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【ウエーブリベリオンプロLOWレビュー】中途半端。カスタマイズモデルの限界
2024年11月に発売されたMizunoの新作シューズ「ウエーブリベリオンプロLOW」をレビューします。結論を言ってしまうと「プロ3」のカスタマイズモデルなので、ポジショニングも作りも中途半端に感じます。「プロ」が合わないから「プロLOW」を買う、という自分の考えが間違っていました。
Mizunoの最高峰シューズ
ウエーブリベリオンプロ(Wave Rebellion Pro)は、Mizunoのランニングシューズの最高峰・最速級モデルです。2023年1月に初代「プロ」が登場し、2023年12月に2代目「プロ2」が発売。そして2024年11月には3代目となる「プロ3」が発売されました。
いずれもカーボン繊維強化ナイロンプレートを内蔵し、サブ3(フルマラソン3時間切り)より速いタイムを狙うシリアスランナーをターゲットにしています。初代からカカトの部分が大きく切り取られたようなフォルムが特徴で、バランスを崩すろ後ろにカックンと転んでしまいそうになるほど不安定。
ウエーブリベリオンプロ2を履いて電車に乗っているのですが、手すりなしでは立っていられません。靴底が不安定すぎて…笑。今日はこれで「新宿シティハーフマラソン」の10kmの部を走ります pic.twitter.com/jMMPzqWz6W
— tomo. @ともらん (@tomorunblog) January 28, 2024
実際には前足部で着地する「フォアフット走法」を前提にしているため、ランニングで使用するにはそこまで不都合はありません。
ただ、やはりこの特殊なカカトは自分自身も含めて大多数のランナーに支持されていないのか、2024年6月にカカトがフラットな「ウエーブリベリオンプロ ナチュラル」を投入。そして2024年11月に「ウエーブリベリオンプロLOW」を「プロ3」と同じタイミングで発売しています。
自分は「ウエーブリベリオンプロ2」を所有しており、10kmぐらいまでならハイペースで走れる良いレースシューズだと思うのですが、やはりカカトのない不自然なフォルムが馴染めず、使用頻度は限られています。そこで今回は「プロ3」の購入を見送り「プロLOW」の方を購入しました。
ウエーブリベリオンプロLOWの特徴
Mizunoの「ウエーブリベリオンプロLOW(Wave Rebellion Pro Low)」は、新高反発素材「MIZUNO ENERZY XP」を搭載したレースシューズです。主な特徴は次のとおり。
- ミッドソールは「MIZUNO ENERZY XP」を搭載
- カーボン強化ナイロンプレートを内蔵
- ドロップは5mm(35.5mm-40.0mm)
- 重さは215g(メンズ27cm)
- 定価は29,700円
- 発売は2024年11月
今回もMizunoの公式サイトで注文しました。新製品ですが、株主優待の割引を使って2割引の23,760円で購入できました。公式サイトの購入特典として、オリジナルバッグが付いてきました。
ミッドソールには、柔らかさ、反発性、軽量性を高いレベルで融合した新素材「MIZUNO ENERZY XP」を初めて搭載しています。内側にはカーボン強化ナイロンプレート「MIZUNO WAVE」を内蔵。
アウトソールはグリップ力が高い軽量アウトソールを採用。「プロ2」より接地面積が4割近く広くなり、真ん中の窪みが小さく収まっています。ちなみに窪みの中には「MIZUNO WAVE」が見えます。
アッパーは軽量性と通気性を重視したメッシュ構造。生地が透けて見えるほど薄く、足首周りも必要最低限のパッドしかありません。シュータンはやや厚みのあるスポンジライクの素材で、シューレースは結構しっかりしています。
重さはメンズ26.0cmが実測値で192gでした。
ソールの高さは40.0mmあり、ロードレースとクロスカントリーではワールドアスレチックス(世界陸連)の承認シューズの規格をギリギリ満たしています。「プロ3」「プロLOW」共に「Approved Shoes」に載っていました。
プロとの違いを比較
やはり気になるのは、同時に発売された「ウエーブリベリオンプロ2」との違い。簡単にスペックをまとめました。
ウエーブリベリオンプロLOW | ウエーブリベリオンプロ2 | |
---|---|---|
ミッドソール | 新高反発素材 MIZUNO ENERZY XP | |
内蔵プレート | カーボン強化ナイロンプレート | |
ソールの厚み | 35.5-40.0mm | 35.5-39.5mm |
重さ | 約215g | 約225g |
使用している素材は基本的に同じですが、接地の仕方が大きく異なります。「プロLOW」は傾斜を抑えたソール構造が反発性を維持しつつフラットな接地を促し、「プロ3」は傾斜のあるソール構造が前方向への反発力を最大化させるように設計されています。
サイズとフィット感
「プロLOW」も「プロ3」も男女共通のユニセックし仕様です。2024年11月時点では幅広のワイドタイプなどバリエーションはありません。
足幅はやや狭い印象
自分はランニングシューズ選びでは、通常モデルなら26.0cm、幅広のワイドモデルなら25.5cmがジャストサイズになります。「ウエーブリベリオンプロLOW」は26.0cmでちょうど良いサイズ感でしたが、足幅がやや狭く感じました。特につま先周りは窮屈とまで言いませんが、スペースに余裕がない感じがします。
フィット感はイマイチ
アッパーの高さがそこまでなく、またアンクルパッドが脆弱なので、フィット感はイマイチな印象。足とシューズが一体化しているように感じられませんでした。
ファーストインプレッション
実際に「ウエーブリベリオンプロLOW」をランニングで履いてみました。ジョギングから始まり、3:50/kmペースで3.5kmペース走を2本走りました。
バネのように弾む
まず「ウエーブリベリオンプロLOW」はとてつもなく反発力が高く、走行中はシューズがバネのように弾みます。個人的にはちょっと強すぎるかも。バネの力を推進力に換えるには走りに方にコツが必要です。自分も含めて、ハンドリングが難しそうな印象を受けました。
足首周りが頼りない
足首周りのサポートは、強力な反発力を支えるには頼りない印象を受けます。そもそもアッパーの高さがなく、アンクルパッドも最小のボリューム。バランスが合っていない気がします。
安定感が高くなった
「プロ2」との比較になってしまいますが、接地面積が大きくなったことで走行時の安定性能が格段に向上しました。カカトの切り取りがないだけでなく、真ん中部分の窪みが縮小された事が安定感に寄与しています。
地面を鷲掴みするグリップ
個人的にはアウトソールのグリップが好みです。小さな菱形の突起がいい感じに地面を捉えてくれます。下の層はベタ張りではなく、ちゃんと軽量化も意識している点も高評価です。
やっぱりカカトは必要
「プロ2」から「プロLOW」を履いて感じるのは「やっぱりカカトは必要だよね」ということ。論理的に考えるとフォアフットで走ればカカトがなくても問題ないはず。でも実際に履いた感覚としては、それで得るもの(軽さ等)よりも失うもの(安定性等)の方が大きく感じます。
Mizunoの挑戦精神は高く評価しますが、結局のところフラットなカカトの「プロナチュラル」や「プロLOW」を発売しているということは、カカトがないフォルムに限界を感じているからではないでしょうか。
それでもシリーズ3代目になってもカカトがないフォルムを諦めていないのは、これを支持するファンが一定数存在するからなのか、あるいは開発者の意地なのか、実際のところどうなんでしょう。
Mizunoの「ウエーブリベリオンプロ LOW」を履いて最初に感じたこと…「やっぱりカカトは必要だよね」 pic.twitter.com/fqMZHu7bnR
— tomo. @ともらん (@tomorunblog) December 3, 2024
評価まとめ
非難を恐れずに言えば、Mizunoの「ウエーブリベリオンプロLOW」は中途半端なシューズだと感じます。原型として「プロ3」があり、それをカスタマイズしている時点でポジショニングが微妙。
自分はMizunoのランニングシューズが好きですし、最高峰モデルということで迷わず購入しましたが、冷静に考えるとMizunoが考える最高峰のシューズは(合う合わないは別にして)「プロ3」なんです。でも自分みたいに苦手な人が多いから、フラットなカスタマイズモデルの「プロLOW」も用意した。
つまり厳密には「ウエーブリベリオンプロLOW」はMizunoが考える最高峰のシューズではないんです。だったら他社メーカーの「最高峰シューズ」を買えば良かった、と今さらながら気づきました。
これを自動車に例えるなら、5人乗りのモデルを拡張して7人モデルにカスタマイズしたような感じ。ベースとなるモデルに比べると重心のバランスとか燃費の効率性は劣りますよね。
良い点
- 接地面積が広くて安定感はGOOD
- アウトソールのグリップが秀逸
気になる点
- アッパーのフィット感がイマイチ
- 反発力が強く、全体的にそれを支えられる設計になっていない
もう少し履いてみますが、買うならMizunoが最適解と考える「プロ3」、それが合わなければ「プロLOW」を選ぶのではなく「買わない」という選択肢が賢明な気がします。
最後まで読んでいただき有難うございました。この記事を共有していただけると嬉しいです。
購入ガイド
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