
Garminのランニングダイナミクスポッド(RDポッド)の使い方
ランニングダイナミクスポッドを使えば、Garminウォッチでは計測できなかった体の動きを数値化することができ、ランニングフォームの理解・改善に役立てることが出来ます。
この記事では、Garminウォッチとペアリングして利用する「ランニングダイナミクスポッド」の使い方を分かりやすく解説します。
RDポッドの機能
ランニングダイナミクスポッド(Running Dynamic Pod)は、ランニング時の生体力学を測定できるセンサーです。「Running Dynamics」の頭文字を略して「RDポッド」とも呼ばれています。
ランニングダイナミクスは親指サイズの本体に加速度センサーを内蔵しており、互換性のあるGarminウォッチとペアリングして利用します。
ランニングダイナミクスポッドを腰のあたりに装着して走ると、以下のデータが記録出来ます。
ピッチ | ピッチは1分あたりの歩数です。合計ステップを表示します(左右の組み合わせ)。 |
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地面接地時間 | トレーニング中に地面に接している各ステップの時間です。ミリ秒単位で測定されます。 |
地面接地時間バランス | 地面接地時間の左右のバランスをパーセンテージで表示します。 |
ストライド幅 | 1歩から次のストライドまでのストライドの長さで、メートルで測定されます。 |
上下動 | 走っている間の胴体の垂直振動の振れ幅を計測します。ステップごとにセンチメートル単位で表示します。 |
上下動比 | 垂直振動とストライド幅の比で、パーセンテージで表示されます。数値が低いほど、トレーニングフォームが良好であることが示されます。 |
記録したデータの分析結果を「Garmin Connect」で参照しながら、ランニングフォームの理解と改善に役立てることが出来ます。
対応機種
2018年以降に発売されたGarminウォッチの中〜上位モデルで利用出来ます。最新の対応機種は公式サイトで確認しましょう。
今回は、Garminウォッチの「ForeAthlete 935」を購入したら、ランニングダイナミクスポッドが同梱されていたので使ってみました。以下の写真右上にある、黄緑色のセンサーがランニングダイナミクスポッドです。
初期設定
使い方は簡単。Garminウォッチを起動し、ランニングダイナミクスポッドをひと振りすると、自動的にペアリングしてくれます。接続が完了すると、ウォッチフェイスに「RDポッド接続」と表示されます。GPSの捕捉よりも早くて驚きました。
裏側はクリップになっており、ズボンの後ろの腰の部分に装着します。あとはランニングするだけ。ちなみにクリップのグリップ力は相当強力なので、走行中に落とす心配はありません。
走ったあとに忘れて洗濯機に入れてしまわないように注意しましょう。アクティビティを完了すると、「RDポッドを取り外してください」とリマインドしてくれます。
使い方
ここからは、先日参加した「黒部名水マラソン」で使ってみましたので、ランニングダイナミックスポッドで記録したデータを詳しく見ていきましょう。
それでは早速、ランニングダイナミクスのデータを見ていきましょう。Garmin Connectでアクティビティを開くと、以下のデータが表示されます。
- 平均ケイデンス 177 spm
- 最大ケイデンス 199 spm
- 平均歩幅 1.20 m
- 平均上下動比 7.1 %
- 平均上下動 8.6 cm
- 平均GCTバランス 50.6% 左/49.4% 右
- 平均接地時間 247 ms
これだけだと意味がわからないので、ひとつずつ見ていきましょう。
ケイデンス
ケイデンス(cadence)とは、ピッチのことを指します。平均ケイデンスは、1分間あたりの左右合計の歩数です。最大で1分間に200歩(spm)、つまり1秒間に3歩強のピッチで走っていることがわかります。
ガーミンコネクトでケイデンスの推移を見ると、ペースアップした後半にかけて若干ケイデンスが微増(1分間につき5〜10歩)しているのがわかります。
歩幅
歩幅は、一歩あたりの歩幅(m)を指します。ランニング用語ではストライドとも呼ばれます。平均で1.20メートル。感覚的には1メートルくらいかなと思っていましたが、意外と長いことに驚きました。
歩幅の推移を見ると、ペースアップした後半にかけて10〜20センチほど伸びています。ケイデンス(ピッチ)に比べると顕著な差ですね。後半のキロ4分30秒台のペースはストライドによって生まれていることがわかります。
上下動比
上下動は、一歩あたりの体の上下動の幅(cm)。つまり、平均で8.6センチも上下していることになります。
上下動比は、歩幅に対する上下動幅の比率(%)を表した指標。上下動を歩幅で割った数字です。数値が低いほどランニングフォームがよいとされます。
上下動比の推移を見ると、ペースアップした後半にかけて若干ですが改善しています。歩幅が伸びているので、分母が大きくなったからですね。
GCTバランス
接地時間(GCT)は、一歩あたりの地面に足がついている時間をミリ秒(1000分の1秒)で表したもの。
GCTバランスは、左右の接地時間の割合(%)を表す指標。左右のバランスが均一な状態だと、50%-50%となるので、今回の50.6%-49.4%という結果は悪くなさそうです。
GCTバランスの推移を見ると、最初の10kmは左右イーブンでしたが、10キロ以降、やや左に傾いていることがわかります。基本的に反時計回りのコースなので、自然と左に傾いている時間が多かったからかもしれません。
よくある質問
電池はどれくらい持ちますか?
ランニングダイナミクスポッドは豆電池を使用しており、電池の寿命は約1年間とのこと。交換する際は本体をクリップから外す必要があります。
紛失したらどこで買えますか?
Amazonなどのネット通販で「ランニングダイナミクスポッド」を単体で購入出来ます。価格は7,000円ほど。
まとめ
以上、Garminウォッチとペアリングして利用する「ランニングダイナミクスポッド」の使い方を分かりやすく解説しました。
ランニングダイナミクスポッドを使えば、Garminウォッチでは計測できなかった体の動きを数値化することができ、ランニングフォームの理解・改善に役立てることが出来ます。