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メタスピード:スカイ+とエッジ+、どっちがいいの?
アシックスの最速級マラソンシューズのメタスピードの「スカイ+」と「エッジ+」どちらが良いか?という疑問にお答えします。
アシックスは「ストライド型ランナーならスカイ」か「ピッチ型ランナーならエッジ」を推奨していますが、そもそもこの分類の仕方に違和感を感じます。
メタスピードの大ファンである「とも」は、両方買って履き比べた結果「スカイ+」の方がしっくり来ました。
目次と内容
メタスピードとは?
メタスピード(METASPEED)は、アシックスのランニングシューズの最上位モデル。
2021年4月の発売以降、数多くの世界トップ選手や市民ランナーの自己ベスト更新に貢献しています。
近年、アシックスはハイスペックシューズのカテゴリにおいてナイキやアディダスに負けていましたが、人気絶好調のメタスピードをフラグシップモデルとして位置づけ、シェア拡大を狙っています。
第2世代(+プラス)が発売
2022年6月には後継モデルとなるメタスピードの「+(プラス)」が発売されました。5月にはスペインのバルセロナでランニングイベントを開催するなど、メタスピードに対するアシックスの意気込みが伺えます。
「スカイ」と「エッジ」
初代と第2世代に共通している点として、メタスピードにはストライド型ランナーに適した「スカイ」と、ピッチ型ランナーに適した「エッジ」があります。第2世代はそれぞれ「スカイ+」と「エッジ+」の名称で発売されました。
スカイ+ | エッジ+ | スカイ | エッジ | |
---|---|---|---|---|
発売 | 2022年6月(第2世代) | 2021年4月(第1世代) | ||
重さ(27.0cm) | 205g | 210g | 188g | 199g |
オフセット | 5mm | 8mm | 5mm | 8mm |
価格(税込) | 27,500円 |
メタスピードの欠点
トップ選手であれば「スカイ」と「エッジ」を両方所有して、履き分けることができます。しかし市民ランナーの場合、そもそも1足ですら高額(約3万円)なのに、2足揃えるのは現実的ではありません。
また「スカイ」と「エッジ」のどちらを選べば良いのか、という難しい問題があります。購入前に試走できる店舗が近くにあれば良いのですが、多くの人はフィッティングはできても、実際に屋外で試し履きをする機会は少ないと思います。
ストライダー型かピッチ型か
一応、アシックスの公式の選び方としては「スカイ」はストライド型ランナー向け、「エッジ」はピッチ型ランナー向けとなっています。しかし自分がストライド型かピッチ型かなんて正確に判断できないですし、利用シーンによって変わる可能性もあります。
「勝ち方は、ひとつだけ」の方がラク
「勝ち方は、ひとつだけか。」はメタスピードのキャッチコピーです。アシックスとしては「選べること」がライバルとの差別化要因なのかもしれませんが、市民ランナーからすると「選ばなくてよい」方が楽ですよね。
少なくともナイキのハイスペックシューズで、「スカイ」か「エッジ」かみたいに悩むことはないですから。
スカイ+ VS エッジ+
最初から否定的なコメントを書きましたが、「とも」はメタスピードの大ファンです。
アシックスの「メタ」シリーズは「メタライド」と「メタレーサー」を持っていますし、先日は「メタスピード スカイ」を履いて「かすみがうらマラソン2022」でフルマラソン自己ベストを更新したばかり。
なのでメタスピードの第2世代は発売直後に「スカイ+」と「エッジ+」を両方購入しました。もちろん自費ですよ。「とも」にとってはそれだけ思い入れのあるシューズなのです。
それはさておき「スカイ+」と「エッジ+」の違いを見ていきましょう。以下の写真は、上が「スカイ+」で下が「エッジ+」です。
見た目ソックリ
「スカイ+」も「エッジ+」も色が同じ。自宅の玄関に2足並んでいると、パッと見ただけでは見分けがつきません。ヒールの外側に印字されている「METASPEED SKY」と「METASPEED EDGE」で見分けるしかないです。
ミッドソールの構造
しかし並べてよく見ると、細かい部分では異なることに気づきます。最も分かりやすいのがミッドソールの構造。ソールの最も厚い部分は「スカイ+」の方が「エッジ+」よりもやや前方に配置されています。
そのため「スカイ+」の方が前足部とカカトの高低差が小さくなっています。シューズの傾斜を表すオフセットは「スカイ+」が5mmで「エッジ+」が8mmです。
つま先〜前足部
実際に足を入れてみると、両者は全くの別物。特に違いを感じる点は、つま先から前足部にかけてのフィット感。同じサイズでも「スカイ+」はスペースに余裕があるのに対し「エッジ+」はピタリとフィットする。
この違いはミッドソールの構造に起因しています。「スカイ+」は前足部のクッションを増量し、縦に厚みを増しているだけでなく、横にもはみ出しています。
第1世代の「スカイ」と比べても「スカイ+」はワンサイズ大きくなったと錯覚するほど、つま先〜前足部の遊びが大きいのが特徴です。
アウターソール
両者の違いが最も分かりにくいのが靴底です。唯一の違いは、アシックスグリップを採用したアウターソールの後ろの部分。なぜか「エッジ+」だけ三角形の「穴」が開けられていますが、理由はよく分かりません。
ストライド型 VS ピッチ型
結局、「スカイ+」と「エッジ+」のどちらが良いのか?まずは、アシックスの公式サイトにある「判定ツール」を見てみましょう。使い方は以下のとおり。
- 自分のレースペースで1km走り、タイムとピッチを計測
- レースペースより30秒遅いペースで1km走り、タイムとピッチを計測
- ①②で計測したタイムとピッチをそれぞれ入力し「計算する」をタップ
「とも」の場合、①はペースが3:55/kmで平均ピッチが181、②はペースが4:25/kmで平均ピッチが182でした。数値を入力した結果、「メタスピード スカイ」あるいは「メタスピード スカイ+」をおすすめされました。
まあ実際に「メタスピード スカイ」との相性は良かったですし、フルマラソンで自己ベストを更新できたので、判定結果が間違っているとは思いません。
一方で判定の基準がよく分からないですし、計測したペース・ピッチがどこまで正確なのかも分かりません。結果は鵜呑みにするのはやめた方が良いでしょう。
ミッドフット VS フォアフット
実際に両方履いて走ってみた感想として、「スカイ+」は足裏全体で着地するミッドフット走法に適しており、「エッジ+」は前足部で着地するフォアフット走法に適していると感じました。
「スカイ+」は前足部の分厚いクッションでレスポンスを得ながら蹴り出す感覚。「エッジ+」はオフセットを生かしてロッキングチェアのように転がす感覚です。
ゆったり派 VS ぴったり派
ランニングシューズのフィット感は客観的に評価するのが難しいが、「スカイ+」はゆったりしたフィット感、「エッジ+」はぴったりしたフィット感、と区別することができます。
「スカイ+」はつま先〜前足部に遊びを持たせつつ、足首をガッチリとホールドする。「エッジ+」は足首をホールドしつつ、つま先〜前足部も押さえ込む。「エッジ+」の方がより傾斜が高い(オフセットが8mm)ため、滑り落ちないよう配慮しています。
長距離走 VS 中距離走
これは個人差がありますが、「とも」としては「スカイ+」はハーフ〜フルマラソンの長距離、「エッジ+」は5km〜ハーフマラソンの中長距離に向いていると思います。
長距離ではピッチをなるべく抑えてストライドを伸ばした方が後半で疲れにくく、中距離ではピッチを上げて加速するのが好きなので。
そもそもランナーを「ストライド型」と「ピッチ型」に二分すること自体に違和感を感じます。走る距離やペースによって、どちらを重視するかは変わりますし、例えばフルマラソンのレースの中でも「前半はストライド重視で後半はピッチ重視」という展開も考えられますよね。
おまけ
以上、アシックスのメタスピードは「スカイ+」と「エッジ+」のどちらを選ぶべきか?という問題を検証しました。
両者を履き比べた上で1つだけ選べと言われれば、迷わず「メタスピード スカイ+」を選ぶ。それは自分がストライド型だからではなく、ハーフ〜フルマラソンの長距離メインで走っているから。
理想的を言えば、アシックスには「勝ち方は、ひとつだけ。」に絞ってもらい、ランナーに選ばせる(迷わせる)手間を省いてほしかったですね。
この記事はマラソンブロガーの「tomo.」が書きました。気に入ったらしてもらえると嬉しいです。X/TwitterやStravaでも発信しています。
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