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淡路島1周150km:アワイチを逆走!

淡路島1周150km:アワイチを逆走!

兵庫県の淡路島の外周、通称「アワイチ」を5日間かけて旅ランしてきたので紹介します。

荷物をリュックに背負い、食料は現地で調達し、毎晩宿泊先で洗濯して、150kmを完走しました。

当ブログでは広告を利用していますが、紹介するランニングアイテムはすべて自費で購入し、忖度なしでレビューしています。

更新日: 公開日:

目次と内容

アワイチを逆走!

淡路島の外周を1周することを「アワイチ」と呼びます。詳しくは兵庫県の公式サイトが参考になります。

走行距離は約150km。もともとサイクリング用に整備されたコースで、北は明石海峡、東は洲本、南は風光明媚な海岸線、西は鳴門海峡など、淡路島の主要観光スポットを巡るコースです。

以前、サイクリストの聖地として知られる「瀬戸内しまなみ海道」を走ったことがあり、同じように「アワイチ」を走って旅してみたいと思った。

ちなみに「アワイチ」は時計まわりするのが正統派らしいです。そんなことも知らずに「tomo」は5日間かけて「アワイチ」をランニングで逆走してきました。

4泊5日の走行プラン

2022年の夏休みは、家族で淡路島を観光する計画を立てていました。

東京からフェリーで自動車と共に徳島に渡り、大鳴門橋を渡って淡路島へ。その後、明石海峡大橋を渡って近畿地方をのんびりドライブして、東名高速経由で地元埼玉へ戻る。そんなプランです。

予想外だったのは、希望した日程ではフェリーの空席がなかったこと。ただし、その5日前であれば空きがありました。

「それなら自分だけ先に現地入りしてアワイチを走るか」

幸いなことに妻から許可をもらい、夏休みも長めに取ることができました。

アワイチの条件

旅ランの日程を組む上で、いくつか動かせない条件があります。

  • 期間は8月7日〜11日の5日間
  • 初日はフェリーが13時半に徳島港に到着するため、走り始められるのは15時以降
  • 最終日は12時までに完走し、14時に徳島空港で家族をピックアップ

加えて、以下の点を考慮する必要があります。

  • 4カ所の中継地点で宿が予約できること
  • 熱中症予防のため、1日に走る最大距離は35km
  • コースの難所(島の南側)は初日と最終日に当てる

アワイチ逆走プラン

Googleマップと宿泊予約サイトを使いながら何度もシミュレーションした結果、次のプランに決まりました。

ルート距離宿泊先
1日目灘〜洲本30km淡路プリンスホテル
2日目洲本〜明石海峡35kmグランドニッコー淡路
3日目明石海峡〜五色町都志34kmtourist trophy house
4日目五色町都志〜福良31km休暇村南淡路
5日目福良〜灘18km

計画を立て始めたのが遅かったため、お盆休みに空きのある宿を探すのに苦労した。「グランドニッコー淡路」と「休暇村南淡路」は予算を大幅に越えていましたが、他に選択肢がないためやむを得ず。

1日目:灘〜洲本

8月6日の夕方に東京・有明を出発。翌8月7日の昼過ぎに徳島港に入港しました。その後、大鳴門橋を渡って淡路島に入り、島南部の「灘ターミナルセンター」を目指します。

灘ターミナルセンターには、市営の駐車場があります。日中は隣の建物に管理人がいて、監視カメラも付いているので長期間駐車しても安心です。料金は1日500円と良心的。

今回はこの場所を拠点に淡路島を1周します。初日は灘から島の南東部をまわり洲本まで走ります。

海と崖

持ち物を点検し、リュックを背負って灘ターミナルセンターを出発。時計は15時を過ぎたばかり。

淡路島の南海岸の道路は「南淡路水仙ライン」と呼ばれています。東に向かって走ると右手には海、左には崖しか見えません。しばらく単調な景色が続きます。

走り始めて7kmあたりで、南あわじ市から洲本市に入ります。

天気は曇り気味ですがが、時折強烈な日差しが照りつけます。気温は32℃。日本一暑いと言われる埼玉県の気候に慣れているため許容範囲です。

しかし無理は禁物。今回の旅では熱中症予防のため、5km毎に小休憩、10km毎に30分休憩を強制的に取ることにしました。「まだ大丈夫」という油断や過信が一番危険ですからね。

野ザルを見物しながら休憩

走り始めて9kmあたりで「淡路島モンキーセンター」の看板が目に留まりました。30分休憩に良いタイミングだったので、立ち寄ることにしました。

入園料1,000円には驚きましたが「一生に一度の体験」だと自分に言い聞かせると財布の紐が緩みます。

実際に1,000円の価値があるとは思えませんでしたが、100匹以上の野ザルが一堂に集まっている様子は圧巻でした。よほど人間慣れてしているのでしょう。近づいても全く警戒心がない様子でした。

それから近くのベンチに座り、小猿がケンカする様子に目をやったり、遠くの海を見たりしながらボーッと過ごしました。

ドリンクが底をつく!?

ランニングを再開する前にシャツを着替えました。リュックサックには替えのTシャツの予備が1枚あります。1枚は着替えるため、もう1枚は宿泊先の宿で着用するため。

1時間走っただけなのに、脱いだシャツを絞ると汗がジュワッと滲み出てきます。この調子だと、水分・塩分補給をハイペースでやらないと脱水症状になってしまいます。

モンキーセンターを後にして間もなく、上り坂に差し掛かります。後で調べてみたら、2kmの区間で150m分の高度を獲得していました。それでも歩かずに上り切れたのは、日頃の練習の賜物でしょうか。

途中「ナゾのパラダイス」という謎スポットを通過。

それよりも、給水ボトルのドリンクが底をつかないか心配でした。モンキーパークを発って以来、コンビニはおろか自販機すら見かけません。

この「ナゾのパラダイス」の近くに1台見かけましたが、小銭を入れても無反応でした。

要塞跡地で二度目の休憩

その辺の沢で水を汲んでこようかと真剣に考え始めた矢先、峠を越えて下り坂になりました。重力に身を委ねて滑り落ちるように下っていきます。

あっという間に淡路島の東側に到達。「生石公園」に出ました。生石は「おいし」と読みます。

ここは戦時中、淡路島と和歌山の間の紀淡海峡を守る由良要塞が置かれていた場所。確かに、ここの守りが弱いと太平洋から大阪・神戸方面に進入できてしまいます。丘の上に砲台があったらしいですね。

アワイチのルートから少し脱線しますが、要塞跡地に寄り道することにしました。灘を発ってから20km。二度目の30分休憩にちょうど良いタイミングです。

近くの自販機でコーラ缶を買い、乾いた喉を潤します。紀淡海峡を行き来する船を眺めながら、のんびり過ごしました。

残り10km

すでに時計は18時を過ぎていますが、まだ10kmも残っています。宿泊先のホテルにチェックインが遅れる旨を伝えてから、再び走り始めます。

18時台でも気温は30℃。蒸し暑い。先ほどの自販機で補充したアクエリアスをがぶ飲みしながら海岸線を北へ進みます。

この辺りは「由良」と呼ばれるエリア。漁港や居住地、ガソリンスタンドなどがありましたが、暑さのせいで頭が働かず、記憶があまりないです。でも砂浜を走ったことだけは覚えています。

洲本の中心部が見えた頃には、19時を過ぎていました。

そして無事に目的地の巣本に到着。今日のランはここまで。ガーミンの計測では30kmでした。

プリンスホテル

今宵の宿は、アワイチ沿いにある「淡路プリンスホテル」。名前からして西武グループのホテルかと思い込んでいたら、まったく関係のない小さなビジネスホテルでした。

勝手に期待していた自分が悪いのですが、ガッカリしました。しかしこのホテルにも良い所はあります。目の前がイオン系列のスーパー。

こちらのスーパー「マルナカ」で割引シールの貼られた惣菜とドリンク類を購入し、ホテルの部屋で遅めの夕食を取りました。

2日目:洲本〜明石海峡

昨晩はぐっすり眠れました。6時過ぎに目覚めると、昨日の30km走の疲れはまったく感じません。これまでの経験上、30kmぐらいまでなら一晩しっかり休めば疲れは取れます。

2日目は、洲本から淡路島の東海岸を北上して明石海峡を目指します。走行距離は終着点にもよりますが、30〜35kmを想定。

冒険の始まり

昨日の夏バテの教訓を生かし、今日は比較的涼しい早朝から一気に距離を稼ぐことに。というわけで8時にホテルを出発します。

ホテルから歩いて5分のところに「ドラゴンクエスト記念碑」があります。僕はドラクエファンではないため何の思い入れもないですファ、冒険のスタート地点には相応しいですね。

洲本の中心部を後にして、東海岸の県道28号を北上。この辺りは海側は断崖絶壁で内陸側は崖。道路が狭い場所が多く、車に注意して走る必要があります。

走り始めて5km、早くもローソンで小休憩。尋常じゃないくらい暑いので、アイスを買って「ニューすずしん帽」に入れた。これで後頭部を冷やす作戦。

マクドナルド最強説

しばらく走り続けると、洲本市から淡路市に入ります。

途中で「AWAJI」の文字が並んだインスタ映えスポットを見つけたので記念撮影。

本日最初の30分休憩は、イオン淡路店を選びました。まずはフードコートのマクドナルドに入り、シェイクとコーラを注文。

暑い日のランニングにこの組み合わせは最強。シェイクは深部体温を下げ、コーラは喉の渇きを潤してくれます。2021年に日光街道を走った時も暑かったですが、道中のマクドナルドをハシゴしながら完走したことを思い出しました。

次にスーパーでドリンクを購入し、給水ボトルを補充。そして、氷を少し分けてもらい「ニューすずしん帽」の氷嚢も補充しました。

イオンを出てからがキツかったです。気温は32℃ですが、体感温度は37℃くらい。道中には木陰がなく、真上から照りつける日差しにジリジリと焼かれます。

ランチ難民

二度目の30分休憩は、お目当ての飲食店へ。しかし仮屋漁港の近くにあるお店に到着すると「本日は予約のお客様で終日満席です」と悲しいお知らせが……。

「大丈夫、この近くにもう一店あるから」と、小走りして様子を見に行くと、そちらは臨時休業中だった。どちらもGoogleには載っていない情報。

「ヤバい!どうしよう!」と追い詰められた時、救世主が現れました。2つの飲食店のちょうど真ん中に、ヤマザキパンの自販機を発見。

暑いので甘い菓子パンを食べる気分ではなかったのですが、何かしらの炭水化物を摂らないと思い、バナナマフィンパンを購入。

そして仮屋漁港の一角に良さげな休憩所を発見。ここなら大きなベンチがあり、日陰で寝転べます。しかも海風が通り抜けるので涼しい。

結果的に、こちらの方がのんびりくつろげて良かったのかもしれない。

ローソンに緊急避難

体力が充電できたところで再び走り始めますが、強烈な暑さに一瞬でバテてしまいました。

とりあえずローソンに緊急避難して「ガリガリ君」と氷を購入。今回の旅で改めて「ガリガリ君」の偉大さが理解できました。

氷は飲食用のものを購入。これをジップロックに入れ替えて「ニューすずしん帽」の保冷剤として使います。そして溶けた後は水分補給用のドリンクとして再利用できて一石二鳥。

その後、こまめに小休憩を入れながら北上を続けます。間もなく「東浦ターミナルパーク」の看板が見えました。ここにも市営の駐車場があり、アワイチの拠点としてサイクリストに人気らしい。

ランナーの特権

走り始めて30km、国営明石海峡公園に到着。隣に見える建物は今宵の宿の「グランドニッコー淡路」。

当初はここで走り終える予定でしたが、暑さに慣れてきたのか、あるいは「ニューすずしん帽」の効果なのか、まだ走り続ける余裕がありました。

というわけで国営明石海峡公園の入園券を購入し、園内をジョギングしながら突っ切ることに。ちなみに自転車はNG。園内を走れるのはランナーだけの特権です。

国営明石海峡公園といえば、夏はひまわり畑が有名。期待に胸を膨らませて行くと、ひまわりは萎れていました。スタッフの方の話だと、例年に比べて見頃が早かったらしいですね。

国営明石海峡公園の北側に抜けて、さらに北上を続けます。

明石海峡大橋

明石海峡大橋の近くに「松帆の里」という日帰り入浴施設があるので、そこを目指すことに。走り続けていると、明石海峡大橋が姿を現し、少しずつ大きくなってきました。

岩屋海水浴場まで来ると、明石海峡大橋と対岸の神戸市の街並みが見渡せました。

さらに橋に近づいていきます。

橋の真下には「道の駅 あわじ」があります。ここから見る明石海峡大橋は圧巻でした。

明石海峡大橋を望む露天風呂

道の駅から500mほど先に「松帆の里」の入口があります。今日のランはここまで。ガーミンの計測では35kmでした。予定よりも5km多めに走ったことになります。おかげで明日は38kmの予定が33kmに短縮されました。

入浴施設までは坂道を500mほど上ります。35km走った後の脚には結構キツかった……。

でも露天風呂に浸かりながら明石海峡大橋が一望できたので結果オーライ。

問題は、ここから5km離れた「グランドニッコー淡路」までどう移動するか。ホテルから無料シャトルバスが運行していますが、本数が少ない上に復路だけ利用することはできません。結局、消去法でタクシーを使いました。

3日目:明石海峡〜都志

3日目は、明石海峡から西海岸を南下し、五色町の都志(つし)という町を目指します。

6時半に目覚めて、7時から朝食。8時にタクシーに乗り、昨日の終着点に向かいました。

まずは明石海峡大橋の勇姿を目に焼き付けます。

1kmも走らないうちに西海岸に出ました。県道31号、通称「淡路サンセットライン」を走ります。

対岸には、明石市の街並みがくっきりと見えました。

目論見どおり

午前中は東側から日が差すため、内陸側の木々や建物の日陰を走ることができます。実はこれもコース設計で工夫したポイントです。

これまでの経験上、旅ランは3日目が最も苦しく感じます。特に猛暑日が多い8月は、日の当たり方次第で天国にも地獄にもなりがち。

巨大なトマトが出現

4kmほど走ると、左手の丘の上に真っ赤なトマトが出現。淡路島の名物のタマネギならまだ分かりますが、なぜここにトマト?

調べてみると、トマトではなくリンゴでした。こちらの施設は、キティちゃんをテーマにした「HELLO KITTY APPLE HOUSE」。パソナグループが淡路島に本社を移転したことが話題になっていましたが、こちらの施設も事業の一環らしい。

その先には「HELLO KITTY SMILE」という別の施設もありました。こんな人里離れた場所に施設を作って需要があるのだろうか?

たまたま翌日、淡路島の南部を走っていると、すれ違った女性ライダーから「キティちゃんハウスはどこですか?」と聞かれたので、集客効果はあるのかもしれないですね。

北淡

この辺りは淡路島の北部に位置し、北淡(ほくだん)と呼ばれています。

最初の休憩ポイント「北淡震災記念公園」まであと2km。

途中で「北淡県民サンビーチ」を通過。海水浴を楽しむ方たちがちらほらいました。

走り始めて10km、北淡震災記念公園に到着。ここには阪神・淡路大震災の際に出現した「野島断層」が当時のまま保存されており、国の天然記念物にも指定されています。

見学の後は、隣の売店で休憩。この辺りの名産、ビワを使ったアイスクリームでカラダを冷やし、コーラで喉の渇きを潤しました。アイスとコーラの組み合わせは最強コンビ。

目論見が外れる

午前中は日陰を走ることができましたが、正午に近づくにつれて、前方頭上から日差しがジリジリと照りつけます。南に向かっているので、そりゃそうですよね。午前中は涼しい反面、午後は焼けるように暑い。これは誤算でした。

走り始めて16km、とりあえずローソンに緊急避難。

東海岸のローソンにはイートインコーナーがありましたが、こちらの店舗にはありません。しかたなく外の木陰でアイスを食べました。クーラーの効いた店内なら回復が早いのに…。

選んだ「富良野メロンアイス」も失敗でした。こってりクリーミーな食感は逆に喉が渇きます。結局「ガリガリ君」をもう一本買って口直ししました。夏はやっぱりガリガリ君が王道。

ちなみにローソンの先にあるファミマにはイートインコーナーがありました。ちゃんと調べるべきでしたね。今日はいろんなことが思い通りに行かない……。

幸せになり損ねた…

二度目の30分休憩は「幸せのパンケーキ 淡路島リゾート」に寄る予定でしたが、到着してびっくり。ものすごい行列で、待ち時間は50分以上もかかるといいます。

テレビの旅番組でよく目にしますし、インスタ映えスポットもあるので人気があるのでしょう。

さすがに炎天下で1時間行列するのは無理ゲーなので、再び走り始めました。

しかし厳しい暑さで一瞬でバテてしまいました。この3日間で最も過酷な暑さです。早く休憩しないとマズい。

しばらく走り続けると、飲食店が集まるエリア「フロッグスファーム」が見えてきました。砂漠でオアシスを見つけた時のような気持ちでした。早速「淡路島 回転すし 悦三郎」に入りますが、こちらも待ち時間が50分ほどかかるとのこと。

その隣の「中華そば いのうえ」は待ち時間ゼロだったので、ラーメン店に入りました。

とはいえ、ラーメンを食べる気分ではないので、消去法で温玉チャーシュー丼をいただきました。

なかなか思い通りには行きませんが、30分ほどクーラーの効いた部屋で涼み、氷水をがぶ飲みしたら元気になりました。

芝生で昼寝

走り始めて23km、ローソンでガリガリ君と氷をゲット。こちらも店内にイートインコーナーがなかったので、近くの信用金庫の建物日陰に腰掛けて休憩しました。

その後、多賀の浜海水浴場でも休憩。

砂浜の近くに芝生のレストエリアがあり、ちょうど木陰の空きスペースを見つけたので横になってしばらく昼寝をしました。

今日みたいに強烈な暑さを感じる日は本来走るべきではありません。それでも走るならこまめに休憩しないと危険です。

昨日の自分に感謝

ラスト7kmは非常に長く感じました。というのも、基本的に海と道路しかない一本道だから。あとで写真を見返すと景色の美しさに感動しますが、実際に走っているとそんな余裕はありません。

ジリジリと照りつける太陽を遮るものが何もなく、干物になってしまいそうです。しかもアップダウンもあります。

洲本市に入ると、進行方向に五色町都志の港が見えてきました。

今日のランはここまで。ガーミンの計測では34kmでした。昨日は予定よりも5km多めに走っておいて良かったです。そうでなければ今日は38kmも走らないといけなかった…。いや、この状況であと5kmは無理。

ユースホステル

今宵の宿は「tourist trophy house」。

個人経営の民宿、と言うよりもユースホステルに近い。個室は1泊3,400円。トイレとシャワーは共同。鍵はなく、部屋の内側からロックするだけ。まあ寝るだけの場所としては悪くないですね。

1kmほど離れた場所に「ウェルネスパーク五色」の入浴施設があり、宿のご主人が車で送ってくれました。こちらは水風呂もあり、温冷交代浴で疲弊したカラダを癒しました。

帰りは徒歩で戻り、地元のスーパー「マイマート」で夕食と翌日の朝食を調達。

4日目:都志〜福良

いよいよ4日目に突入。さすがに30〜35kmを3日連続で走ると疲労が溜まり、ひと晩寝ただけでは疲れが抜けません。特に、ふくらはぎがパンパンです。

4日目は五色町都志から鳴門海峡方面の南西部をまわり福良(ふくら)を目指します。

8時前に宿を出て、都志海水浴場へ寄り道。

7時台なのに蒸し暑いですね。普段30〜35kmぐらいの距離なら気合いで走れますが、暑さはどうにもなりません。熱中症になったら即アウトなので、とにかく小まめに休憩を取り、無理しないことです。

県道31号、通称「淡路サンセットライン」を走ります。海岸線に出ると、半島のように突き出た南あわじ市津井方面が見渡せました。

目をこらすと「南あわじウィンドファーム」の風力発電所も見えます。

日本の水浴場55選

走り始めて10km、慶野松原(けいのまつばら)に到着。その名のとおり、広大な松原が広がっていました。

しばらく松原の中を走ります。木陰になっていて涼しいですね。

根元が土の上に押し上げられた「根上がり松」も見つけました。

松原の近くには、日本の渚百選と日本の水浴場55選に選ばれた「慶野松原海水浴場」があります。なぜ「55選」という中途半端な数字なのか?気になって調べてみましたが結局分からず。

もうひとつの謎は「いぶし瓦」。「淡路瓦」と呼ばれ、日本三大瓦のひとつに数えられます。淡路島の南西部を走っていると、看板をよく目にしました。

ショッピングモール・シーパ

走り始めて11km、ショッピングセンター「シーパ」に到着。

ここから先20kmは福良までスーパー・コンビニがないため、氷とドリンクを補充します。

昨日までは「ニューすずしん帽」に氷を詰めて後頭部を冷やしていましたが、都志滞在中にどこかで紛失してしまいました。その代わりに今日は氷をリュックの背面ポケットに入れて走ります。

津井に向かってしばらく海沿いの道を進みます。

こちらはおしゃれな宿泊施設「SolaVilla」。

釜揚げしらすの水産工場もありました。

走り始めた時は、爪楊枝のように小さかった「南あわじウィンドファーム」の風力発電所も間近で見るとその大きさに圧倒されます。

走り始めて17km、川辺の木陰で小休憩。

再び西海岸へ。瀬戸内海の向こうには徳島の山々が見渡せました。

救世主

ショッピングセンター・シーパで補給した氷が完全に溶け、給水ボトルのドリンクも残りわずか。そろそろ自販機で補充せねば、と思っていた矢先に両手を振る男性を発見。

近づいてお話を伺うと、ツイッターでつながっている地元にお住まいのT氏でした。今日はわざわざ差し入れに来てくださったとのこと。

お言葉に甘えて、水と氷とエナジーゼリーをいただ来ました。この辺りにはスーパーやコンビニがないので本当に助かりました。

休憩を兼ねて、しばらくT氏と雑談。「淡路島にはなぜ鉄道がないのか?」「なぜ瓦工場が多いのか?」「タマネギ以外の名産品は?」など、道中で疑問に思ったことをいろいろ聞いてみました。

T氏と別れ、鳴門海峡沿いの海岸線を走り始めます。しばらくすると大鳴門橋が姿を現しました。

大鳴門橋に近づくにつれて、起伏が激しくなります。

あわじ島オニオンビーフバーガー

途中、T氏に教えていただいた「うずの丘」に寄り道しました。往復で1kmほど多く走ることになりますが、旅の楽しさは寄り道にあります。

観光客向けの施設で、巨大タマネギの「おっ玉葱」やタマネギのクレーンゲームなどがあります。

ここで食べた「あわじ島オニオンビーフバーガー」は絶品でした。

ここから福良までは下り坂基調で走りやすかったですね。あっという間に、福良の手前にある「休暇村 南淡路」にたどり着きました。今日のランはここまで。ガーミンの計測では31kmでした。

5日目:福良〜灘

いよいよ最終日!5日目は、福良から淡路島の南端を走り、終着点の灘を目指します。

疲労感がハンパない

これまで4日連続で30〜35km走っており、さすがにひと晩寝ただけでは疲労は抜けず。ただし福良〜灘は20kmにも満たないので気合いで乗り切れるでしょう。

こちらは「休暇村 南淡路」から見た福良の景色です。

宿を出発して間もなく「アワイチ」の標識を発見。このような標識は今回の旅で初めて見ました。

早朝にも関わらず、福良港は活気に溢れています。港に面した道路は「ちりめんロード」と呼ばれるらしい。

走り始めて3km、道の駅 福良で休憩。施設の一角に無料の足湯がありますが、営業前でした。

代わりに近くのローソンでガリガリ君を購入し、早くもアイス休憩。ここから先、灘までコンビニはありません(小さなミニスーパーのみ)。

しばらくすると上り坂が始まり、最初の峠越えが始まります。あとで調べたら、獲得高度は80mほど。疲れたカラダに鞭を打って進んでいきます。

峠の先の絶景

峠を越えると、驚くような絶景が広がっていました。Googleマップで見た時も気になりましたが、ここには一直線の道路が伸びています。

県道25号を東へ進み、集落を抜けていきます。

途中、通りかかった納屋にタマネギが吊るしてあったので思わずシャッターを切りました。普段タマネギなんて興味すらないのに、淡路島でタマネギを見かけるとカラダが反応してしまうのは面白いですね。

怪しげなドラえもん

走り始めて10km、ちょっと怪しげなドラえもんに遭遇。走りすぎて痩せてしまったのか?

再び峠越えが始まります。先ほどよりも緩やかな上り坂ですが、獲得高度は80mに達します。キツい……。

途中、何度か溜池を見かけました。淡路島では水不足に陥らないために、昔からこうした溜池が活用されてきたらしい。まさに先人たちの知恵。

世界一のコーラ

峠を越えたあたりは「地野」と呼ばれています。ここでコカ・コーラの自販機を見つけたので350ml缶を購入。「地野集落センター」と書かれた建物は休憩所になっていたので、しばらく休ませてもらいました。

あとでツイッターで繋がっている方の情報によると、ここはサイクリストの間で「世界一のコーラ」として有名な場所らしいです。峠を越えて飲むコーラが美味しく感じるからでしょうか。

個人的には、初日に「生石公園」で飲んだコーラが今回の旅で一番美味しく感じました。

無事に完走

しばらく坂を下っていくと海が見えてきました。灘までのラスト3kmは、海岸の断崖絶壁スレスレを走ります。絶景についつい見惚れて、何度もシャッターを切りました。

そして無事に灘ターミナルセンターまで戻ってきました。5日前に走り始めた場所です。

今日の走行距離は18km。これにて淡路島1周ランは終了。5日間で合計148km走った計算になります。

車も無事だった

完走して真っ先に駐車場へ向かいました。5日間駐車していた車は無事でした。エンジンもかかってひと安心。これで徳島空港まで家族を迎えに行けます。

その前に汗を流さないといけません。福良に向かう途中に「南あわじリフレッシュ交流ハウスゆーぷる」という入浴施設があり、そこに頼道しました。

ここのジェットバスは素晴らしかったですね。座って入るタイプで、足裏とふくらはぎがいい感じにマッサージできます。ジェットバスと水風呂に交互に入り、下半身の疲れをとりました。

そして予定どおり徳島空港で家族と合流することができました!

リュックの持ち物

今回の旅では、こんな格好で走りました。

半袖シャツは、高温多湿な環境下でも快適なアシックスの「アクティブリーズ」を着用。ランニングキャップは全面メッシュタイプのザノースフェイスの「ランオールメッシュキャップ」。

シューズはクッション性能が向上したナイキの「ズームフライ5」です;

持ち物は全てサロモンの5Lリュック「SENSE PRO 5」に詰め込みました。

食べ物・飲み物は現地で調達。毎晩、現地の宿に泊まって服は洗濯して着回します。

真夏の熱中症対策

今回は8月の猛暑日に走ることになったため、熱中症予防を徹底しました。

5km毎に休憩

まずは小まめに休むこと。5km毎に小休憩し、10km毎に30分休憩を強制的に取るようにしました。ポイントは、調子が良くても強制的に休むこと。油断や慢心が一番危険なので。

ドリンクは経口補水

市販のスポーツドリンクよりも電解質濃度が高い「経口補水パウダー ダブルエイド」を使用しました。給水ボトルと水があれば、どこでも作れて便利です。今回は5日分15本を家から持参しました。

後頭部を冷やす

上の写真で写し忘れましたが、工事現場で使われる「ニューすずしん帽クール」に氷を詰め、後頭部を冷却しながら走りました。

おまけ

最後までお読みいただき有難うございます。この記事はマラソンブロガーのtomo.が書きました。当ブログでは紹介するランニングアイテムはすべて自費で購入し、忖度なしでレビューしています。