【Garminフォアランナー265】レビュー:有機ELが最高、でも電池の減りが早い
今回紹介するのは「フォアランナー265」というGarminのランニングウォッチ。ミドルレンジモデルでありながらも、タッチ操作に対応した1.3インチの有機ELディスプレイを搭載しています。電池の減りは早くなりましたが、炎天下や暗闇での視認性が劇的に向上しました。
当ブログでは広告を利用していますが、紹介するランニングアイテムはすべて自費で購入し、忖度なしでレビューしています。
目次と内容
主な特徴
Garminの「フォアランナー265(Forerunner 265)」は1.3インチの有機ELディスプレイを搭載したミッドレンジモデルのランニングウォッチです。主な特徴は次のとおり。
- 1.3インチの有機ELディスプレイを搭載
- タッチ操作とボタン操作が可能
- マルチバンドGNSSに対応
- 画面サイズは直径32.5mm
- 重さは47g
- 定価は税込62,800円
GarminはGPSナビゲーションの世界最大手であり、GSP機能付き時計の先駆者でもあります。中でもフォアランナー(Forerunner)シリーズは、ランニングウォッチのベンチマークとして世界中のランナーに愛されています。
2023年3月にはハイエンドモデルの「フォアランナー965」とミドルレンジの「フォアランナー265」が同時に発売されました。
「フォアランナー265」のパッケージの中身はこちら。本体、充電ケーブル、シール、取扱説明書。
充電ケーブルは給電口がType-Cに変わっています。本体に接続する端子は変更なし。従来の充電ケーブルも使えます。
こちらが本体の正面。画面サイズの直径は32.5mmあります。
本体の裏側。血中酸素トラッキング用のセンサーを配置しています。充電口は金属部分がむき出しの状態なので、防塵プラグの使用を強くおすすめします。
本体の右側面。決定ボタンが「Run」と書いてあります。
本体の左側面。物理ボタンを3つ配置しています。
基本仕様
前作となる「フォアランナー955」と「フォアランナー255」は2022年6月に発売されたばかり。つまり、1年を待たずに後継機種が発売されたことになります。基本仕様は次のとおりです。
Forerunner 965 | Forerunner 265 | Forerunner 255 | ForeAthlete 245 | |
---|---|---|---|---|
発売 | 2023年3月 | 2023年3月 | 2022年6月 | 2019年5月 |
価格 | 84,800円 | 62,800円 | 52,800円 | 34,800円 |
画面サイズ | 35.4mm | 32.5mm | 33.0mm | 30.4mm |
重さ | 53g | 47g | 49g | 38g |
地図 | ● | – | – | – |
リアルタイムスタミナ | ● | – | – | – |
有機ELディスプレイ | ● | ● | – | – |
タッチ操作 | ● | ● | – | – |
マルチバンドGNSS | ● | ● | ● | – |
Suica決済 | ● | ● | ● | – |
GPS稼働時間 | 31時間 | 20時間 | 30時間 | 22時間 |
有機ELディスプレイ搭載モデルは「フォアランナー965」と「フォアランナー265」のみ。「フォアランナー955」すら非対応です。
「フォアランナー965」にあって「フォアランナー265」にない主な機能は、地図ナビゲーションとリアルタイムスタミナ。「フォアランナー265」にあって「フォアランナー255」にない主な機能は、有機ELとタッチ操作。
一方で電力使用量の多い有機ELを採用したことで、GPS稼働時間は「フォアランナー255」の30時間から「フォアランナー265」の20時間に3割以上も減少しています。
計測機能はハイエンドモデル並み
「フォアランナー265」はミドルレンジモデルとはいえ、ランニング計測に関しては従来のハイエンドモデル並みの機能を持っています。
マルチバンドGNSS
ランニング時の位置情報を正しく計測するために「Forerunner 265」はGPS、GLONASS、Galileo、みちびき(補完信号)のマルチバンドGNSSに対応しています。記録した位置データを確認してみると、陸橋や交差点で急な方向転換を強いられる場所でも驚くほど正確に位置を記録しているのが分かります。GPSの捕捉は、時計を起動してから3〜5秒程度で完了します。
ランニングダイナミクス
「フォアランナー255」では以下のランニングダイナミクスの計測が可能でしたが、
- 平均ピッチ
- 最高ピッチ
- 平均ストライド
これらに加えて「フォアランナー265」では上下動と接地時間も計測できるようになりました。
- 平均上下動比
- 平均上下動
- 平均接地時間
有機ELで視認性が劇的に向上
「フォアランナー265」の最大の特徴はミドルレンジモデルながらも最新鋭の有機ELディスプレイを搭載していること。正式名称はAMOLED(Active Matrics Organic Light Emitting Diode)、日本語だとアクティブマトリクス式有機ELと呼ばれています。省電力なのに発光が鮮やか。見惚れてしまうほど美しいディスプレイです。
電源を入れると、有機ELならではの滑らかなオープニングアニメーションが表示されます。ランニングウォッチの性能にまったく関係ありませんが、見惚れるほどカッコいいです。
ディスプレイのサイズは1.3インチなのでそこまで大きくありませんが、有機ELによって視認性が高まり、4分割しても必要な情報を読み取れます。
炎天下など明るすぎる場所ではディスプレイが反射してしまい見づらくなる経験がありますが、有機ELなら視認性が損なわれずディスプレイがクッキリ見えます。
有機ELは暗い場所での視認性も抜群。自分は夜間に走ることが多いので、有機ELの有り難みを実感します。
タッチ操作は使いづらい
「フォアランナー265」はボタン操作に加えて、ディスプレイのタッチ操作にも対応しています。基本的には上下スクロールとタップのみですが、物理ボタンでひとつずつスクロールするよりも楽に感じますね。動作もモッサリした感じはなく、思ったよりスムーズでした。
#Garmin Forerunner 265はタッチ操作対応の有機ELディスプレイを搭載。ランニングウォッチには無駄な機能だけど、見惚れるほどカッコいい。今回は「右脳」主導で買ってしまいました
— マラソンブロガー tomo (@tomorunblog) March 3, 2023
自費レビューはこちら→https://t.co/FULpvYRcZF pic.twitter.com/KYmvtUGwkM
ただし四角いApple Watchとは違い、円形のディスプレイだと上下スクロールに適しているのは真ん中の部分だけ。つまり文字を読みながらのスクロールはできません。「フォアランナー265」はコンパクトサイズも選べますが、画面サイズが32.5mmから28.1mmに縮小されるので、タッチパネルの操作性が悪くなります。サイズ選びの際は、その点も念頭においた方が良いですね。
有機ELを使うと電池の減りが早い
有機ELはディスプレイが美しい反面、電池の減りが早くなります。スペック上でも、GPS稼働時間は「フォアランナー255」の30時間から「フォアランナー265」の20時間に3割以上減少しています。
自分はGarminのランニングウォッチを1日中着用し、週に8〜10時間のランニングで使用しています。「フォアランナー255」だと余裕で1週間持ちましたが、「フォアランナー265」だと1週間持つか持たないかという微妙なラインですね。
軽さは正義
以前は「フォアランナー」の6XXシリーズや「フェニックス」などのハイエンドモデルを愛用していましたが、一時期Coros(カロス)の「ペース2」を使い、ランニングウォッチでも軽さは正義なんだなと実感しました。以来、Garminは機能性と軽量性のバランスが取れたミッドレンジの2XXシリーズを選んでします。
上の写真は上が「フォアランナー265」で下が「フォアランナー255」のコンパクトモデルです。今回「フォアランナー265」はタッチ操作対応ということで、スクロールしやすいように通常サイズを選びました。
Apple Watchとも比較してみましょう。上の写真は左が「Apple Watch Ultra」、右が「フォアランナー265」です。大きさだけで比較するとそんなに大差ありませんが「Apple Watch Ultra」の61gに対して「フォアランナー265」は47g。実際に腕に装着すると、この14gの差は大きく感じます。
総合評価:非常に満足
Garminの「フォアランナー265」を購入して非常に満足しています。有機ELは炎天下でも暗闇でもディスプレイの視認性が向上し、ランニング中でも必要な情報が瞬時に読み取れます。電池の減りが早くなったのは玉に瑕ですが、それを上回る利便性を実感します。
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