにくいよう、若干ですが縦に切れ込みが入っています。前作「Magic Speed 4」ではそこが不満ポイントだったので、これは個人的に大きな改善点です。
安定感が非常に高い
実際に「Magic Speed 5」を履いてランニングしてきました。5:00/kmのジョギングと3:55/kmのペース走。
まず、第一印象は走行安定性能が非常に高いこと。中足部から前足部にかけて接地面積が大きく広がっているのと、シューズのスタックハイト(高さ)が抑えられたことが大きいですね。それからミッドソール上層部の「FF LEAP」がサスペンションの役割を担い、横ブレを上手く吸収してくれるように感じます。
レースシューズ並みに軽い
「Magic Speed 5」で一番驚いたのは、重量が200gを切ること。私が購入した26.0cmで189gですからね。レースシューズ並みの軽さです。とはいえ、本当にそこまで軽くする意味はあったのか?と疑問に思います。
Magic Speedシリーズの主なターゲット層は、フルマラソンでサブ4を目指すランナー。サブ3ランナーが練習で履くことを考えても、220〜230gでも十分軽いのでは。私の場合、軽量化によって「Magic Speed 4」の良い点が削られてしまった気がして、尚更、軽ければいい訳じゃないんだけどな…と思ってしまいます。
反発力と推進力は弱め
冒頭でも書いたとおり、やはり反発力と推進力が物足りない。あくまでも個人的な感想ですが、ミッドソール上層部の「FF LEAP」が柔らかくて、接地の際のエネルギーを無駄に吸収してしまうように感じます。「反発力」をウリにしているのに、なぜ反発力を感じないのか不思議です。
前作「Magic Speed 4」は「北海道マラソン2024」で履きましたが、「Magic Speed 5」はレースでの出番は無さそうです。もう少し使ってみて、新たな気づきがあれば記事をアップデートします。
Magic Speed 4と比較
参考までに前作の「Magic Speed 4」との違いを簡単にまとめます。
| マジックスピード5 | マジックスピード4 | マジックスピード3 | |
|---|---|---|---|
| 発売 | 2025年12月 | 2024年8月 | 2023年9月 |
| 定価 | 19,800円 | 18,700円 | 16,500円 |
| ミッドソール | FF LEAP、FF BLAST PLUS | FF Turbo、FF BLAST PLUS | FF BLAST PLUS |
| アッパー | エンジニアードメッシュアッパー | エンジニアードメッシュアッパー | モーションラップアッパー |
| アウターソール | ASICSGRIP | ASICSGRIP | ASICSGRIP |
| オフセット | 7mm(30.5mm/37.5mm) | 8mm(35.5mm/43.5mm) | 7mm |
| 重量(27.0cm) | 196g | 245g | 235g |
スペックだけ見ると、重量が245gから196gに20%も軽量化しているのが目立ちますね。果たしてこれは意味のある軽量化だったのか?ダイエットで減量しすぎて身体を壊してしまったパターンなのでは?と思ってしまうのは私だけでしょうか。
並べて比較してみましょう。写真左が「Magic Speed 5」、右が「Magic Speed 4」です。パッと見でも「Magic Speed 5」はソールのボリューム感が減り、アッパーのメッシュが軽量化したのが分かります。
シューレース(紐)も変わっています。「Magic Speed 5」は、Metaspeedシリーズと同じギザギザのタイプ。海釣りをしている人にとっては、アオイソメにしか見えません。それからアキレス腱が干渉しないよう「Magic Speed 5」は先端に僅かな切れ込みが入っています。
靴底は「Magic Speed 4」がカカトから中足部のグリップを充実させているのに対し「Magic Speed 5」は前足部に重点を置いています。前足部の「おろし金」のような凹凸も「Magics Speed 5」ならではの特徴。「Magic Speed 5」はフォアフット寄りの走りを想定しているのかもしれません。
Metaspeed Edge Tokyoと比較
ついでに「Magic Speed 5」の兄貴分にあたるMetaspeed Tokyoシリーズとも比較してみましょう。
| Magics Speed 5 | Metaspeed Edge Tokyo | Metaspeed Sky Tokyo | Metaspeed Ray | |
|---|---|---|---|---|
| 発売 | 2025年12月 | 2025年7月 | 2025年7月 | 2025年7月 |
| ミッドソール | FF Leap、FF BLAST PLUS | FF Leap、FF TURBO PLUS | FF TURBO PLUS、FF Leap | FF Leap |
| アッパー | エンジニアードメッシュアッパー | MOTIONWRAP 3.0 | MOTIONWRAP 3.0 | MATRYX |
| アウトソール | ASICSGRIP | ASICSGRIP | ASICSGRIP | ASICSGRIP |
| ドロップ | 7mm | 5mm | 5mm | ? |
| 重量(27cm) | 196g | 170g | 170g | 129g |
| 定価 | 19,800円 | 29,700円 | 29,700円 | 33,000円 |
価格を見ると「Magic Speed 5」は「Metaspeed Edge/Sky Tokyo」の約2/3ですが、Magic Speedシリーズは販売価格の下落が激しく、12,000円台ぐらいまで落ちます。一方でMetaspeedシリーズは希少価値が高いため定価を維持する傾向にあります。なので実質的にMagic SpeedシリーズはMetaspeedシリーズの半分以下の価格で買えるので、コスパが非常に高いんです。
並べて比較してみましょう。写真左が「Magic Speed 5」、右が「Metaspeed Edge Tokyo」です。両者に共通しているのは「FF Leap」をミッドソール上層部に配置していること。
アッパーの作りも似ていますが「Metaspeed Edge Tokyo」の方が、アンクルパッド周りを徹底的に削って軽量化を図っているのが分かります。
靴底は同じASICSGRIPを採用しているものの、構造的に大きく異なります。「Magic Speed 5」は中央の窪みが大きいものの、全体的に幅広で接地面積が広い設計になっています。
シューズの耐久性と寿命
こちらは後日、アップデートします!
結論:軽量化が裏目に出た悲劇
以上、ASICSの「Magic Speed 5」をレビューしました。私の個人的な評価は次のとおりです。
良い点
- 走行安定性のが非常に高い
- ヒールカップのホールド感が素晴らしい
悪い点
- 反発力と推進力が物足りない
私は「Magic Speed 3」からMagic Speedシリーズを愛用しているので、どうしても前作を意識してしまいます。「Magic Speed 5」は「FF LEAP」を導入して20%も軽くなりましたが、反発力と推進力が損なわれてしまって残念、というのが正直な感想です。「Magic Speed 4」が素晴らしいシューズだっただけに、これは私にとって悲劇。
余談ですが、似たようなケースが、NIKEの「Vaporfly 4」でもありました。こちらも前作「Vaporfly 3」から軽量化しましたが、アッパーのフィット感が犠牲になり、個人的にはレースシューズとして使い物になりませんでした。ランニングシューズのモデルチェンジって難しいですね。
「Magic Speed 5」と同レベル・同価格帯のランニングシューズをお探しなら、安くなった前作「Magic Speed 4」が狙い目。他に私が所有するシューズだと、ADIDASの「Boston 13」がおすすめです。
この記事に関するYouTube動画もお見逃しなく。
購入ガイド
本記事で紹介したアイテムは以下の通販サイトより購入できます。
ASICS Magic Speed 5 メタスピード 5
Asic マジックスピード4
Adidas Adizero Boston 13
Asics Metaspeed Edge Tokyo
Nike ナイキ ヴェイパーフライ 4
ナイキ公式オンラインストアなら、30日間の返品・返送料が無料。世界に1足だけのカスタマイズモデル「By You」も選べます。