【ウエーブリベリオンプロ 2】レビュー:履く人を選ぶスピードシューズ
Mizunoの初代「ウエーブリベリオンプロ」はカカトがごっそり削られたフォルムが奇抜すぎて購入を見送りましたが、2代目「ウエーブリベリオンプロ 2」は怖いもの見たさでポチりました。本当にこれで走れるの?と思いきや、意外と安定感が高く、最速級ランニングシューズとして何とか使えこなせそう。ただし履く人を選ぶと思います。
当ブログでは広告を利用していますが、紹介するランニングアイテムはすべて自費で購入し、忖度なしでレビューしています。
目次と内容
主な特徴
Mizunoの「ウエーブリベリオンプロ 2」は、フルマラソンサブ2.5を目指すエリートランナー向けのランニングシューズ。主なスペックは次のとおりです。
- ソール
- ミズノエナジーライトプラス、ミズノエナジーライト、カーボン強化ナイロンプレート
- アッパー
- エンジニアードメッシュ
- 重さ
- 215g / 27.0cm
- 定価
- 25,300円
- 発売
- 2023年12月22日
ミッドソール
まず目を引くのがカカトの部分。まるでえぐり取られたように底が欠損しています。ゆりかごのようロッカー構造ではなく、カカトで着地させない強い意志を感じるフォルムです。
外からは分かりづらいですが、ミッドソールは3部構成になっており、上部レイヤーにクッション性に優れた「ミズノエナジーライトプラス」、下部レイヤーに反発性に優れた「ミズノエナジーライト」を採用。そしてその間に「カーボン強化ナイロンプレート」を挟んでいます。写真の黒い部分ですね。
アウトソール
靴底には、軽量でグリップ性能に優れた「G3ソール」を接地部分に配置しています。ミッドソールの下部レイヤーは中心をくり抜いた状態になっており、間から「カーボン強化ナイロンプレート」が丸見えです。
アッパー
薄くて軽く、でも丈夫で通気性に優れた「エンジニアードメッシュ」を採用しています。足を固定する役割を担うアンクルパッドはアキレス腱の両側のみに配置。軽量化へ徹底したこだわりを見てとれます。
重さ
「ウエーブリベリオンプロ 2」の重さは公式値で215g(27.0cm)。今回購入した26.0cmの実測値は188gでした。分厚いソールからは想像できないほどの軽量性を実現しています。
サイズ感
「ウエーブリベリオンプロ 2」は男女共通のユニセックス仕様。サイズ展開は23.0~29.0cmのレンジで0.5cmずつ、そして30.0cmと31.0cmが選べます。ワイドタイプは無し。
自分は通常、ランニングシューズ選びでワイドタイプなら25.5cm、ノーマルタイプなら26.0cmがジャストサイズになることが多いですが、今回は26.0cmでちょうど良いサイズ感でした。
エンジニアードメッシュのアッパーがとても薄くて、圧迫感がほとんどないんですよね。横幅も窮屈すぎず、足指周りもスペースに余裕を感じます。全体的に、ふんわり包み込まれるような感覚、とでも言うのでしょうか。
ファーストインプレッション
正直、走り始めるのは怖かったですね…。だってカカトの底がえぐれているわけですから、転倒したらどうしよう、と不安でした。しかもMizunoのロードランニングの最速級モデルで、想定ペースは3:00〜4:00/km。そんな高速ペースで足をひねったり、転倒したりしたら、大惨事になることは容易に想像できます。
そんなわけで、まずは5:00/km前後のペースでジョギングから入りました。最初に感じたのは、ミッドフット後方からグイグイと来る強力な反発力。以下の写真だと、ちょうどミッドフットの最後部、カカトの底が無くなり始めるポイントです。良い意味では爆発的な反発力を感じられますが、悪い意味では過剰な圧力がピンポイントでかかります。
その後、3kmのビルドアップ走へ突入。公式サイトによると「ウエーブリベリオンプロ 2」の推奨ペースは3:00〜4:00/kmらしいので、1km毎に4:00/km、3:40/km、3:20/kmとペースアップしていきました。
4:00/kmより速いペースだと、ジョギング中に気になっていた過剰な圧力は緩和されます。ただし、シューズの中心部分が空洞になっている構造上、どうしてもミッドフット後方の両側にエネルギーが集中しがち。この状態でフルマラソンを走るのはちょっと勇気がいります。
意外と安定感がある
最も恐れていた安定感は、意外と悪くない、いやむしろ良いかもという印象。カカトの底が欠損しているのは、最初は慣れません。何だか頼りない感じ。まあでもミッドフット・フォアフットで着地すればカカトの底は不要なので、ペースアップすればするほど安定感が増していくイメージですね。
アッパーのグリップが秀逸
アッパーは良い意味でペラッペラですね。でも、内側に滑り止め加工が施されており、ランニングソックスにピタッと密着します。素晴らしいグリップ性能です。アキレス腱の両側に配置されたアンクルパッドも絶妙なポジションにあり、ホールド感も抜群。必要最小限の素材だけを使い、足とシューズを一体化させます。
履く人を選ぶシューズ
見た目とは裏腹に、レース用ランニングシューズとして結構イケてるのでは?と思いますが、履く人を選ぶシューズだとは思います。まず公式サイトにもあるとおり、推奨ペースは3:00〜4:00/kmなので、そのレンジよりも遅いペースだと「ウエーブリベリオンプロ 2」のライド感は生かし切れないと思います。
また安定感はありつつも、接地部分の中央が空洞になっているため、クッション性能の物足りなさみたいなものは感じます。例えば、Asicsの「メタスピード+」シリーズやNikeの「Vaporfly 3」は最速級マラソンシューズの人気モデルですが、クッション性と反発性のバランスや幅広いペースレンジでの汎用性という観点では「ウエーブリベリオンプロ 2」よりも断然優れていると感じます。
後方にカックン…に要注意
「ウエーブリベリオンプロ 2」はカカトの底がありません。フォアフットかミッドフットでの着地を想定しているのでランニング中は使いませんが、直立時や歩行時のふとした瞬間にカカトに向かってカクンとやってしまうと…危ないですね。実際に何度かカックンしてしまいました。
ウエーブリベリオンのシリーズ比較
ちなみにウエーブリベリオン(Wave Rebellion)シリーズは、サブ2.5向けの「プロ」、サブ3〜4向けの「フラッシュ」、サブ4〜5向けの「ソニック」があります。2023年12月には第2世代の「プロ 2」、2024年1月には「フラッシュ 2」と「ソニック 2」が発売となります。それぞれの特徴は次のとおり。
ウエーブリベリオン プロ2 | ウエーブリベリオン プロ(初代) | ウエーブリベリオン フラッシュ2 | ウエーブリベリオン ソニック2 | |
---|---|---|---|---|
対象ランナー(目安) | サブ2.5 | サブ2.5 | サブ3〜4 | サブ4〜5 |
ミッドソール素材 | ミズノエナジーライトプラスとミズノエナジーライトの二層構造、 | ミズノエナジーライトプラスとミズノエナジーライトの二層構造、 | ミズノエナジーライトとミズノエナジーの二層構造 | ミズノエナジー |
プレート | カーボン強化ナイロンプレート | カーボン強化ナイロンプレート | グラスファイバー強化ナイロンプレート | TPUプレート |
ソールの厚み(最大値) | 38.0mm | 39.0mm | 35.0mm | 32.0mm |
アウターソール | G3ソール | G3ソール | G3ソール | X10ラバー |
価格 | 25,300円 | 24,200円 | 18,700円 | 14,300円 |
重さ(メンズ27cm) | 215g | 215g | 235g | 240g |
ワイドタイプ(3E) | なし | なし | あり | あり |
「プロ 2」と「プロ」の基本設計は変わらず、新作ではソールの厚みが1mm小さくなり、定価が1,100円アップしていますが、誤差の範囲と言って良いでしょう。なお、公式サイトでは以下の違いを挙げています。
- 底面のスムーズスピードアシストは角度をよりエリートランナー向けの角度に調整し、前モデルと比較して高速での走行時に効果を発揮しやすいスピードチューン仕様になっています。
- 前モデルではセパレート構造だった中足部内甲側を繋ぎ合わせ、接地面積を広げることで走行中の安定感をよりサポートします。
初代モデルは「プロ」は見送り「フラッシュ」を購入しました。安定感と汎用性の高さでは「プロ」よりも「フラッシュ」の方が優れていると感じます。実は今回も「フラッシュ 2」をすでに予約注文しています。発売の2024年1月に届き次第「フラッシュ 2」もレビューします!
評価まとめ
「ウエーブリベリオンプロ 2」を購入してそこそこ満足しています。
とても失礼な言い方ですが、そもそも購入する前からそんなに期待していませんでした。あの奇抜なフォルムで本当に走れるの?という疑念から始まり、怖いもの見たさでポチったわけですから。
でも意外と良かった。特に反発力は申し分ないですね。5km〜10kmのレースで使いたいと思います。一方でハーフ・フルマラソンを走るなら、個人的にはクッションがやや頼りないかなと感じます。
とはいえ、他者が作らないようなシューズに挑戦するMizunoの反骨精神みたいな姿勢は高く評価したいですね。まさに「反乱」や「反抗」を意味するリベリオン(rebellion)の名にふさわしいですね。
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